300万円台は、計52台の輸入車がひしめく激戦区。なかでもVWゴルフなどが属すCセグメントは、欧州各メーカーがこぞって基幹車種のハッチバックを投入する大激戦区だ。
そのベンチマークたるゴルフの改良モデルが5月25日に発表。注目の新型ゴルフは何位に?
300万円台輸入車 ハッチバック激戦区のベストバイをランキング形式で明らかにします!
文:岡本幸一郎/写真:編集部、Audi
ベストカー2017年6月26日号
ベンチマークのゴルフが大幅改良
世界中の自動車メーカーの大半がCセグメント車(国産でいうインプレッサ、アクセラクラス)をラインアップしているが、日本でもこうした魅力的な顔ぶれが300万円台で買えるというのはありがたい話。
そんななか、その代表格であるフォルクスワーゲン ゴルフがマイナーチェンジ。これにて勢力図がどうなるのか考えてみたい。
まずはゴルフがどう変わったのかを確認しておこう。外観ではLED化された前後のランプ類やバンパーのデザインなどが変わった。
シートに収まりイグニッションをONにすると、デジタル化されたメーターやインパネ中央の大きなディスプレイが目に飛び込んでくる。
これにより雰囲気がガラリと変わっていて、いかにも新しいクルマに乗っている感じ。そして上質でもある。
これは先進性を視覚的に訴求する意味と、来るべき電動化と自動運転の時代を見据えてのものだ。
さらにはVWが最近とみに力を入れているコネクティビティも強化されている。スマホ用の専用アプリまで用意しているほどだ。
リモートでインフォテイメントを操作できるのも新しい。こういうことにチャレンジしたのは同クラスでゴルフが初めてだ。
また、渋滞時の追従走行を支援する「トラフィックアシスト」を全車標準装備にしたり、「シティエマージェンシーブレーキ」を歩行者検知に対応させるなど先進運転支援システムについてもクラスをリードする内容となっている。
大改良のゴルフは進化したのか?
本国では1.4Lターボに代わる1.5L TSIエボエンジンが搭載されたが、今回、日本仕様には用意されなかったのは残念きわまりない。
取材車のTSIハイラインをドライブすると微妙だが、全体的にさらに洗練されたように感じられた。
このクラスで小排気量の直噴ターボエンンジというのはもはや常識だが、DCTを用いているのがVW系とメルセデスの特徴。
むろん一長一短あるがダイレクト感のある走りはそのままにスムーズさが増して乗りやすくなったように感じられた。
正確性に富むステアリングやしなやかななかにも引き締まった乗り味をもたらす足回りもあいかわらず好印象だ。
タイヤが路面をしっかり捉えているのでなんら不安に感じることなくワインディングを攻められるし、高速巡航でのスタビリティも高い。このあたりはさすがというほかない。
1〜3位 ゴルフを上質さで上回るアウディA3
そんな新しくなったゴルフが競合車に対してどういう位置づけとなるのか?
1位は依然としてアウディA3だと思う。全体の完成度が高く、欠点らしい欠点も見当たらない。そしてゴルフよりもやはり上質だ。
ご存じのとおり、よくできたゴルフをベースに、さらに上を目指して手を加えているのがアウディなのだから、そうなるのも納得。新しいゴルフも頑張って超えた部分もあるが、総合力では及ばないかな、と思う。
では、新しくなったゴルフは何位かというと、次点の2位としたい。それは装備の充実だ。
実力が拮抗したなかで何を理由に採点するかが悩みどころだが、今回ジャンプアップしたゴルフを現時点では高く評価したいと思う。これがなかったら、4位だったかな(マイチェン前ゴルフは92点)……。
3位はボルボ V40。このクルマも登場してからどんどん改良されて完成度が高まっている。往年のボルボのお堅いイメージを払拭する狙いもあってかなりスポーティな性格が与えられている。安全装備も非常に充実している。
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