“大衆車”サニーにターボを初搭載! 日産 サニーターボ・ルプリ試乗 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■バツグンのステアリングレスポンス

 これだけの速さを持つサニーターボ・ルプリなのだから、ハンドリングもそれ相応によくなければ面白くないし、第一、危険でもある。

 その点もサニーターボ・ルプリは抜かりない。従来やや弱いと思われていたフロントサスペンションを強化している。スタビライザーを装着し、スプリングとダンパーを強化した結果、見違えるようにスティアリングレスポンスがよくなったのだ。

インテリアは赤いTURBOの文字が3本スポークステアリングやコンソールに刻まれ、スポーティなムードを作っていた
インテリアは赤いTURBOの文字が3本スポークステアリングやコンソールに刻まれ、スポーティなムードを作っていた

 タイトコーナーでは外側がロールし、内側のホイールが浮くという悪いクセも直っている。中速以上のハイスピードコーナリングは、もともとそんなに不得意ではないが、よりアンダースティアが減った。これは私の想像だが、筑波サーキットを最も速くラップするオートマチック車の1台だと思う。

 これほどのハイスピードカーとしては、ややブレーキが物足りない。私がテストしたのはオートマチック車なので、特にそのことを意識させられるのだが、全輪ディスクブレーキといっても、フルブレーキになるほど後輪はあまり効果がなくなる。

 特に下り坂を速く駆け下りようとすると、ブレーキは辛く、フロントはやがてフェードして煙が出る。最大の不満点はブレーキとなるだろう。

 いっぽう、ツーリングカーとしての資格として重要なシートはとてもいい。サイズは適当だし、充分な弾性があり、気持ちよく座っていられる。ハイスピードコーナリングに対してもサイドサポートがよく、さすがにバケットシートである。

バケットシートが与えられ、ホールド性を大幅にアップ。徳さんもこのシートを褒めた
バケットシートが与えられ、ホールド性を大幅にアップ。徳さんもこのシートを褒めた

 しかしながら、そのインテリアは少々ケバケバしすぎて好きになれない。こういうハイスピードカーのインテリアは、カラーコーディネートがシックで落ち着いたものを選ぶか、さりげないものにしてほしい。

 もう一点、フロントグリルを黒く塗って、そこにグレーでTURBOの文字を与えたりする気持ちはわからないではないが、このクルマはこのままで、シレ顔で速いというのもよかったのではないかとも思う。

取材時の一コマ
取材時の一コマ

◎サニーターボ・ルプリ セダン主要諸元
全長:4135mm
全幅:1620mm
全高:1390mm
ホイールベース:2420mm
エンジン:直4DOHCターボ
排気量:1487cc
最高出力:115ps/5600rpm
最大トルク:17.0kgm/3200rpm
トランスミッション:3AT
10モード燃費:14.8km/L
車重:870kg
価格:141万2000円
※グロス表記

0~400m加速:16.37秒
0~100km/h加速:9.52秒
最高速:176.9km/h
※テスト車:クーペ 5MT

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