新型シビック試乗で見えた!「シビックというクルマが映し出す日本市場」


グローバルでは年間82万台を販売!その8割が北米で売れている驚愕の事実

 ただ、ではシビックがオワコンになったのかといえば、それはまったく違う。シビックは初代から北米に輸出されているが、86年からは北米工場でも生産され、2000年には累計生産200万台を突破している。

 この流れに乗ってデビューしたのが2011年の9代目シビックだ。このモデルは日本では販売されなかったため、我々にはなじみがないが、この世代からシビックはサイズ的にもコンセプト的にも完全に「アメリカのクルマ」になったといっていい。

9代目は北米マーケットでの販売をメインに開発された。その狙いが当たり現地での人気を確固たるものにしたモデルだ。その反面日本では8代目が継続販売され、一旦フェードアウトの憂き目にあう

 その狙いは的中し、日本でのシビック販売が低下するのと入れ替わるように北米ではシビックの売れゆきが急上昇。販売台数的には今やこちらが主役で、直近のピークだった2019年にはグローバルで約81.8万台(うち北米が約8割)という超人気車に成長しているのだ。

 そんなワケだから、今のシビックはまず北米を中心とするグローバル市場向けに作って、そこからちょっと台数を分けてもらって日本市場に持ってくるというのが現状。月販目標1000台というのはマーケティング的な事情で、装備の充実した高価格グレードしか用意しない(できない?)から、こういう数字にならざるを得ないワケだ。

気になる価格は320万円~来年は50周年の節目の年、日本での奮起に期待!

 最近のホンダのマーケティングは「採算性のいい高価格グレードを売り切れる分だけ売る」という戦略で、これが「だから軽しか売れないんじゃね?」という批判にもつながるワケだが、この辺が日本市場の難しいところ。

1972年に登場した初代シビック。当時の排ガス規制(マスキー法)をクリアしただけでなく、低燃費を誇ったCVCCエンジンを搭載し、世界中で大ヒット。一気に市民権を得たモデルだ

 確かに、エントリーで約320万円、上級モデル約354万円という価格は、200万円台前半から買えるカローラやマツダ3に比べて割高だが、では装備を削って300万円を切るグレードを設定したらもっと台数を稼げるのかというと微妙。昔からホンダの販売店は高価格車を売るのが苦手で、そこだけはぜんぜん進歩していないのがもどかしい。  シビックは初代が1972年生まれだから、来年めでたく生誕50周年を迎える。日本で生まれ育ったクルマが故郷であんまり数売れないのは残念だけれど、シビックが成長するには軸足を海外に移すしかなかったということ。逆にいえば、この20年くらいで日本はグローバル標準とはだいぶ違うマーケットになっちゃったということかもしれませんねぇ。

【画像ギャラリー】祝!(来年で)50周年を迎えるシビックに11代目登場!その全貌はコチラ!!