“大衆車”サニーにターボを初搭載! 日産 サニーターボ・ルプリ試乗 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

“大衆車”サニーにターボを初搭載! 日産 サニーターボ・ルプリ試乗 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

 徳大寺有恒氏の美しい試乗記を再録する本コーナー。今回は日産 サニーターボ・ルプリを取り上げます。

 サニーは、日産が1966年から2004年まで製造・販売していたいわゆる“大衆車”。ルプリは、そんなサニーにターボが初めて搭載されたモデルでした(女優の松坂慶子が「ルプリー!」と叫び、時任三郎がルプリに乗って助けに駆けつけるCMを見たことのある方もいるかもしれません)。フロントグリルには日産お得意の「TURBO」の逆文字。

 1600DOHCエンジン搭載のカローラ&スプリンターを凌ぐ動力性能で、ターボの威力を見せつけました。大衆車版「羊の皮を被った狼」の試乗記を、1982年12月号の記事からリバイバル。

※本稿は1982年12月に執筆されたものです
文:徳大寺有恒
初出:ベストカー2017年4月26日号「徳大寺有恒 リバイバル試乗」より
「徳大寺有恒 リバイバル試乗」は本誌『ベストカー』にて毎号連載中です


■日産のファミリーカー サニー+ギャレット製ターボ

 ターボの威力というものは、まこと恐ろしいものである。ベースのエンジンは確かによく回り、速いけれど、どこか大人しく、純然たるファミリーカーであったサニーに、ターボを付けるや、突然強烈なスピードを誇るスポーツセダンに変身させてしまうのである。

E15ETエンジンはベースの30‌psアップとなる115psを発生し、トヨタの1600㏄のDOHCエンジン、2T-GEUと最高出力で並び、トルクで2㎏m上回った。ちなみにターボはギャレット製
E15ETエンジンはベースの30‌psアップとなる115psを発生し、トヨタの1600ccのDOHCエンジン、2T-GEUと最高出力で並び、トルクで2kgm上回った。

 サニーターボ・ルプリの速さは相当なものである。私はオートマチック仕様にしか乗っていないのだが、それでも充分すぎるほど速く、マニュアルボックスのすばらしい速さが容易に想像できる。

FFながら軽さと有り余るパワーで、GTカーのような走りが可能になった。当時日産はスカイラインやブルーバードなどにターボを搭載し、DOHCのトヨタに対抗した
FFながら軽さと有り余るパワーで、GTカーのような走りが可能になった。当時日産はスカイラインやブルーバードなどにターボを搭載し、DOHCのトヨタに対抗していた

 オートマチックトランスミッション付きのクルマというものは、かなり速くても都内の交通の流れではモタつく感じがするものだ。それはスロットルをポンと踏んだ一瞬のレスポンスの悪さがそう感じさせるのであって、実際には充分に速いのであるが。

ボディタイプは4ドアセダンとハッチバッククーペの2タイプだったが、翌年ハッチバッククーペの代わりにオーソドックスな3ドアハッチバックがラインアップされた
ボディタイプは4ドアセダン(上)とハッチバッククーペ(中)の2タイプだったが、翌(1983)ハッチバッククーペの代わりにオーソドックスな3ドアハッチバック(下)がラインアップされた

 ところが、サニーターボ・ルプリは、そのモタつき感がほとんどなく、スウーッと加速する。その感じは大排気量車のものとも違い、一種独特のものだ。

 日産系のオートマチックトランスミッションは、スムーズではあるが、ややモタつきが大きく、スカイラインなどのターボカーに与えられても、その威力を発揮するのは50km/h以上であった。

 しかし、サニーターボ・ルプリのそれは、かなりのレスポンスで気持ちよく、東名高速に入るやターボ本来の大トルクに押し出されるような加速を味わった。

 80km/hあたりからの加速はもうオートマチックもマニュアルもない。踏めばグウーッと加速していく。ボディが小さく軽いこともあって、やたらに速いのだ。

 箱根のワインディングに入り、ターンパイクの登りでは、2L車以上の加速を見せる。それもそのはずで17kgmの大トルクなのだ。セカンドギアに落とせば、2、3台まとめて追い抜くことも簡単だ。

0~400m加速 16.37秒、0~100㎞/h加速 9.52秒、 最高速 176.9㎞/hという数字は現代の1.5ℓターボモデルと遜色のないものだ
0~400m加速 16.37秒、0~100km/h加速 9.52秒、 最高速176.9km/hという数字は現代の1.5Lターボモデルと遜色のないものだ

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