かつてディーゼル車に重宝された「プレミアム軽油」の行方を調査

かつてディーゼル車に重宝された「プレミアム軽油」の行方を調査

 昨今は国産車、輸入車を問わず、さまざまなディーゼル車がラインアップされている。排ガスもクリーンで、圧倒的なトルクでグイグイ進むディーゼル車はいまでは積極的に選びたいラインアップだ。

 しかし、ガソリンとは違い軽油にはハイオクがない!! 1990年代に各ガソリンスタンドで販売されていた「プレミアム軽油」は何処にいった!?

 そんな読者からの疑問をベストカー編集部がお答えします。

文:ベストカー編集部/写真:Shutter stock


ディーゼル車が盛り上がっているのになぜ、軽油はプレミアムがなくなった!?

 マツダの新しいCX-5が気になっています。購入するならディーゼルにしようと思っているのですが、せっかくの新車なので、入れる軽油も少しでもいいものをと考えています。

 そこで質問なのですが、過去にあった「プレミアム軽油」というのは、今もあるのでしょうか。近所のガソリンスタンドには、どこもないようですが……。

【埼玉県/ヤマダーさん】


 このヤマダーさんの質問にはBC編集部のIがお答えしましょう!!

 プレミアム軽油、RVブームに沸いていた1990年代に、確かにいくつかの石油会社から販売されていましたね。

 普通の軽油に対し、”清浄剤”や自己着火性向上とディーゼルノックを起きづらくする”セタン価向上剤”、そして”防錆剤”が添加されていたヤツ。

 で、そのプレミアム軽油ですが、エネオスは2011年3月に、コスモ石油は2012年3月に販売を終了しています。

 その理由についてエネオスブランドを持つJXTGエネルギー、そしてコスモエネルギーホールディングス(コスモ石油)に尋ねてみた。両社とも回答は以下のとおり。

「ディーゼル乗用車の減少により販売数量が減少し、 需要回復の見通しが立たない」

 という理由を挙げました。1999年に行われた、当時の石原都知事によるディーゼルバッシングが、乗用ディーゼル車の需要を大きく減らしてしまったわけですね。

 しかし現在は、状況が違います。マツダのSKYACTIVテクノロジーにより、軽油は新世代のクリーンエネルギーとして注目を浴びています。となれば、かつてのプレミアム軽油が復活しても、不思議じゃない気がしません? 

 輸入車にもディーゼル車が増えたことだし、「軽油もちょっとアッパーにしたい」的な需要があるような……。

 で、前出の2社に「プレミアム軽油」復活の可能性を伺ったところ、

「社内で販売再開という情報は聞いたことがないですね」(JXTGエネルギー)

「現時点でプレミアム軽油の販売を再開する予定はございません」(コスモエネルギーホールディングス)

 う~む、復活の予定はしばらくなさそうです。両社の製品とも添加剤を入れれば、かつてのプレミアム軽油と同様の性能を得ることができるそうですが、それだとチョット違うんですよねぇ。

 というわけでヤマダーさん。プレミアム軽油は今ないです。しようがないので普通の軽油を入れましょう。ではでは。

ヨーロッパだと軽油も「プレミアム(看板一番下の”ultimate Diesel”)」がいまだに存在する。日本がディーゼル大国になればプレミアム軽油復活もあるかも!?
 
ヨーロッパだと軽油も「プレミアム(看板一番下の”ultimate Diesel”)」がいまだに存在する。日本がディーゼル大国になればプレミアム軽油復活もあるかも!?  

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