ベストセラーSUVの実力やいかに!? 新型エクストレイルのいい所と悪い所はここだ!!

このクラスのSUVカテゴリーでは販売トップを走るエクストレイルが、ビッグマイチェンを実施した。ここでは新型の改良点と、この車の実力をじっくりと試乗して検証、紹介したい。奇しくもライバルのハリアーと同じ2017年6月にマイチェン(新型ハリアーの試乗記事はこちら)したエクトレイル。価格的にはエクストレイルのほうが有利だけど、実力はどっちが上か? もちろん「要改善点」にも言及しております。
【新型エクストレイルの改良点】
■Vモーションデザインを強調したフロントマスクデザイン
■プロパイロットを一部グレードにメーカーオプション設定
■車線逸脱防止システム、後退時車両検知警報システムなどを一部グレードにメーカーオプション設定
■2列シート車の2列目シートに200㎜のロングスライド機能追加
■ハイブリッドのJC08モード燃費が20.8㎞/ℓ(FF)に向上
文:鈴木直也
ベストカー2017年7月26日号


■日本だけでなくあの国でも大ヒットしている

日本でもエクストレイルはけっこうな人気車だが、実は中国でも大ベストセラー。日本の3倍以上、年間18万台以上が売れている(2016年)。

だが、競争の激しい日本市場ではSUVにプラスする付加価値が必須。現行エクストレイルが2013年暮れのデビューから1年半足らずでハイブリッドを追加したのはまさにそのため。日産初の300万円を切る普及型ハイブリッドとして、販売テコ入れに大いに貢献している。

そのエクストレイルの次の一手だが、やはり誰もが予想するとおり「プロパイロット」の導入だった。

昨年のセレナでセンセーショナルにデビューし、普通の奥様方にまで「これからは自動運転ザマス」と旋風を巻き起こしたプロパイロット。宣伝戦略は「ちょっと勇み足では?」という批判はあったものの、普及価格帯で車線追従機能付き全速度ACCを提供した功績は小さくない。将来、レベル3以上の自動運転車が社会的コンセンサスを得るためには、その前提として多くのユーザーがレベル2を正しく理解していることが不可欠。メディアはAIとかディープラーニングとか難しいことばかり言ってるけど、ほとんどの人がACCすら知らないことを忘れてはイケマセン。

で、プロパイロット装備の新型エクストレイルハイブリッドに試乗したわけだが、いくつかの点でセレナと異なる印象があった。

■気になる先進安全装備「プロパイロット」の実力

日産のプロパイロットは単眼カメラ(モービルアイ製)のみで前走車や車線の認識から距離の測定までを行うシンプルなシステム。つまり、デバイスよりソフトウェアで勝負というコンセプト。それゆえか、今回エクストレイルでプロパイロットを活用してみた印象として、さまざまなシチュエーションで「お、前より賢くなってるじゃん」と感じるシーンが多かった。

具体的には、いったん車線認識をロストしてから再認識するスピードが早くなったことや、ステアリング制御のふらつきが減少したことなどが代表例だが、それ以外にもいろいろな制御がドライバーの予想を外さなくなった点が好ましい。例えば、きついコーナーなどにさしかかると、プロパイロットの仕様として車線追従制御がオフになるのだが、新型ではそのタイミングが概ねドライバーの経験値を裏切らない。プログラムのどこをどう改良したのか知るすべはないが、全体として明らかに洗練度がアップしている。

ただし、それとは裏腹にパワートレーンやシャシーなど、クルマ本体の改善がほとんど感じられなかったのは残念。いかにもCVTっぽいラバーフィールや、ストローク過大でリニア感覚に欠けるブレーキなどは、相変わらず要改善だと思いますね。

【日産エクストレイル 20Xハイブリッド 4WD】
全長4690×全幅1820×全高1730㎜、ホイールベース2705㎜、車両重量1640kg、最低地上高195㎜、JC08モード燃費20.0km/L(ガソリン仕様の20Sは16.4km/L)、価格309万8520円