モンスターマシン、ロータス・エキシージ・スポーツ350でLOTUS CUP JAPANに参戦!【SUGO全開アタック動画アリ】

元ベストカー編集部員にしてプロフェッショナルドライバー・大井貴之氏が、超スペックマシンでレース参戦! ハイスピードバトル動画も参考になるし、美しいサーキットガールの映像もありますので、皆さまぜひお楽しみください! SUGO全開アタック動画はマジでためになります。はい。
文:大井貴之





<LOTUS CUP JAPAN

ベストカーOBの大井貴之(おおいたかし)、Global MX-5 Cupに続き、再びベストカー代表としてワンメイクレースにエントリーして参りました。今回のレースは、LOTUS CUP JAPAN。イギリス生まれのピュアスポーツカー、ロータスエリーゼ&エキシージのナンバー付き車両で争われるワンメイクレース。その中でも、最もパワフルなエキシージ・スポーツ・350という最高峰のクラスにゲストドライバーとして参戦する機会を得た。
エキシージ・スポーツ・350は、1130kgの軽量ボディに3.5LのV6エンジンにスーパーチャーヂャーまで付けちゃった350psのハイパワーエンジンを搭載したモデル。一つ前のNC型ロードスターにWRX STIより強力なパワーユニットを搭載した2WDと言えば、どれだけのモンスターかが想像しやすいだろう。

レースに使用されるクルマは、市販のエキシージ・スポーツ・350にロールバーなどが装着されたワンメイクレース用スペシャルモデル。価格は、ベース車両の972万円+約100万円。決して安いクルマではないが、スポーツカーバブルと言っても良いほど価格が高騰しているこの時代。0-100km/hを3.9秒で加速し、274km/hの最高速を誇る軽量ミドシップスポーツカーというパフォーマンスから考えたら1000万円は決して高くはない。
このレース最大の魅力は、JAFのNゼロ規定でレースが行われていること。ユーザーのカスタマイズが許されるのは、足回り(スプリング&ダンパー)とLSD、ブレーキパッド、そしてホイールとバケットシートくらい。だからコストが抑えられるうえ、週末のワインディングドライブに使うことも出来る。この1台でスポーツカーライフが満喫出来てしまうということなのだ。


<今回の目論見>

日本でロータスを販売するLCIから連絡を受けたのは4月頃だった。富士、SUGO、もてぎの3レースだったらどれが良いですか? という選択肢が与えられ、オレはSUGO! と即答した。そこにはちゃんとした理由がある。エントラントは関東エリアが中心。だから富士ももてぎも練習量が多いに違いない。対するSUGOは、他のサーキットとは違いコーナー進入時に微妙なスピードコントロールが必要なコーナーが多く、ドライバーの腕がモノを言うサーキット。しかも7月上旬となれば雨の確率が高い。ウエット路面となるとレコードラインの路面μが極端に低下する。条件が悪くなればなるほど腕と経験で有利になる。と言いながら今回はゲストドライバー。表彰台はもちろん、リザルトにも残らないが、勝負するからには負けは許されない。

と、意気込んで仙台へ。梅雨の真っ只中の筈だった7月8日。SUGO入りすると真夏の暑さが待っていた。気温30℃を越え、路面温度は午前中から40℃オーバー。苦戦の匂い。

<セッティング走行>

ほとんど改造が許されないNゼロ規定と言っても、足回りとブレーキパッド、そして車高やアライメント、タイヤの空気圧は変更可能。と言いながら、今回のレース用にいろんなパーツを持ち込んでいるわけではないので、オレが調整出来るのは車高、アライメント、ダンパーの減衰力、そしてタイヤの空気圧。しかもそのほとんどがテスト済み。いろいろ試した結果このセットになりましたという状態で、まずはコースイン。セッティングのために使える時間は25分×3本。時間がない。

まずは現状を把握するために数ラップ。それから……なんて細かい話をすると長くなるからやめておくが、ハッキリ言って乗りにくいクルマだった。その原因として、ライバル達のように車高が下げられないとか、レートの高いスプリングが使えないなどいろいろ大人の事情があるのだが、その情報のお陰でコントロールの難しいクルマが出来上がってしまったようだ。このセットだと、タイヤのグリップを活かせない。と言うか、オレには難しくて乗れない。簡単に言うとソフトな方向にセットを変更し、予選に臨むことにした。

<ちょいとインプレ>

このクルマに搭載されている2GR-FE型V6・3.5Lエンジンは、3代目エスティマとか2代目ハリアーとかヴェルファイアとか、スポーツとは無縁なクルマ達に使われてきたエンジンなのだが、速いかどうか、面白いかどうかはボディの軽さ、低さで決まる。NAのままでも充分すぎるパフォーマンスがありそうなのに、スーパーチャーヂャーまで付いちゃっているからスーパーパワフル。やっぱ6気筒だよなぁという滑らかで気持ちの良い加速が絶品! と言いながら不用意にアクセルを踏み込もうものなら大暴れしそうにも思えるが、そこはミドシップ。しかも265/35ZR18(フロントは205/45ZR17)というタイヤサイズも効いてトラクションバッチリ! ショートホイールベース、ワイドトレッドを感じさせないドッシリした安定感を持っている。エリーゼと大差ないだろうと思ったら大間違い。見た目も走り味もグッと高級感が増したスポーツカーに進化している。ATが用意されているっていうのも隠れた魅力。

<予選>

新品タイヤを装着し、予選は大幅タイムアップ! と行きたいところだったが、計測1Lap目は強いオーバーステアに苦しみ、計測2Lap目はクリアが取れず撃沈。4番手。しかもポールポジションを獲得した#55草野選手には2秒近い差を付けられてしまった。惨敗。しかし、3Lap目以降のバランスは良かったので、決勝では3番手に上がる予定。

<決勝レース>

予選でトップにぶっちぎられたこともあり、意気消沈気味……なんてことはありません。ベストカーの看板を背負ったゲストドライバーとして、プロの端くれとして恥ずかしくない走りをすることが今回の使命。予選タイムから考えて#55草野選手と#8長谷川選手という2台を捉えることは不可能だが、3番手の#36新井選手との差は3/100秒。負けるわけにはいかない。

 というわけで、スタートはバッチリ! 3番手に浮上し、離されないうちにトップ争いに紛れ込んで・・・と思いながら付いていくが、否、行こうとするが、ジリジリと差が広がっていく。差が付いてしまわないウチが勝負! とフルプッシュで最終コーナーを立ち上がるが、そこで痛恨のシフトミス! このマシン、大きなGが掛かった状態ではゆっくりシフトしないとダメなのだ。大きな横Gが掛かりながら10%の勾配を上がっていくSUGOの最終コーナーでのシフトミスは痛い。一気に前との差が開き、#36新井選手が迫ってくる。とりあえずインを閉めてブロック! なんてことはしない。ゲストだからとかそういうのじゃなく、自分で失敗をフォローするために相手の邪魔をするなんて、オレはしない。また抜き返せばいい。とチャンスを狙うが、車載映像を見てもらえば分かるようにストレートスピードの差が大きかった。しかも、上手い! 何度かオレに期待を持たせてくれるようなミスをしてくれたが、難しいSUGOのコース幅を目一杯使ってコーナリングしていく走りには唯々感心。感心してたらチェッカーが出ちゃいました。このレースには、いろいろな経歴を持っているドライバーが出場しているとはいえ、皆さんご趣味。ロータスに鍛えられたドライビングに完敗でございました。

でもね、昔はレースの成績ばっかりが気になっていたけど、最近は自分的に上手く走れたかどうかが問題。という点では、最終コーナーでのシフトミスは大きな反省点。ゆっくりシフトするという方法を見つけられなかった自分が情けない。それ以外は合格点だったけど……リベンジしてー!