ディーゼル車には相性の悪いオーナーがいる!【クルマの達人になる】

ベストカーの国沢光宏氏の連載『クルマの達人になる』。連載回数480回を数える人気の連載だ。今回はディーゼル車と愛称の悪いオーナー像に迫ります。ディーゼルにしようか、ガソリンにしようか迷っている方は必見。

文:国沢光宏/写真:平野学、shutterstock
ベストカー2017年6月10日号『クルマの達人になる』より再録





魅力タップリのディーゼル車だけれど……

いまや輸入車を見ると売れ筋はディーゼル車になってきた。たしかにガソリン車との価格差が少なく、燃料コスト分で取り戻せてしまう。買うならディーゼル車だな、と私も思う。しかし! ここにきてディーゼル車の問題点も見えてきた。チョイ乗りを繰り返すとトラブルが出てしまうのだった。あらためてディーゼル車の排ガス浄化装置について考えてみたい。

まずエキゾーストから出た排ガスに、当然のことのようにPMと呼ばれる微粒子が含まれている。排ガスはふたつの経路に分かれる。ひとつは有害物質を還元する触媒や、PMをキャッチするDPFを経てマフラーに行く経路。もう1つが「EGR」と呼ばれる、排ガスを再度エンジン内部に戻す経路だ。

前者から紹介しよう。マフラーから排出される経路で問題になるのがDPF。燃焼時に発生するPMをキャッチし、一定量になったら燃焼させる。PMの主成分はカーボン(炭)なので、熱を加えればよく燃えます。いわゆる「DPF再生」と呼ばれる”作業”だ。

困ったことにDPFの再生は1分や2分じゃ終わらない。そもそも暖まっていなければ稼働せず、稼働にも時間がかかってしまう。季節や走り方にもよるけれど、15~30分くらいかかる。したがって15分以下のチョイ乗りを繰り返すと、暖気終わったあたりでDPF再生が始まるものの、終わらない間にエンジン停止&DPF再生も中止。次に乗る時も同じ。その繰り返しをしていると燃費は極端に悪化し、なんのためにディーゼルを買ったかわからなくなってしまう。

EGR経路にも問題出てくる。高温になった排ガスは「EGRクーラー」で温度を下げ、吸気系と同流させ吸気バルブを通って燃焼室に入っていく。問題はEGRの前にDPFがついていないエンジンだ。エンジン始動直後の排ガスは水分を多く含んでおり、PMがEGRの流路に付着してしまう。酷いエンジンになると、流路の半分以上ふさがっている状態。さらにEGR系についてるセンサー類もPMがビッシリ付いて機能しなくなる。

そんなこんなで、アクセル開度の少ないチョイ乗りを繰り返しているとDPFは詰まるワ、EFR系にPM付くワで、パワーダウンし調子が悪くなっていく。マツダのディーラーに聞くと「調子が悪いという場合、ダイアグノーシスによりチェックします。エンジン内部に異常なかった時は30分くらい負荷をかけて走ります。ほとんどが好調になります」。負荷をかけることでDPFは再生し、EGR系のPMも流速が上がるため剥がれて燃焼室に入り燃える。

そもそもディーゼル車は高負荷連続運転を得意分野とする。チョイ乗り&トロトロ走るなら車両も安いガソリン車のほうがリーズナブル。そしてディーゼル車を買ったなら、1週間に1度は30分以上負荷をかけて走ってほしい。「私はアクセル開けて走りたくない」というなら、ハイブリッド車を選ぶことをすすめておく。チョイ乗りや低速走行メインで使うという人は、ディーゼルと相性悪いです。

国産車のディーゼルといえばマツダだが、DPF再生は機構上どうしても避けられない部分。そこをしっかり理解して、ディーゼル車のメリットを味わうのがベターだ

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