『MFゴースト』しげの秀一先生×『トップウGP』藤島康介先生対談

『MFゴースト』しげの秀一先生×『トップウGP』藤島康介先生対談

自動車&バイクマンガの金字塔を打ち立てたしげの秀一先生と、今まさに驚異的な画力でバイクレースマンガを連載中の藤島康介先生が「バイク描くって超大変……」と対談を実施!!

しげの先生といえば、現在『ヤングマガジン』に『MFゴースト』を連載中、いっぽう『アフタヌーン』に『トップウGP』を連載中の藤島康介先生が、都内某所でお会いするという。なななんと! 当サイト編集部員がそこに同席させていただき、この自動車&バイクマンガの二大巨頭といっていい先生方のお話を聞いてまいりました!

『MFゴースト』最新刊(3巻)は2018年9月6日発売、『トップウGP』最新刊(4巻)は2018年9月21日発売です!!!

まとめ/ベストカーWeb編集部 写真/講談社


■キャラをバイクに乗せるのが大変

しげの秀一先生(以下、しげの) 今日はよろしくお願いします。いきなりですが、藤島先生はカメラにもお詳しいんですか?

藤島康介先生(以下、藤島) こちらこそお願いします。詳しいわけではないんですが、よく撮ってますね。やっぱり自分でサーキットに行って撮らないとわからないところがあるじゃないですか。

しげの すごくよくわかります。いまは(『トップウGP』の作中では)筑波(サーキット)が中心ですよね。コース目線の写真も撮るんですか。

藤島 撮ります。クルマで走ってもらって、それに乗って。

しげの ですよね。全部(写真が)いりますもんね…。こればっかりは人には任せられない。

藤島 任せられないんですよねぇ……。それに、時代が変わると(サーキットも)変わっていきますしね。看板も観客席も、セーフティカーも変わりますし。できるだけ最新のものに更新したいので。

しげの 大変ですよね。まあ一番大変なのは(登場キャラたちが乗る)バイクでしょうけども。

藤島 大変です(苦笑)。

しげの ぼくが『トップウGP』を読んでいてよくわからないのは、バイクの描き方なんですよ。あの「画面」はどうやって描いているんだろうって。あれはパソコンに詳しいかなり優秀なアシスタントがいらっしゃるんですか? それとも全部ご自身でやっているんですか?

『トップウGP』1巻(藤島康介著)より。緻密なメカ描写と激しいバトルが両立するということが、作家からみると「とんでもない技術」に映るそう。な、なるほど…

藤島 あれはパソコンに詳しいアシスタントが3Dモデルを作ってくれて、それを(ソフトの中で)ぐるぐる回して、それを見て描いています。それでだいぶ楽になりました。

しげの あー3Dかあ。それでサスペンションの角度とかはかなりわかるようになりますよね。ただバイクはそれができても、そこにライダーを乗っけるのってしんどくないですか?

藤島 めちゃくちゃしんどいです。さすがによくおわかりになってらっしゃる(編集部注/しげの先生といえば『バリバリ伝説』の作者ですし!)。ヘルメットとか全員違うじゃないですか……。

しげの ヘルメット大変ですよねぇ……。あとマシンのカラーリングも大変でしょう。

藤島 そうなんです。(まだ『トップウGP』では主人公が下のクラスで走っているのでスポンサーが少ないが)これからが大変で。

しげの どんどん増えますよね。しかも台数も増えますし、バリエーションも増えるでしょうし。

藤島 いまはNSF(100/ホンダのレース用バイク)だけでやってるからいいんですけど、Moto GPまでいっちゃうとメーカーが6社ありますし……。

しげの ですよね。しかも、「そこまで描き続ける」と背負っているのがすごい。

藤島 最初に描いちゃいましたからね!(『トップウGP』第1話で主人公がMoto GPの舞台で走る姿が描かれている)

『トップウGP』1巻(藤島康介著)より。物語の冒頭で主人公トップウがMoto GPのグリッドに並ぶシーンが藤島先生の美しいタッチで描かれた

しげの 始まったときからぼくはもうそこにビビっていました(苦笑)。

藤島 ぼくもめちゃくちゃ心配です。

しげの それを聞いてちょっと安心しました。「この人、これ描く気なのか。もしかして超人なのかな…」と思っていましたから(笑)。実は一時期、『バリバリ伝説』の続編をやってみないかという話をいただいて、ぼくも少しだけその気になってプロットとか考えていた時期があるんですけど……ぼくには少なくとも藤島先生みたいにはできません。あれ(『トップウGP』)を見て、自信をなくしていたところなんです。

藤島 いやいやそんなそんな! 光栄すぎてそんな……。

しげの もし、もし自分がやるんなら連載はとても無理で、趣味でやります。講談社とか通しません。締め切りがあったらやってられませんよ。でも藤島先生は、全っ然逃げてないじゃないですか。真正面から取り組んでいる。そこがすごいなぁと。ぼくだったら逃げるよなぁと思います。

藤島 今日は来てよかったです(笑)。やんなきゃいけないからやってるんですけども、このままだと世界中のサーキットに行かなきゃいけなくなりそうで……。

しげの 藤島先生のスタイルだと、行かなきゃいけないですよね……。ぼくの場合は、実際に行ったサーキットは3つくらいでした。あとはコースレイアウトを見ながら専門のカメラマンからたくさん資料をもらって、それでなんとか描いていました。全部実際に回るのは、おそらく不可能だと思います。

藤島 不可能……ですよね。とはいえヨーロッパのコースは3〜4つは回ろうと思っています。サーキットによって雰囲気がまったく違うので。最低でもスペイン、イタリア、ドイツ……あとイギリスはあんまり盛り上がらないと聞いて、それはそれで見ておかなきゃいけないかなとも思っちゃって。

美人を描かせたら現役作家ナンバーワンの呼び声高い藤島康介先生。しげの秀一先生によると「真音ちゃん(『トップウGP』のヒロイン)はキャラクターとしてすばらしい」とのこと。同感です!!

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