コロナ禍感染拡大による緊急事態宣言が出されてから約1ヵ月が経とうとしているが、政府はさらに1カ月程度延長する方針を固めている。
そして、今、GW(ゴールデンウィーク)の真っ只中。本来であれば行楽には最高の時期だが、残念ながら憎き新型コロナ禍のせいで、外出自粛を余儀なくされている人が大半である。
そのため、愛車でドライブに行きたくても我慢しているドライバーも多いハズ。であればせめて、愛車とじっくり向き合う時間を過ごすのはいかがだろうか。
普段ガソリンスタンドなどで洗車は任せている、という方や忙しくて洗車する時間がない、という方もこれを機にカーシャンプーを使って手洗いすることをお薦めしたい。
手洗いでは、洗車機では落とせない汚れも落とすこともできるし、自分の愛車を細かくチェックする機会にもなる。
そこで、洗車やコーティング、内装の掃除とクリーニング、エンジンオイルやクーラント液などの油脂類の点検、ヘッドランプなどの交換まで、ステイホーム中に自分できる洗車とメンテナンスを紹介していこう。
文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーWeb編集部 Adobe Stock
GWがこだわり洗車に最適な時期の訳
日頃は自動洗車機でサッと洗っている、あるいは自宅で手洗いしていても水洗いだけや水アカ取りシャンプーなどで手軽に洗車しているパターンが多いことだろう。
ボディだけでも、キッチリと洗車して磨き上げるとなると1日作業になってしまうから、よほどの洗車好きでなければ、まとまった休みの中での1日でなければできない。よってGWは洗車しても、まだ日程には余裕がある好タイミングな休暇なのだ。
また、GW前半の4月28日は洗車の日ということもある。これは一般社団法人 自動車用品小売業協会(APARA)が11年前に制定したもので、その所以は428=ヨイツヤ(良い艶)という語呂合わせによるものだが、スギ花粉も治まり、洗車したばかりなのに翌日には黄色い花粉だらけ、という状況からも解放された今日この頃。洗車するにも絶好の時期だ。
それにGWからは紫外線が強くなる時期でもあるから、ボディの塗装面などを保護してやるにも最適のタイミングだ。また梅雨に向けた準備としても、メンテナンスには最適なのである。
ボディの洗車&コーティング
洗車というのはクルマの汚れを洗い落とす作業だが、日常の洗車は単に洗って拭き上げるくらいのもの。だが連休で時間があるなら、塗装面の保護までを含めた完璧な洗車を施してやろう。
まずはボディの汚れを洗って落とす。カーシャンプーをバケツに入れてホースの水を勢いよく注いで泡立て、泡をメインにスポンジにとって、水で濡らしたボディを優しく洗ってやろう。
水アカ取りシャンプーなど、そのまま原液をスポンジにとってボディをこする使い方のシャンプーもあるが、水アカはシャンプー後の行程でキッチリ落とした方がいいので、シンプルなカーシャンプーがお薦めだ。
ボディの上から洗って、シャンプーが乾かないように何度か部分的に流しながら洗ってやる。拭きあげはセームタオルで全体を、細かいところはマイクロファイバーのタオルで丁寧に行う。
なおコイン洗車場などを利用する場合は新型コロナウイルス感染防止のため、両隣の利用者との距離を保つように気を付けよう。
ワックスやコーティングを施すなら、塗装面に付着した汚れや異物を取り除かなければキレイに仕上がらないし、保護効果も完全とは言えない。よってシャンプー後に作業するのは、ボディについた異物の除去だ。
鉄道のレール付近や建築現場などの溶接作業周辺などを通ると、ボディには鉄粉が付着する。また住宅の外壁塗装などを行なっていると、塗料がボディ表面についてザラついてしまうこともある。
こうした異物は、粘土クリーナーや専用のケミカル剤を使って落としてやる。指で触ってザラザラしている塗装面も、粘土クリーナーを使って異物を除去するとツルツルになる。
さらに水アカや磨きキズなどの微細なキズは、水アカ落としやラビングコンパウンドなどで塗装面を磨くことで落とす。これにより、濃色車はボディカラーが濃くなったと感じるほど平滑になり、塗装面の印象が変わる。
そうしてキッチリと下地を仕上げてから、ワックスやコーティングなどで塗装を保護してやるのだ。コーティングは作業がカンタンで長期的な保護効果を発揮するが、価格は高めで被膜が薄いので光沢はそれなり。
ワックスは塗って拭き取りが結構な労働(下地作りも同様だが)だが、被膜は厚く高い光沢が得られるが、耐久性は1~2ヵ月といったところ。どちらを選ぶかは、好みや目的で決めていい。
なお、ワックスとコーティングの両方を施したがる磨きマニアもいるが、その場合はコーティングをして、その被膜が硬化した後にワックスをかけるようにすること。
ワックスをかけてからコーティングする洗車好きもいるが、柔らかいワックス(しかも油膜)の上にコーティングを施すのは、ほとんど意味のない行為。
コーティングの硬化を長持ちさせて、さらに深みのある艶を出したいなら、コーティング層の上にワックスをかけるべきなのだ。
内装の掃除とクリーニング
ボディがキレイになったら、お次は内装だ。日頃は気付きにくいが、よく見るとダッシュボードにはホコリがうっすら、フロアマットには小石や枯れ草、砂ぼこりなどが溜まっているものだ。
ダッシュボードはボディ同様、濡らして絞ったセーム革などで拭いてホコリを落とし、ウインドウの内側も拭いてやろう。
禁煙車であっても、意外とウインドウ内側も汚れているもので、拭くと視界がクッキリするほど変わることもある。フロアマットは外して掃除機でホコリを吸い出し、マット周辺のカーペットも掃除機をかけよう。
シートも乗り降りや走行中の振動で着衣とシート表皮が擦れ、またシート内部のクッションと表皮の摩擦によってもホコリが発生する。
それらはシートの表面や内部に蓄積されているが、乗り降りの旅に舞い上がり、ダッシュボードなどに降り積もるのだ。
フロアマットに落ちた靴裏の土ぼこりも同様で、車内は知らず知らずにホコリっぽくなってしまっている。布団叩きでシートを叩きながら掃除機でホコリを吸い出してやると、シートがフワフワになって座り心地も向上する。
なお、シートを叩いて出たホコリでダッシュボードもホコリまみれになるので、ダッシュボードなどを拭く前にシートのホコリを叩いて追い出そう。
シート表面の汚れや臭いが気になるなら、泡状のシートクリーナーを使ってシートを洗い、濡れタオルで拭き上げる。
内装の殺菌や臭い取りがしたいなら、バルサンタイプの消臭剤もある。手指の殺菌用に使う次亜塩素酸ナトリウム水のスプレーは、薄めた漂白剤だけに、内装材の変色を引き起こす可能性が高いからあまりお薦めできない。
プラスチックのメッキ仕上げにも変色を及ぼす可能性がある。またアルコールスプレーもプラスチックには、あまり良くない。
もし雑菌などが気になるなら、表面はウエットティッシュかスチームクリーナーで殺菌するのが、最も合理的だろう。
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