プリウス首位奪還!! 発売5年目で捲土重来!! なぜ売れ続けているのか? 

プリウス首位奪還!! 発売5年目で捲土重来!! なぜ売れ続けているのか? 

 トヨタプリウスの勢いがとまらない――。2019年の国内登録車販売台数ナンバー1に、プリウスが、2年ぶりに返り咲いた。

 現行型となる50系プリウスが登場したのが2015年12月、現在ちょうど5年目に入ったところだ。2018年12月に、フェイスリフトを伴うビッグマイナーチェンジがなされた。

 1997年に登場し、2009年に初めて年間普通車車名別販売台数でトップをとって以来、常に3位以内にはランクインするという、快進撃を続けるプリウス。

 なぜプリウスばかりが、これほどまでに売れ続けるのだろうか。

文:吉川賢一、写真:トヨタ、日産、ホンダ、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】2019年国内登録車販売台数ベスト10


プリウスはどれほど売れているのか?

 まずは、以下のプリウス販売台数を見てほしい。

  • 2015年 2位(12万7403台)
  • 2016年 1位(24万8258台)
  • 2017年 1位(16万0912台)
  • 2018年  3位(11万5462台)
  • 2019年 1位(12万5587台)
  • ※データ元:自販連HPより抜粋
プリウス(2015年)
プリウス(2015年)

 2015年末にモデルチェンジがなされた後、2016年2017年と、2年連続で登録車販売台数1位を達成、2018年は日産ノートにトップを奪われ、トヨタアクアに続く3位となったが、2019年は再び1位を獲得した。

 年々、1位の台数が減少しているのは、そもそも日本市場の冷え込みと、軽自動車へ人気が流れているということの表れであろう。

 プリウスが、これほど売れ続ける理由には、以下のような理由が考えられる。

圧巻の燃費性能はプリウスの最大の長所

 ひとつ目は、皆さんもご承知の通り、「燃費の良さ」だ。

 ガソリンタンク容量は43リットル、カタログ燃費がJC08モードで37.2km/L(Sグレード)、実燃費をイジワルに半分と考慮しても、1度の給油で約700kmは走行可能だ。

 燃料もレギュラーガソリンとエコノミーである。クルマにそれほど乗らない方であれば、月に一度、6,000円程度(※レギュラーガソリン単価140円で試算)の燃料給油で済むかもしれない。

ノートe-POWER
ノートe-POWER

 ちなみに、日産ノートe-POWERのJC08燃費は34.0km/L(Xグレード)、ホンダフィットが34.0km/L(Fグレード)。

 カタログ燃費の比較だが、プリウスの燃費は他社のハイブリッド車よりも10%程良く、ひときわ目立っているのだ。燃費スペシャルなグレードではなく、量販グレードで比較した

売れる商品の安心感はアマゾンレビューを見て買うようなもの

 2つ目は「皆が買っていることの安心感」だ。

 最も売れているクルマであれば、不具合もないであろうし、何やら安全装備もたくさんついているし、なんなら向かいの家もプリウスだし、うちもプリウスがいいや、という思考である。 

 アマゾンでの購入時に、レビューが多い商品を無意識に選ぶような流れであろう。数百万円もするクルマを、家電と同じような感覚で、話題のものを購入する方は、一定数いる。

 販売店やホームページでは、「最も売れているクルマはこちらです」という流れでお薦めしやすいだろうし、クルマの種類をよく知らない方にとっては、ナンバー1のクルマを買えば間違いない、と安心できるのだろう。

プリウスを買えば立派なステータスが簡単に手に入る

 そして3つ目が「ステータス性」だ。

 個人的な見解だが、おそらくプリウスを購入されている方の大半が、プリウスが排気量何リットルのガソリンエンジンを積んでいるのか、車幅が何ミリあるのか、リアサスペンションの形式が何か、知らないのではないだろうか。

 ※正解は、排気量1.8リットル、車幅1760ミリ、リアダブルウィッシュボーン形式である。

プリウス(2018年マイナーチェンジ)
プリウス(2018年マイナーチェンジ)

 先進的なイメージで、環境性能が良い、そして最も売れている。こうしたステータスが、プリウスを買えば手に入るのだ。

 筆者も最近、自宅のガス台が故障して、急ぎ購入することになったのだが、正直、スペックと値段の関係がどうにも分からない。

 天板がガラス素材でキレイだったり、グリルが多機能だったりはするが、その価値が価格に見合うものなのかが、判断できなかった。

 結局は、店員さんから売れ筋を聞き、いくつか挙げてもらった機種の中から、最低限欲しいスペックとコストで決めた。

 ガス台とクルマでは、価格が20倍以上違うが、このような感覚なのだろうと、筆者は理解した。

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