新型ヴォクシー/ノア/エスクァイア大好評!! どこがそんなにいいのかじっくり乗って試した!!

顔が変わった。まるで攻めるように。瞬時にそう感じる、トヨタヴォクシー/ノア/エスクァイア。2017年7月3日にマイナーチェンジを受け、現在日本で一番売れているミニバン3兄弟だが、トップの座を維持するための守りではなく攻めに転じる姿勢を充分感じる外観だ。
収納やテーブルなどで使い勝手を充実させ、空力パーツの追加やボディ剛性向上などで走りと乗り心地も数段アップと、力が入る新型を、渡辺陽一郎氏が3つのパートに分けてチェックします。
【今回のマイチェン内容をおさらい】
◎薄型LEDヘッドランプとグリルデザインの変更により、3モデルそれぞれの個性が引き立つフロントに変身
◎センターコンソール設置などで使い勝手がアップ
◎ボディ剛性向上や優れた操安性などで走りも進化
文:渡辺陽一郎 写真:平野学


■まずは「顔」をじっくりチェック

まずヴォクシーとノアだが、初代はヴォクシーが怒り顔でノアは温和な顔だった。ヴォクシーを扱うネッツ店は若い世代が対象で、ノアのカローラ店はファミリー向けだったからだ。だがその結果、ノアの売れゆきは伸び悩んだ。ネッツ店は全国に約1600店、カローラ店は1300店だから、両車を比べるとノアのほうが販売台数は少なくて当然だが、店舗数の比率以上の差がついた。

そこで2代目の先代ノアは外観の存在感を強め、現行3代目ではフロントグリルをさらに大きく見せている。

今回のマイチェンで三兄弟のなかで一番「顔」のイメージが変わったノア。なおTVCMキャラクターは新垣結衣さん。本企画担当はノアが一番好きです

今回のマイチェンではグリルのスリットをより太くした。3兄弟車のなかで、ノアは見栄えの変化が最も大きい。ヴォクシーの顔は少し繁雑だが、ノアは6代目R30型スカイラインの鉄仮面風で(例え話が古くてすみません)大胆だ。また、エスクァイアはヘッドランプ周辺が大胆なメッキ使いとなっているのがポイント。

ヴォクシーはワルっぽく、ノアは強そうな印象に変わった。ボディに合った顔バランスよりも売れゆきを左右する存在感がノアには重要なのだろう。今はカローラ店の専売で、カローラの販売が伸び悩みエスティマも古い。それゆえにノア、今回のテコ入れの力の入れ具合が強い印象だ。

こちらはヴォクシー。鋭いイメージを踏襲している

■「走り」はどう変わった?

今回のマイチェンでは、フロントウィンドウとリアゲートのガラスに、高剛性ガラス接着剤を使ってボディ剛性を高めたが、スポット溶接箇所を増やすような変更はない。それでもミニバンはウィンドウが広く、相応の効果が期待できる。

ショックアブソーバは、内部のバルブ剛性を高めて減衰力を見直している。さらに空力パーツも加え、スライドドアはシールの追加で遮音性を向上。また、16インチアルミホイールの形状も変更した。

こちらはエスクァイア。「顔」ほどには走行性能は変わっていない。というかフロントグリルのインパクトが強すぎる。なんか怖くないですか

試乗車はすべてハイブリッドでヴォクシーがZS、ノアはSiだ。両車ともにエアロパーツを装着して16インチタイヤを履く。エスクァイアは標準ボディのみでタイヤは15インチになる。

マイチェンで最も改善されたのは乗り心地。ヴォクシーとノアは改良後も少し硬いが、以前のバタバタした粗さは抑えた感じ。上質ではないが不快な振動が減っている。タイヤが路上を転がる時に発するノイズも少し消えている。これは別の機会で試乗したガソリン車でも、同じような印象を持った。着実に進化しているといえよう。

15インチタイヤのエスクァイアGiは、16インチのヴォクシーとノアよりも、従来型と比べた時の乗り心地の向上率が大きい。引き締まり感は弱いが、路上のデコボコを上手に吸収する。16インチ装着車よりも快適だ。

その代わり、峠道を走ったり危険を回避する時は、ヴォクシーなどに比べてボディが大きめに傾く。それでもタイヤの接地不足はなく、背の高いミニバンのわりには安定性も満足できるから、乗り心地を含めて15インチタイヤのバランスはいい。

■細かい変更点もチェックします

エスクァイアは、Giプレミアムパッケージというグレードを追加。ヴォクシー/ノアでは選べないブランノーブと合成皮革のシート生地が採用されて質感が高い。また専用装備として進行方向を照らすLEDコーナリングランプ、ステアリングヒーターなども装着。コーナリングランプは安全性を高めるので、幅広いグレードに採用してほしい。

ハイブリッド全車とガソリンエンジンを積んだエスクァイアGiには、センターコンソールボックスを採用。前後席の間を移動する時は邪魔になるが収納性は向上する。

また従来型では「ユニットの置き場所がない」という理由で用意されなかった100V/1500Wの電源コンセントが新設された。ユニットはセンターコンソールボックスに収まり(電源コンセントを装着すると当然ボックス容量は小さくなる)、電源コンセントの差し込み口は、ボックスの背面と荷室に設置。

インパネの全体的なデザインに変更はないが、コンソールボックスにはスマホ等を充電できるUSB端子が全車標準装備となった。グレードによってはここに100V電源も設置される。こういう細かいところで使い勝手がいいのはトヨタのニクいところ

このほか助手席背面には格納式テーブルが備わる。セレナでは運転席の背面、2列目の背面にも装着されてテーブルは合計4つだが、今回の3モデルにはひとつだけ。トヨタ的節約なのか少し悲しい。

機能は幅広く充実しているが、緊急自動ブレーキを作動できるトヨタセーフティセンスCは新型でも歩行者を検知しない。フロントデザインが進化するのもいいが、安全面の進化こそ重要だろう。

今回のマイチェンでは安全装備には変更なし。ここは頑張ってほしかった。次回の一部改良に期待したい。なおライバルのステップワゴンは9月下旬(ハイブリッド仕様を追加)、セレナは今年中(e-POWER仕様を追加)にそれぞれマイチェンして、この三兄弟を追い上げる予定