マツダ3 SKYACTIV-Xで元は取れるのか? 約68万円高い夢を買う意味

マツダ3 SKYACTIV-Xで元は取れるのか? 約68万円高い夢を買う意味

 世界初のSPCCI(火花点火制御圧縮着火)方式を採用した新エンジン「SKYACTIV-X」を搭載したマツダ3が2019年12月5日に発売された。

 しかし、価格を見ると、SKYACTIV-Xを搭載したXグレードは319万8148~368万8463円と300万円オーバー。

 同グレードの1.8LディーゼルXDに比べ40万7407円高、同グレードの2Lガソリンの20Sに比べ68万2407円高、最も安いマツダ3の1.5S(222万1389円)と比べると、97万6759円も高いのだ。

 はたして、マツダ3のSKYACTIV-X搭載車は、なぜこんなに高いのか? 価格に見合った性能や魅力を備えているのか? 価格差、テクノロージーの両面から、自動車テクノロジーライター・高根英幸氏が解説する。

文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部

【画像ギャラリー】マツダ3 SKYACTIV-X搭載車と他グレードの違い詳細写真


最大97万6759円という驚きの価格差!

マツダ3ファストバックのSKYACTIV-X搭載車は319万8148~368万8463円
マツダ3ファストバックのSKYACTIV-X搭載車は319万8148~368万8463円

 マツダ3の真打ち、SKYACTIV-X搭載車がついに発売された。その走りっぷり、エンジンが伝えてくるフィーリング、そして実燃費などクルマ好きにとってはいろいろな部分に興味があると思うのだが、真っ先に目に入ってくる情報としては、やはり車両価格じゃないだろうか。

■1.5Lガソリン車との価格差は15Sと比べ97万6759円高、15Sツーリングと比べ88万2159円高
・15S 2WD 6AT=222万1389円
・15Sツーリング 2WD 6AT=231万5989円
■2Lガソリン車との価格差はXプロアクティブと20Sプロアクティブ、同プロアクティブ ツーリングセレクション同士の比較ではいずれも68万2407円高
・20Sプロアクティブ 2WD 6AT=251万5741円
・20Sプロアクティブ ツーリングセレクション 2WD 6AT=263万6741円
■1.8Lディーゼル車との価格差はXプロアクティブ、XDプロアクティブ、同Xプロアクティブ ツーリングセレクション、同XDプロアクティブ ツーリングセレクション同士の比較ではいずれも40万7407円高
・XDプロアクティブ 2WD 6AT=319万8148円
・XDプロアクティブ ツーリングセレクション 2WD 6AT=291万1741円
■SKYACTIVX-X搭載車のXグレードは319万8148~368万8463円
・Xプロアクティブ 2WD 6AT=319万8148円
・Xプロアクティブ ツーリングセレクション 2WD 6AT=331万9148円

 上の価格差を見ていただければわかるように、SKYCATIV-X搭載のXグレードは、SKYACTIV-G2.0の同グレードより68万2407円高い300万円オーバーからと、一番高価なパワーユニットとなっている。マツダ3の最上級グレードとなるバーガンディセレクションでは369万8463円だ。

 国産車のCセグメントで300万円オーバーはちょっと高過ぎる。しかもVWゴルフGTIみたいな高性能モデルではないし、フルハイブリッドほど燃費が突出している訳でもない。

 と、そんなふうに考える人は少なくないだろう。当初、筆者も価格には違和感を感じた。なぜなら、SKYACTIV-X搭載車は、こんなに高くなる予定じゃなかったハズだったからだ。

 時は2年ほど前に遡る。開発中のSKYACTIV-Xに試乗し、担当エンジニアから話を聞いていた時には、「SKYACTIV-X搭載車の価格は、SKYACTIV-Gよりは高価になるが、SKYACTIV-Dよりは安くなる」という話だった。

 「ホラ、話が違うじゃん!」と、言いたくなる気持ちをグッと堪えて、どうしてSKYACTIV-Xは高価になったのか、検証してみよう。

1.5Lの一番安い15SとXプロアクティブの価格差は実に97万6759円
1.5Lの一番安い15SとXプロアクティブの価格差は実に97万6759円

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