あと一歩で世界の壁を越えられる日本車5台とは?

以前、「世界の壁を越える日本車」を紹介した。ランドクルーザーをはじめ、世界の市場でも高く評価される車種を多く挙げた。今回は、実力は十分でありながら、わずかに世界の壁に阻まれている、“惜しい”クルマにスポットを当てる。

文:西川 淳
ベストカー2016年9月26日号


足りないのは性能か、それとも個性か?

どれも確かに上出来、なのにあと一歩、及ばない。今さら、そんな風に日本車を評価しなければならないなんて、実は悲しい。メジャーリーグに行ってスタメンには選ばれない日本人野球選手みたいだ。

現行型のプリウスは生まれ変わった。それこそ、欧州のコンパクトカーのよう。随分マトモになったわけだけれども、そのぶん、細かな乗り味まで比較の対象になってしまった。驚異的な燃費性能という個性があれば充分、ということだろうが、微小域での精緻な動きや高速クルーズ時の安心感など、まだまだゴルフには及ばない。

ロードスターとBRZ/86には、実質的に欧米のライバル車はいない。だから100点をあげてもいいのだけれど独壇場だからこそ、細かなケアがほしかった。具体的には、いかにも考え方の古いスポーティさの演出(内外装)や、イマドキのスポーツカーらしい感動の乏しさ。古いコンセプトを煮詰めて出すのはいいとして、そこから、どうオリジナリティを発揮するか。特にロードスターは原点回帰を目指したけれども、新鮮みに欠ける。ポルシェ911のような独自の進化論を構築してもらいたいと思う。

反対にRC Fとスイフト(先代)にはライバルがたくさんいる。そのなかにあって、レクサスじゃなきゃ、スズキじゃなきゃいけない、という確固たる存在理由(ブランド力)に少し欠ける。RC Fの魅力は大排気量自然吸気エンジンだが、乗り手を「これが最後のNAだ~」と問答無用で熱狂させるような、狂気のひと押しがない。スイフトはノーマルがダメ。スポーツだけなら突破組、だけど。

 

【世界の壁が100点なら何点か?】
トヨタプリウス=85点
ようやくフツーのクルマに。でもそれって本当に正解なの?

マツダロードスター=95点
ドキドキしないインテリア、お利口さんなスポーツカー性能。

スバルBRZ/トヨタ86=95点
MCで煮詰まった点はいいけど子供っぽさを払拭したい。

レクサスRC F=99点
楽しさではM4やC63を上回った。あとは、ブランド力か。

スズキスイフト=85点
スイフトスポーツは世界レベル。なのにノーマルがダメってどうして?

※新型モデルがすでに登場しているが、記事の初出時は3代目による評価だった