トヨタがジュネーブショーにて新型オーリスを世界初披露しました。「オーリス」といえば、ここのところ日本での販売は苦戦しているものの、独特の存在感を持つモデルのひとつです。
欧州で発表されたということは、年内に日本導入か? と流通ジャーナリストの遠藤徹氏に発売時期の調査を依頼したところ、首都圏のディーラーを回ってもらうと意外な事実が発覚しました。
なんと日本では「オーリス」という車名は消滅。「カローラスポーツ」という車名で今夏にも発表発売されるとのこと。
えー、ほんとに!?!? やや驚きつつ、以下、遠藤氏の調査レポートをお届けします。
文:遠藤徹 写真:TOYOTA
■カローラシリーズの一員として転生する!
ヨーロッパを中心としたトヨタの戦略小型ハッチバックモデル、「オーリス」が今春にも、フルモデルチェンジし現地欧州で発売される。
日本ではそれほど人気のないカテゴリー、いわゆる「Cセグメントハッチバック」であるが、欧州市場では根強い人気を誇っており、このオーリスもトヨタの中心的販売車種で、VWゴルフ、プジョー308、ボルボV40などと火花を散らす販売合戦を繰り広げている。
ところが日本では従来モデル(現行型オーリス)が、3月上旬に生産中止。その際、首都圏の販売店筋(トヨペット店、ネッツ店)によると、
「次期型の投入はなく、モデル廃止になるとメーカー筋から聞いた」
とコメントする。通常、生産中止車に関しては、顧客から問い合わせがあった際に次期型があれば次期型について説明することになっているが、今回のオーリスに関しては、「生産終了」とだけアナウンスしているそう。
いっぽうカローラ店筋によると、
「カローラシリーズの新しい追加モデルとして6月下旬に新型ハッチバックタイプ車が発売される。車名は【カローラスポーツ】だと聞いている」
と明かす。より詳しく聞いてみると、
「メーカー筋から送られて来たタブロイド画像は、海外のモーターショー(3月に開幕したジュネーブショーのこと)で公開された新型オーリスにそっくりだ」
という。
つまり次期型オーリスは日本では「カローラスポーツ」として生まれ変わるのがほぼ間違いないということである。インプレッサスポーツ、アクセラスポーツ、シビックハッチバックなどが対抗モデルとなりそう。
■では発表発売スケジュールは?
新型(「オーリス」改め)「カローラスポーツ」は、3月下旬にも全国のカローラ店に商品概要が開示される見込み。
そして4月中旬から下旬にかけて、全国カローラ店の営業スタッフを富士スピードウェイに集め、施設内試乗会及び商品説明会を開催、5月に発表、6月下旬に発売、というようなスケジュールだという。
この、「新型車の販売店向け施設内試乗会及び商品説明会」を富士スピードウェイで開催することはどういうことか。
それはトヨタがその新型車の市場投入に最高レベルの力を入れていることの証左といえる。事実、同じ頃投入する次期型クラウンも同じ富士スピードウェイで販売店向けの施設内試乗会と商品説明会を実施する。
■新開発の2Lハイブリッドが搭載されるかどうか
新型カローラスポーツの商品詳細はまだ明確になっていないが、概要は掴んだ。
まず欧州で発表された新型オーリスは、先代モデルよりも全長が40mm長く、全高が25mm低い。よりスポーティなフォルムになりそう。
全幅1750mm超の3ナンバーサイズで、もちろん5ドアハッチバックレイアウト。トヨタの次世代クルマづくりの考え方である「TNGA」に基づき仕立てる。
搭載するパワーユニットは純ガソリン仕様が1.5LのNAと1.2Lターボ、ハイブリッド仕様が1.8Lガソリン+モーター、それに新開発の2Lガソリン+モーターを組み合わせたユニットが搭載されるかどうか(搭載されれば日本初登場)が焦点となる。
1.2Lターボは走りのポテンシャルアップを図ったスポーツバージョンに積まれる見込み。
安心パッケージの「トヨタセーフティセンス」は障害物の他、歩行者や自転車も検知する機能が盛り込まれる。月販3000台以上を目指す戦略モデルの構築を目指す構えである。
いっぽう従来のカローラアクシオ、フィールダーのフルモデルチェンジはまだ情報が入っていない。来年以降だという噂も入ってきている(当初は「国際規格を考えて3ナンバー化か」という話もあったが、5ナンバーボディで開発が進んでいるという)。
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