ベンツ 直6エンジン復活 なぜV6から回帰?

排ガス対策でも直6に風向き

もうひとつ注目すべきは、排気をクリーンに処理するためには、直6のほうがレイアウト上都合がいいこと。

排気温度を下げずに排ガスを触媒に導くには、排気が片側に集約される直6のほうが有利。

また、ベンツは環境技術をリードする姿勢を示すため、排気ガスの粒子状物質を軽減するフィルターを装備する予定だが、こういう複雑な排気処理システムを導入するには、幅がスリムな直6でないとエンジンルームに収まらない。

さすがベンツ。直6復活には合理性があるんだねと、思わず納得しそうになる。

V6に舵を切ってから20年。直6エンジンは、電動スーパーチャージャーを組み合わせた新世代のユニットとして、Sクラスに搭載されることになる

合理性だけでは語れない直6の魅力

しかし、ここまで書いてきたことは、基本的にすべて直4で対応可能だ。必ずしもわざわざ直6を復活させる必然性があるとはいえないのでは?

やはり本音の部分では、直6を復活させるもうひとつの理由としてエンジンのエモーショナルな魅力、いわゆる官能性能への期待が少なからずあると思う。

高価なクルマ、高級なクルマになればなるほど、合理性だけではユーザーを満足させることができない。

「やっぱりストレートシックスっていいよねぇ!」

ベンツが直6を復活させる本当の意味は、なんだかんだ言ってもユーザーからこういう感嘆の声を引き出すことにあるんじゃないかと思う。

【鈴木直也】

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