高速夜行バス・観光バスツアー(VIPライナー・VIPツアー)を運営する平成エンタープライズは「ウクライナ支援チャリティバス」を期間限定で運行することとなった。
最大の魅力は乗車代金の全額100万188円をウクライナ大使館へ寄付した点にある。バスを使用した同社の取り組みとはどんなものだったのだろうか。
文:三条桐葭
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
最も目立つバスを使え!
同社ではロシアによるウクライナの侵攻が始まった2022年2月24日より報道されたニュースに驚き、心を痛め、日本にいる個人や企業としてできる事は何かを考えた方も少なくないハズ。平成エンタープライズは、同社が保有する最も目立つバスである「オープントップバス」を利用して支援金を集めることを考え実行した。
具体的な活動は2点だった。まず5月28日~8月21日の間に『ウクライナ支援・チャリティバス』を運行。在日ウクライナ大使館から国旗を借り受け、これをバス車内に掲揚し、ダブルデッカーのオープントップバスで都内を運行した。その乗車代金の全てを寄付するという趣旨を改めて車内で案内し、乗客から拍手が起こる日もあったとか。
第2弾は6月4日~6月5日に『チャリティーバス in ベトナムフェスティバル』を運行。これは代々木公園に訪れるイベントに参加者に対して、 ウクライナへの寄付をしてくれる方を対象に無料でオープントップに乗車できる取組みだった。
1日6回の運行を2日間にわたり実施し、寄付金は2日間で約7万円だった。2日目の最終便は雨天運休だったもののおおむね好評で、これらの2つのイベントで100,188円の寄付を集めた。
戦況ではないウクライナの日常とは?
同社がウクライナ大使館へ寄付金を届けた際に、現在のウクライナの状況を聞きプレスリリースにて発信している。以下はその内容だ。
「学校や病院も標的にされ、いつ攻撃を受けるか分からない中、子供からお年寄りまで、今もまだ不安と恐怖の日常生活を送らなければならない現実がありました。日本での報道は以前に比べると少なくなってきていますが、ウクライナでは今もなお、私たちの想像を超える悲惨な日常があります」と記されている。
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