【特集・関東の方向幕 第3回】方面別カラー幕など希少種揃う 京王バスグループ、西東京バス、JRバス関東:編

 関東を走る事業者を中心にお届けしているこの特集。第一回第二回に続いていよいよ最終回です(次回は関西編の予定です)。

 今回は方面別カラー幕など全国でも希少な方向幕を備える西東京バス、さらに青下手文字幕など個性的な事業者を紹介します。

 コアな関東の方向幕の世界、どうぞお楽しみください。

文/写真:高木純一


《京王電鉄バス・京王バスグループ》 前面幕系統番号分割式幕の採用が最大の特徴

京王バスの方向幕は前面が分割されたタイプで、方向幕最後の車両まで分割幕を貫き通した。また文字が角ばっている「角文字」も京王らしい表示だ

 京王バスの最大の特徴は前面幕系統番号分割式であろう。都内で前面分割幕を最後まで貫いた事業者である。

 前面系統番号と側面幕、前面行先と後面がそれぞれ連動しており、行先共通化もあって後面幕には系統番号がついていなかったが永福町営業所のみ系統番号が書かれていた。

 1980年頃までは、23区内を走るバスの前面系統番号幕は顔中央に表示機ごと大きく別付けされていた。

 京王帝都電鉄時代は青色の丸文字幕を採用していたが、「KEIO」ロゴが制定されたころにコーポレートカラーに合った色使いと角文字幕を採用したことにより、方向幕に京王らしさが織り込まれた。

京王帝都電鉄バス時代は青色の丸文字幕であった。これは電動式方向幕になった当初からの仕様。都内で黒インクを使わない事業者はここだけ

 京王バスになってからもローマ字が併記されたコマがほとんどなく、カラー幕も急行便など一部のコマに限定されていた。

 他の都内の事業者にはない「社名表示」の移り変わりが激しく、「京王帝都」(青丸文字)→「京王」(紺角文字)→「京王バス」(紺角文字)となっていったのも特徴である。

 オージ式の番号設定式(コマ番号を設定機で入力して自動で指定したコマまで進段させる)表示機を最初に採用したのも京王であり、方向幕にこだわりを感じさせる事業者である。なお幕は関西のメーカーのものを採用する。

《西東京バス》全国的に見ても珍しい方面別カラー幕を採用

西東京バスは赤いバスだが緑や青のベタ印刷幕を装備すると印象が強くなる。車両の色と相対になる色幕は実に効果的

 西東京バスといえば「多彩な方面別カラー幕」を採用した事業者で、全国的に見ても方面別カラー幕を採用した事業者は数えるほどしかない。

 最大の特徴はターミナル駅に向かう路線のコマのほとんどが系統番号なしの単発表示(行き先のみ)であり、駅向けのコマの各色ごとの共通化を図ってコマ数削減を行っている。

西東京バスの方向幕もカラー幕で方面別のカラー化を実施。ベタ印刷以外に文字色を方面別にした例もある。系統番号が小さいのが特徴

 カラー幕が注目されがちだが白幕の表示も郊外では使われており、経由地のみ緑色の表示はオーソドックスだが側面幕は左寄りの系統番号のレイアウトは今も残っている。

 LED車が増えてきた頃から系統番号を一新し、小田急バスと同様にカラー幕を黒インク一色の方向幕に交換した。

 味気は無くなったが左寄りの系統番号と経由地書きは幕車特有の表示だ。羽深式の表示機を採用し、車内放送テープと連動して始発放送と同時に方向幕が自動で変わるシステムを初採用した。

 幕は関東地区のメーカーの物を採用していたが2000年頃に関西のメーカーのものに変わっていった。

《JRバス関東》関東ではめずらしく「青ベタ角文字幕」が主流

 こちらも高速バスがメインの事業者だが、一般路線バスはあまりに範囲が大きいためということと、高速バスの拠点が東京であるためご紹介する。

 JRバス関東の方向幕は関東ではめずらしい「青ベタ角文字幕」が主流である。これは一般路線バスも同様である。各地区ごとに仕様が分かれているが一般路線バスは「前面は幅狭、側面幕はセミワイド」が基本であり、ほかではない仕様だ。

JRバス関東の前面幕は幅が短いのが特徴。またほぼ全コマを角文字の青幕を採用しているのは関東地区では珍しい

 高速バスも側面幕は小型仕様になっており、幕幅、文字面積でかなり特徴が出ている。80年代までは羽深式の表示機を採用していたが90年代になると三陽電機製作所(現レシップ)製のバーコード読み取り式表示機を採用した。

 幕の頭と終わりに「STOP」と印字されているのは都内ではここだけである。関西のメーカーの幕を採用しているが一部は違うメーカーのものも存在した。