F1、スーパーGT…ドライバーやメカニックの年収は? 自動車業界の給与明細【後編】

津川哲夫氏が明かすF1メカニックの年収は?

続いてはF1メカニック。自身もベネトンなどで日本人F1メカニックとして活躍した津川哲夫氏に話を聞いた。

「初任給だと俺の現役当時で約310万円。今は520万円ほど。年俸制で次の年も残留するなら給与が20%上がるといったシステムだね」と津川氏。では、その後年俸はどのように上がっていくのだろうか?

「俺が現役だった1990年代前半でも上級メカニックの年収は800万円程度で、これは今も同じくらいだね。さらに、チーフメカニックになると1000万円ほどといった金額になる。でもね、チームの調子が悪くなると一番最初に切られるのはメカニックなんだよ。

ただ、現在のメカニックが“サラリーマン”だとしたら、俺が現役の頃、メカニックは“職人”だった。仕事の範囲も今より広かったし、やりがいはあったよ」

作業を行うウィリアムズF1チームのメカニック。チーフメカニックともなれば1000万円級の年収を手にできるが、契約はシーズンごと。必ずしも継続的に雇用があるわけではない

スーパーGTドライバーでも億単位は一握り

いっぽう、国内で活躍する日本人ドライバーはどうか? スーパーカー手配師でレース界に精通するプリウス武井氏に聞いた。

「スーパーGTのGT500でワークスドライバーのトップだと年収は約1億円。ただ、こういうドライバーは各メーカーせいぜい1人しかいない。GT500クラスでも若手ドライバーだと年俸は500万円ほどになる。平均して約2000万円が相場」と武井氏。

国内トップカテゴリーのスーパーGT GT500クラス。2016年は3メーカー、計15台・30名のドライバーがレギュラー参戦したが、GTドライバーはプロ野球選手以上に給料の開きがあるといえそうだ

では、GT300はどうだろうか?

「GT300で、年俸制で契約しているドライバーはほぼいないハズ。“乗車手当”は出るけど、パーソナルスポンサー契約による収入がメインだから(年収は)人によってまちまちでしょう」

スーパーGTは日本のトップカテゴリーなだけに、もっと高給でもいい気がするのだが……。

レースクイーンの日当はノーギャラの場合も!?

ちなみにレースクイーンの収入を武井氏に聞くと「レースクイーンはほぼ日当契約。トップの人でも1日5万円程度で、なかにはノーギャラの人もいる。日当は平均して1万5000円ほど。でも、レースクイーンとしての露出がほかの仕事に繋がることもあるからね」とのこと。

レースクイーンとして地道に人気を得て、仕事の幅を拡げていく……レースクイーンには、お金以外の効果があるということだろう。

サーキットを彩るレースクイーンたち。そのお給料は思ったより少ない印象だが、7万人以上が集まるイベントでの露出は抜群の宣伝効果があるハズだ

このように、職種によって条件はさまざま。職業なのだからお金は重要だが、もっと大事なのはやりがい。ここまで調査を進めるなかで、不思議と自分の仕事にやりがいを感じていない人は少なかった。“好きこそ物の上手なれ”。クルマ業界への就職も悪くない?