日産は電気自動車の分野で世界を先導し、リーフは量産EVとしては最も多くの販売台数をマークしている。
そのリーフは日本でも給電用で活躍しているが、2020年9月29日に事前災害などによる停電時に電気自動車の大容量バッテリーから非常用電力を供給できる、災害復旧支援を目的とした電自動車のコンセプトカーである『RE-LEAF』を欧州で発表。
見るからに超絶カッコいいリーフベースのRE-LEAF、実は中味も凄いのだ。その詳細について見ていく。
文:ベストカーWeb編集部/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】タフで力強い機能美!! 究極の災害復旧支援車を具現化したRE-LEAFの詳細チェック!!
最低地上高はオフロードSUV顔負けの225mm!!
欧州で発表された電気自動車のコンセプトカー『RE-LEAF』のベースとなっているのは欧州仕様のリーフ(LEAF)だ。
災害対策における緊急対応(emergency REsponse)、人道支援(humanitarian REcovery)、そしてコミュニティの強靭性(REsilience)の3つの「RE」を由来としてRE-LEAFと命名されている。
日産サイドでは触れていないが、救援を意味する『relief』(リリーフ)の響きによって、救援ということをアピールしているのは間違いない。
RE-LEAFはフロントマスクを見てもリーフそのものだが、車高がアップしていて非常に力強いタフさを感じさせるクルマに仕上げられている。
災害地での悪路走破性を確保するためにさまざまな改良が施され、最低地上高は本格オフロードSUV顔負けの225mmを確保している。当然、下回りの保護のためにアンダーガードも装着されている。
ボディではホイールアーチに40mmのカスタムGFRPコンポジット製オーバーフェンダーが装着されているのもエクステリアに迫力を与えている。
タイヤサイズは225/65R17で、BFグッドリッチ製のオールテレインを履くことで悪路走破性を高めている。
その結果、フロント、リアとも拡幅され、全幅はフロントが1740mmから1830mm、リアは1760mmから1890mmにワイド化されているのもカッコよさの要因だ。
ルーフにはLEDライトバーが装着され、アンバーに点滅させることで、車両の接近を知らせる。
安定した電力を供給するための改造
災害時にスムーズに救助活動できるように内外装に改造が施されている。
まず外観上の変更は、簡単に電気を取り出せるように、フェンダー部分に対向性に優れた電気ソケットが2つ取り付けられ、利便性を高めているのがポイント。
内装では、ラゲッジには3つのコンセントが装備され、32インチモニター、通信機器、引き出し式のデスクが特別装備されている。
そして積載性を高めるためにリアシートは取り外されて、前席部分とラゲッジ部分ではケージで仕切られている。
リーフの大容量リチウムイオンバッテリーの給電能力はすでに実証されていて、復旧作業に必要な照明、作業機器用電源だけでなく、通信用や冷暖房用としても活用できる。
ちなみに、62kWhのバッテリーを搭載したリーフe+は停電時において、一般家庭の約4日分に相当する電力を供給することができる。
日本の電圧は100Vに対し、欧州は220~230Vとなっている。例えば230Vでの使用とすると、電動削岩機(24時間使用で36kWh)、ベンチレーションファン(24時間使用で21.6kWh)、100W LED照明(24時間使用で2.4kWh)を同時に使うことができるほど。
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