日本導入はアリ? ナシ? 新型シビックの1Lモデルをフランスで試乗!! 

日本には1.5Lモデルのみが導入される新型シビック。もう間もなくの正式発表を前に、現段階では日本に導入されない1Lのターボモデルをインプレッション。フランスのナンバーワン自動車誌『L’Automobile』の全面協力で、シビック1Lモデルの魅力をお伝えします。以前のタイプR試乗記も大好評だっただけに、日本へのリスペクト溢れる彼らの原稿に要注目!! ちなみに日本のシビックは7月下旬発表です。

文:Gaël Brianceau/翻訳:ベストカーWEB編集部/写真:Bernard Asset
協力:L’Automobike





新型シビックは”日出ずる国”のクルマだ!!

この”マンガ”チックな、コンパクトカーとファミリーカーの中間のようなシルエットは、新型シビックがヨーロッパのユーザーの評価基準を満足させる努力をしていることの表れである。道路上での充分な品質と、この攻撃的ともいえる価格設定は、ヨーロッパの激戦区に割って入ることは簡単にも思える。

しかし、ヨーロッパでのホンダの歴史は”困難な状況”とのラブストーリーといった感じだ。2000年にフランスのホンダディーラーでは11車種の高価格帯のラインアップをズラッと並べていた。しかし今日、ホンダ車のラインアップは4つにまで絞られている。JAZZ(日本名:フィット)、HR-V、CR-V、そして究極的に高価なNSXである。この状況はいかんともしがたい状況。そこにきて新型シビックの登場である。これは期待しないわけにはいかない。

グローバルモデルとしてのキャリアを歩み始めた10代目のホンダシビック。2015年には4ドアとクーペがアメリカで販売開始され、その売れ行きたるや相当なものである。バカ売れ状態だ。ひょっとしたら、そこには北米のユーザーたちの新しいものへの大らかさがあるのかもしれない。フランス人のように強いこだわりがなく、くっさいブルーチーズやカエルの足を食べることに固執していないのだ。

遠い”日出ずる国”で開発されたシビックを見るに、かなり多くのトリックがスタイリングに隠されている。グリル、バンパー、ウィング付きのテールゲート。どれも巧みな処理がされていて、お世辞抜きでなかなか魅力的である。5ドアハッチバックは、4.5mの全長でこのマーケットの中心である4.3m程度のプジョー308、VWゴルフ、ルノーメガーヌなどよりも長い。スタイリングは伸びやかでいいのだが、市街地のユーザーにはこのサイズがハンディになるかもしれない。

その見返りといってはなんだが、シビックの室内空間は群を抜いている。リアシートは背の高い同乗者でも簡単に足が伸ばせる。当然ながら全長が26cm短いVWゴルフではこうはいかない。トランクだってすごい。奥行きは90cmにもおよび、これはゴルフの75cmをはるかに上回るし、シビックハッチバックは727Lものトランク容量を誇り、ゴルフのそれよりも広い(ゴルフヴァリアントは605L)。

室内空間の使い方はさすがホンダといった感じだが、この新型シビックには最悪なこともある。それはホンダが以前のシビックに採用されていた魔法のようなリアシートを諦めたこと。垂直に畳めるシートは背の高い植物を運ぶのにも最高によかったのに(編註:欧州シビックはフロアから座面ごと折りたためる、初代フィットのような跳ね上げシートを採用していた)。これではあの独創的なイメージのあったシビックのよさが半減してしまうじゃないか。

機能性の喪失には関してはインテリアレイアウトにも見られる。ダッシュボードはゴチャゴチャしているし、ディスプレイは100%デジタルの7インチモニターに集約されていて情報が瞬時にドライバーに伝わりにくい。このモニターだって少し設置位置が低すぎるきらいがある。そうはいっても、操作系は比較的わかりやすい位置に設置されているし、あまりボタンの数が多くないのは嬉しいのだが。シビックになるとどうも要求が高くなるのは仕方のないところ。

バー周辺にスイッチが配置されている。L’Automobileではディスプレイ位置の低さを指摘している

一般的なハッチバック同様、背もたれのみの可倒式になったシビック。以前は座面を垂直に跳ね上げられた