【どうなる日本自動車界!!!】自工会 豊田章男会長が激動の2019年を振り返る

【どうなる日本自動車界!!!】自工会 豊田章男会長が激動の2019年を振り返る

 2019年12月19日、日本自動車工業会(以下自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が定例会見を開き、2019年の自動車業界についてや、盛況となった東京モーターショーなどについて語った。

 今後の自動車業界の発展のみならず、安全な自動車社会実現のために、どのように取り組んでいくべきかについて、熱のこもった会見となった。

文・写真/編集部


■目標動員数を大きく超えた東京モーターショー2019の収穫と残った課題

 東京モーターショーについては、開催前の記者会見で豊田会長が100万人の来場者目標を提示していたが、実績はメガウェブで行った「FUTURE EXPO(フューチャー・エキスポ)」などの無料イベントへの入場も含め130万人に達した。

 東京モーターショーは、2007年に142万5800人を最後に、来場者数が100万人を超えることがなく、豊田会長も開催前の定例会見で「生活全体の未来を示す場にモデルチェンジしなければ、ジリ貧のまま、東京モーターショー自体が終わってしまう」と危機感を語っていた。

東京モーターショーの平成になってからの来場者数。前回2017年は、過去最低の77万1200人と危険水位まで減少していた
2007年の以来となる100万人超えを達成した東京モーターショー2019。東京オリンピック準備の影響で会場が分散などのマイナス要因を跳ねのけた130万人達成だった

 豊田会長は「目標をかかげた時に自信があったかと言われれば、自信も確信もなかったが、われわれが伝えたかったのは自動車業界だけでなく、多くの仲間と東京モーターショーを作らなければならないということだった」と述べ、モーターショーを作り直すという思いであったと説明した。

 しかし、目標動員数を上回ったいっぽうで、「展示棟に入るための長い行列や会場間のバス不足などせっかくお越し頂いたお客様にご不便もかけてしまった」と、新たに生じた課題についての反省も述べた。

 そのうえで「最後までお客様のストレスをゼロにすることはできなかったが、各社が持っているバスをかき集めるなど、お客様が笑顔になれないことが起きた時、自動車メーカー各社がワンチームでお客様のほうだけを向いて、即断即決で対応を決めてきた。会社の壁を越えてこうした動きができたからこその130万人だったと思う」と強調した。

 豊田会長は2020年5月までの予定だった任期を2022年5月まで延長し、2021年の東京モーターショーの開催にも携わる。「今年は準備不足もあったが、2年後は新しく入っていただいた仲間たちと準備する時間もある。日本の多くの企業が世界から注目されるよう取り組んでいきたい」と次回への抱負を語った。

■災害、高齢者による事故などが注目された2019年を振り返る

 続いて豊田会長は2019年を振り返り、「新しい時代の幕開けとなった年ですが、振り返ればたび重なる自然災害や、社会問題化する交通事故など、明るい気持ちばかりではいられない年でもありました。被災された方に、われわれに何ができるのか? 何をすべきか? 改めて深く考えさせられた1年であったような気がします」と振り返った。

「災害が起きた時、クルマの給電機能が役に立つ。ですが、実際に災害が起きた時、どこにどれだけあるのか? それを現場で使いこなせる人材はどれだけいたのか? 実は私自身もプラグインハイブリッドを持っていながら、そのクルマに給電機能が付いていたのか? どうしたら使えたのか? 実はわかっておりませんでした」

 と、災害時に自動車が被災者の役に立つためには、電動車のさらなる普及だけでなく、使用する人間が機能を理解し、わかりやすく伝えられるようならなければならない、と現場で感じた反省点を挙げた。そして、より自動車が社会に容易に役立つような工夫を行なっていくことが必要だと語った。

 もうひとつ2019年の社会問題となった交通事故に関しては、「交通事故ゼロを目指すこと、これも自動車に関わるすべての人に共通した願いだと思っています。事故ゼロに向けた技術はどこが先に出すという競争をする領域ではない。むしろ同じ思いを持って、協力しあってこそ本当に役に立つ技術がいち早くお届けできると考えております」と、事故ゼロに向けて技術開発は競争領域ではないという見解を示し、協力し合うべきものであるとの見解を示した。

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