【最高速引き上げ】関越トンネルはなぜ最高速80km/hになったのか?

日本で2番目に長いトンネル、新潟と群馬の県境にある関越道・関越トンネル。写真はこのトンネルの入口手前を写したもので、速度標識は「最高速度70km/h」を示している。そう、1985年の開通以来、関越トンネルは最高速度70km/hで運用されてきたのだ。ところが2015年10月、その最高速度は80km/hに引き上げられた。

なぜ、30年に渡って頑なに70km/h制限とされてきた関越トンネルの最高速が引き上げられたのか? 関越トンネルを管轄する新潟県警を直撃した。

高速道路を中心に最高速引き上げの議論が注目を集める今、その理由を改めて振り返ってみたい。

文:ベストカー編集部
ベストカー2015年11月10日号


関越トンネルを走るクルマの実勢速度は85km/h

編集部 もしもし。あのー、自動車雑誌「ベストカー」の者ですが、関越トンネルの規制速度が80km/hに引き上げられた件について伺いたいのですが。

新潟県警広報部 関越トンネルについてですか!? 少々お待ち下さい!! ベストカーさんですね!?

編集部 (なぜ、そんなに大声なんだろうか……)は、はい。わかりました。

新潟県警交通規制課(以下、交通規制課) ……もしもし。ごめんください。交通規制課の者です。関越トンネルの件についてご質問でしょうか?

編集部 (今度はやけに丁寧だなぁ)はい、そうです。これまで長年、関越トンネルでは70km/h規制でしたが、今回の規制速度引き上げにはどのような背景があったんですか?

関越トンネルは群馬県と新潟県の県境に位置している。2015年に最高速が80km/hに引き上げられたのは、関越トンネルを含む上り線約12.6kmと下り線約13.3km。ただし、工事や事故の場合50km/h制限となる

交通規制課 平成22年(2010年)に、警察庁から新たに合理的な速度規制を行う主旨の指針が出されました。これを受けて、(新潟県警管内で)どの路線・区間が当てはまるかピックアップし、群馬県警と警察庁の間で調整し、2015年10月1日から80km/hに最高速度を引き上げました。

編集部 警察庁の指針を受けて、調整してきたということですね? でも、なぜ引き上げは妥当だという流れになったんですか?

交通規制課 NEXCO東日本さんからデータをもらったところ、関越トンネルを走るクルマの実勢速度は85km/hでした。加えて、関越トンネルを通行するドライバーの意見も「規制速度の引き上げに賛成」という声が大半だったということもその要因ですね。

編集部 なるほど。そうすると、逆になぜ今まで70km/hだったのかが気になるんですが。

交通規制課 関越トンネルは全国的にみても約11㎞と非常に長い距離を持つトンネルです。そこで事故防止や事故が発生した際の二次災害のリスクという観点から法定70km/hとなっていたように思われます。

編集部 なるほど。ということは、安全上も80km/hで問題ないということですね?

交通規制課 そうですね。安全面でも(法定速度を)上げても差し支えないという判断ですね。

編集部 ちなみに、関越トンネル以外で平成22年以降に最高速の引き上げを行った例としてはどんな区間がありますか?

交通規制課 代表的な所では、平成23年の10月に、新潟バイパスの黒埼ICから海老ヶ瀬IC間と新新バイパスの海老ヶ瀬ICから三賀橋間の約28.5kmで最高速度を60km/hから70km/hに引き上げています。また、平成26年の10月から上新バイパスでも一部区間で最高速を60km/hから70km/hに引き上げるなどしています。


諸外国と比べて、日本は都市間連絡速度が遅いといわれている。そういったなかで直近では、新東名と東北道の一部区間で試験的に最高速を110km/hに引き上げることが決定するなど、最高速引き上げの議論が本格化してきている。

安全を最優先としつつ、実情にあった最高速の見直しが進んでいくことを期待したい。