トヨタが「ジャパンタクシー」で本当にやりたかった2つのこと

トヨタが「ジャパンタクシー」で本当にやりたかった2つのこと

 すでに全国的に販売が始まっており、一部のタクシー会社では配車もスタートしているので、「もう乗った!」という読者諸兄もいらっしゃるであろう、新型タクシー専用車「JPN TAXI」。

 さっそく乗ってきた編集部員による試乗記と、このクルマを導入するトヨタの狙いをご紹介いたします。

文:ベストカー編集部
ベストカー2017年12月10日号「ユニーク試乗満喫記」より


■変えたかったのは「景色」と「安全性」

 ここは雨と傘が似合うロンドン……ではなく、東京都江東区お台場。

 登場したばかりのトヨタJPN TAXI(これで「ジャパンタクシー」と読む)が使われていることを聞きつけ、私、編集部・林は「後席に乗せてくださいまし」とやってきたわけです。

すでに全国で配車が始まっているジャパンタクシー
すでに全国で配車・営業が始まっているジャパンタクシー

 トヨタの次世代タクシーとしてこのクルマが目指すものは、「お年寄りやハンディがある人への優しさ」や「環境に優しく安全なタクシー」など。

 背が高いずんぐりとしたスタイルはロンドンタクシーに似ているけど、“日本のおもてなしの心”が滲み出る印象を受けた。

 羽田なり成田なり東京駅なりお台場なり、空港や駅を降りてズラッとこのタクシーが並んでいたら、「おぉ、日本に来たなぁ」と印象づけられるだけの特徴的なスタイルではある。

 さっそく乗り込んでみましょう。

 まず目に付く特徴は、やっぱり「ふすま」を意識したであろう後席スライドドア。開口部は、開口高1300mm×開口幅720mm、フロア高は320mmに抑えてあることや乗り口にハンドルが備えてあるため、乗降性は大変スムーズ。

大きな開口部はお年寄りや障害者にとっては大変大きなアドバンテージ
大きな開口部はお年寄りや障害者にとっては大変大きなアドバンテージ

 そして何より安全性の向上が大きなポイント。衝突軽減ブレーキを含む「トヨタセーフティセンスC」を標準装備し、また6つのSRSエアバッグを装着することでパッシブセーフティ性能も高い。

 走りだすと、シートの硬さと路面の段差を拾う乗り心地がやや意外だったが、新開発の1.5L、LPGエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載しているだけに車内はとても静か。運転手さんとの会話も弾みます。

 JC08モード燃費は19.4km/Lとガソリン仕様ならなかなかの数値ですが、正直いってLPGなのでよくわかりません(のちほど運転手さんに聞いたら従来のクラウンのタクシー仕様より1.5倍くらいよいそうです。なにより運転手さんにかかるストレスが段違いに低いとか)。

 高い天井の車内空間は贅沢すぎるほど。操作する姿を後席から見ていると私も運転したくなった。運転手さんによると、走りはアクア以上とのこと。

 室内高は実に1370mmあり、身長183cmの本誌記者もゆったり乗れました。

「乗員と乗客の安全性を高めること」

「タクシーを変えることで街の景色を変えること」

 トヨタはこのジャパンタクシーを普及させることで、この2点を日本に広めていきたい狙いがあるようだ。

 アクアなどと変わらない加速フィール。グレード名がシャレていて、上級グレードは「匠」で349万9200円、ベースグレードは「和」で327万7800円の2タイプを用意している。早く日本中に広まってほしいですねー!

正直いって「ビックリするほど広い!」というほどではありませんでしたし、乗り心地もそこそこ。でもこの車両価格でこの性能なら御の字。日本のためにもぜひ普及してほしい!
正直いって「ビックリするほど広い!」というほどではありませんでしたし、乗り心地もそこそこ。でもこの車両価格でこの性能なら御の字です。日本のためにもぜひ普及してほしい!

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