サウジアラビア国王来日! サルマン国王と一行が乗った“いいクルマ”

3月12日~15日の日程でサウジアラビアのサルマン国王が来日した。連日ほぼトップニュースで報道され、日本国内でも高い関心が寄せられた。来日の目的は従来の石油依存経済から脱却し、経済活動改革を目指す「ビジョン2030」の協力を要請するためであったが、本記事ではサルマン国王の専用車と随行車両にスポットをあてて紹介したい。

文/写真:有村拓真


国王専用はクルマだけでなく、タラップもあった!

3月12日の午後7時ごろ、羽田空港に駐機された特別機からサウジアラビアのサルマン国王が降りてきた。各国要人がタラップから手を振りながら降りてくる姿は見慣れた光景だが、サルマン国王の場合は少し違った。タラップがエスカレーター式だったのだ。これは、サウジアラビアから持ち込まれた国王専用のタラップ。高齢のためとはいえ、専用エスカレーターまで持ち込んでしまうあたり、一般的な要人の来日とはスケールの違いを感じさせるものだった。

当然ながら国王が乗車するクルマも特別仕様。メルセデスマイバッハもまたサウジアラビア本国より空輸、日本には2台が持ち込まれた。アメリカ大統領などもセキュリティの観点から来日の際には大統領専用車を持ち込むが、専用車を持ち込む要人は非常にまれなケース。この点でも、サルマン国王の異例ぶりがよく分かるというもの。

皇居をあとするサルマン国王の車列。日本の警護車両がしっかりとガードする

サルマン国王が乗車する専用車。国旗が立てられている

なお、サウジアラビアの王族や閣僚は世界中どこへ行くにも専用車を空輸している。筆者が2014年にニューヨークで取材をしていた際にも、サウジ外相が専用車を使用しているを確認している。このときは、重架装が施されたW220のメルセデスリムジンであった。

ニューヨークでの取材時に撮影したサウジ外相の専用車

めったに見られないケタ違いのスケール!

今回、サウジアラビア国王の来日は46年ぶりということで、世間の注目度は非常に高かった。サウジアラビアの王族が外遊をする際は、訪問国でさまざまな形でお金が飛び交うが、今回の訪日も例外ではなく、王族や関係者が千人ほど来日するということで滞在する高級ホテルはほぼ貸し切り状態(帝国ホテルやペニンシュラ東京など)、さらにハイヤーもメルセデスベンツやBMWなどハイグレードな車種の指定があったことから、関東近郊だけではクルマが足りず、中部や関西地方のクルマまでもがチャーターされたという。

関係者が使用していたクルマのナンバーを見ると、営業車である緑ナンバー以外にも「わ」や「れ」などレンタカーも総動員されていた。さらにはディーラーの試乗車やメーカー保有とおぼしきナンバーのクルマも多数見られた。銀座や秋葉原などでは王族や関係者が買い物や観光に来ている様子が連日目撃され、オイルマネーを身近に感じられた方も多かっただろう。

ちなみに今回持ち込まれたサルマン国王が乗車したマイバッハ、実は車重が約6トンという。ノーマル車の車重は2.5トンほどだから、かなりの防弾加工が施されていることが窺える。

サルマン国王の専用車として日本に持ち込まれたメルセデスマイバッハ。走りが重そうである

また今回の来日で注目度が高かった国王専用タラップ車だが、これはエスカレーターと昇降装置の付いた特別仕様になっている。本国では航空機乗降の際はエレベーターのような装置を使っており、高齢の国王に配慮して、移動時の負担軽減は万全だ。

ニュースでも取り上げられ注目を集めた国王専用のエスカレーター式タラップ。バリアフリーのこの時代に、日本にないのが不思議!?

今回飛来した航空機については、少なくとも7機確認できている。さすが1000人規模の大移動というだけのことはある。ちなみに、そのうちの1機は医療用の専用機で、機内で手術も可能な設備が備わっているという。また、日本国内の移動時には、民間の救急車が車列や宿舎などに配置され、万が一に備えた医療態勢であった。

車列には民間の医療サポートカーも加わる。万が一を想定してのことだ

これだけの人数を伴った来日であったが、国王の車列は意外にも簡素で総数15台ほどであった。他国を訪問した映像では、関係者を含め100台ほどの車列となり現代の大名行列さながらの様子だったが、日本国内では交通規制が長時間に及ぶことや治安が良好な観点からか、驚くほど短い車列であった。おそらく、水面下では両国担当者の激しい折衝が行われていたのだろう。

話題をさらったサルマン国王ご一行は、15日の午後に羽田空港より次の目的地である中国へ向けてすでに離日。到着した北京では日本では見られなかった長い車列の移動を行ったようである。

銀座界隈では、関係者と思われる車両も多数見受けられた