●記事に戻る│禁じ手テスト敢行! 120km/hであの人気車たちの安全性能を徹底チェック!!
■トヨタ ヤリス
日常の走りでは軽快で素直なハンドリングが光る。きちんとストロークしリバウンド側も粘る足は、Bセグコンパクトとしては出色のデキ。それだけに、120km/hレーンチェンジで姿勢が乱れたのは意外だった。
あるいは、今回のテストがたまたまヤリス固有のヨー共振周波数にはまっちゃったのかもしれないが、VSCのセッティングは見直す必要がありそうだ。
■ホンダ フィット
心地よさを開発テーマとしただけに、当たりのソフトな乗り心地が魅力。そこを優先したため、ダイナミックな運動性については全体的に穏やかで、切り返しで「オツリ」をもらう傾向は少ない。走行速度域にかかわらず走りのテイストが一貫している点がいい。120km/hからの進入時のアグレッシブな操舵にはやや追従遅れがあるが、欠点はそこだけ。
■トヨタ ヤリスクロス
基本的なハンドリングはほぼヤリスと同様で、その気になれば軽快なフットワークが楽しめる。ただ、サスペンションの味付けによってロールスピードを抑制しているため、全体の動きが少し穏やかに感じられるのが違い。
一方、タイヤのグリップはこちらのほうが強力だから、いちばん厳しい120km/h時の切り返しのピークで歯止めがかかっている。
■日産 キックス
予想以上にしっかりした操安性が作りこまれているのにびっくり。操舵感も悪くないし、ボディの剛性感も充分。急激な切り返しにもリアはよく粘る。
ただ、タイヤのグリップ限界がやや低く、スタビリティコントロールの介入が早い印象。もっとも、そのおかげで120km/hからの切り返しでも、危ない領域に入るだいぶ前にストップがかかるんだけどね。
■メルセデス・ベンツ C200
やはり、C/Dセグセダンのベンチマーク。ボディの剛性感、サスペンションのスムーズなストローク、操舵のリニアリティ。どこを取っても教科書のようにかっちりまとまっている。
120km/hのレーンチェンジでも、やっとこ通過するのではなく、ラインを狙って攻められるというレベル。ドライバーに絶大な信頼感を与えてくれる安心感はさすがだ。
■レクサス ES300h
FFを意識させないスポーティなハンドリングを再認識。サスセッティングは全体にソリッド感重視で、荒れた路面ではややザラザラ感があるが、レーンチェンジのような試験項目はむしろ得意分野。
シャープに動くし切り返し時の抑えも効いている。タイヤへの依存度は高そうだが、今回の3台のセダン中、最もスポーティな味わいがあった。
■ホンダ アコード
乗り心地と操縦性のバランスは中庸そのものという感じ。もちろん、ただの凡庸なクルマではなく、120km/hのレーンチェンジでも、緊張感なくスルッと抜けられるのだが、コントロールしているといった実感が希薄。
そのぶん、スキルの低いドライバーが余計なミスを引き起こさないフェイルセーフなハンドリング。パワートレーンを含めて、あえて無個性なキャラなのか?