【試乗レポート】ノート e-POWER NISMOの走りは痛快そのもの!

登場以来、販売好調のノートe-POWER。昨年12月には待望のNISMOバージョンが追加され、e-POWERのさらなる戦闘力アップに期待がかかる。ノーマル車と比べてどう違うのか。ノート e-POWER NISMOの走りを試してみた。

文:松田秀士/写真:平野 学
ベストカー2017年1月26日号


NISMOのDNAとe-POWERが融合!

ノート e-POWERに早くもNISMOバージョンが登場。文字どおり、e-POWERは新しい形のEVと日産が発信しているように、エンジンで発電して電気モーターで走る。

そのモーターパワーの走りが、どのようにチューニングされたのか興味深いところだ。

今回の試乗コースは富士スピードウェイのショートコース。ここは、一般公道のワインディングに似た、曲がり込んだ小さなRのコーナーや、切り返しのコーナリング、そして登坂しながらの旋回もある。浮世離れした本格的サーキットとは異なり、現実的なテストができるというわけだ。

走りを支える機能性

エクステリアは、ご覧のように既存のノートNISMOからキャリーオーバーされているが、ノートNISMO、NISMO Sともに、今回内外装に新たなデザインが採用されている。

注目なのは、リアフェンダー後部のフラットな面。MY-17 GT-Rにも採用されている手法で、リアタイヤハウス内からの空気の抜けを整流し、エアロ全体でゼロリフトを達成しているという。これは基準モデルよりも約30%の向上となる。

ところでe-POWERを外観から見分けるには、フロントグリルにブルーアクセントが入っているか否か。また、左右ドアにe-POWERのエンブレムが配されている。

インテリアで一番気になるのがシート。標準装備のスポーツシートはNISMO Sと共通で、しっかりとクッション性を持たせながらも、サイドサポートなども本格的。他に、オプションでレカロと共同開発したセミバケットタイプも用意される。

ブラック基調で、レッドのアクセントカラーを入れたスポーティなインテリアに仕上げられている

で、今回試乗したモデルは標準シート。しかし、これがすばらしい座り心地。NISMOでは、ターゲットカスタマーをパフォーマンス・シーカー(主にZやGT-R)とハイライフ・シーカー(ノートやジュークやマーチ)に分けていて、e-POWERはハイライフ・シーカーでも、スカートの短いお姉サンたちにも注目してほしいとのこと。確かに、このシートの暖かいフィット感は、女性にもウケるはず。

ノートにはステアリングにテレスコ機構がないため、基準車ではやや前のめりなドラポジだが、このシートなら文句なしのドラポジが取れる。

走り出すと、基準車にはない高級感が漂う。安っぽさが感じられない。それは、ボディから伝わる剛性感と振動の少ない走行フィールだ。

ひと味違うe-POWER

ノートe-POWERのドライブモードには、ノーマルのDとB、そしてスポーティなSとECOの4モードがある。e-POWER NISMOは、専用チューニングコンピューターを搭載して、ECOモード以外の走りを強化している。

特に、発進加速や低速域からの加速レスポンスが力強い。アクセル全開で高速域に達してしまえば、最高出力&最大トルクは基準車と変わらないが、スポーツモードではレスポンスと加速性能が明らかに強化されている。コーナーからの立ち上がり加速が気持ちよく、踏みすぎ注意である。

e-POWERの醍醐味は、アクセルワンペダルによる速度コントロールが可能な点だ。そこで、NISMOは加速性能だけでなく、減速域もチューンされている。ノーマルでは低速になるにしたがって回生ブレーキが強くなるが、NISMOでは高速域から同じテンションで回生ブレーキが作動する。つまり、アクセルを離せば、どの速度域からでも高い回生ブレーキ(最大0.15G)が得られ、回り込んだコーナーでのアクセルON/OFFで威力を発揮。コーナリング中、アクセルだけでもハンドリングをコントロールできる。

リーフと同じパワーユニットを搭載し、リーフよりも約130㎏も軽量ゆえに、その走りは軽快でスムーズ。とはいえ、ノートの基準車よりは約100㎏重いため、フロントエンドのバンパー内にクロスバーを採用し、フロアトンネルにもトンネルステーを追加して剛性を高めている。

これらによって操舵に対する応答性もよく、素直にロールする。サスペンションは、フロントはスタビ径のサイズアップと、リアは約30%スプリングレートを固めている。もちろんダンパーも外筒径をアップして減衰力をチューン。
これらのチューニングを担当したのは、日産の匠集団ともいえるオーテックジャパン。すばらしい仕上がりだ。

モーター、エンジンの仕様は、標準のノートe︲POWERと同様となっている

NISMOならではの車体剛性UP、エアロダイナミクス、専用の足回りが採用されている

リアバンパー、リアバンパースポイラーなどの形状に、スーパーGT仕様のGT-Rに採用されている空力技術を投入。基準モデルに対して約30%ダウンフォースを向上させ、ゼロリフトを実現。タイヤの接地力をUPさせることができ、低速走行から高速走行までしっかり感のあるハンドリングを実現している

 

ノート e-POWER NISMO 主要諸元
■全長×全幅×全高:4165×1695×1530mm/ホイールベース:2600mm/車両重量:1250kg/駆動方式:前輪駆動(FF)/乗車定員:5名/エンジン種類:1.2L直列3気筒DOHC(発電用)+EM57(駆動用モーター)/モーター最高出力:109ps/3008-10000rpm/モーター最大トルク:25.9kgm/0-3008rpm/トランスミッション:―/燃費:―[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:185/65R15(前後)/車両本体価格:245万8080円(税込み)