新型キックスはロッキー/ライズの快進撃を止められるのか?

新型キックスはロッキー/ライズの快進撃を止められるのか?

 クルマの大型化が進む近年においては、ありそうでなかった、5ナンバーサイズのSUV、ロッキー/ライズの快進撃が止まらない。

 昨年11月に登場するや否や、ライズの登録車販売台数は、11月4位、12月2位、そして1月には、とうとう1位を獲得し、2月もトップの座を守った。

 ロッキーのほうも月産目標の1.5倍の受注となっているそうで、生産工場はフル稼働していることだろう。一時期は、受付を中止するほどに、注文が殺到しているそうだ。

 コンパクトSUVといえば、日産が海外で販売するコンパクトSUV「キックス」が今年、新型となって国内に投入されるのでは、との情報がある。

編集部注/日産新型キックスは5月中旬に日本発表、との情報が入っている。しかしこの新型コロナウィリス感染症騒動で多少前後する可能性もあり)

 この新型キックスは、ロッキー/ライズの勢いを止めることができるだろうか。

文:吉川賢一、写真:トヨタ、ホンダ、日産、スズキ

【画像ギャラリー】ロッキー/ライズ VS キックス


ロッキー/ライズが大ヒットしている理由とは?

 ロッキー/ライズのヒット要因をひと言でいうならば「良品廉価」にあるだろう。

ロッキー
ロッキー

 5ナンバーサイズとは思えない、プチRAV4といった感じのドシッとした外装、プラスチック素材は多いが先進的な雰囲気を持ち上手くまとめられた内装、車幅もさほど広くなく、四角いボディのため、視界が良くて運転が怖くない。

 1.0リッターターボエンジンのトルクも太く、発進時にはそれなりに強い加速が得られる。

ジムニー
ジムニー

 C-HRやヴェゼルといったスタイリッシュな都会派SUVは見飽きてしまい、クロス風味のコンパクトカーでは物足りないとはいえ、ジムニーやシエラはちょっとハードすぎる。

 そこへ「オフロードファッション」をまとって登場したのが、ロッキー/ライズだったのだ。

 オフロードをガシガシ走破できる本格的なクロカンや、オンロードからオフロードまで万能でこなせるSUVは不要。

 クロカンやSUVの雰囲気があれば十分と感じるユーザーにとって、上述したような魅力をもち、主要グレードが200万円前後で買えるロッキー/ライズは、ぴったりなモデルなのだ。

新型キックスがロッキー/ライズの勢いを止める戦略とは?

 国内向けの新型キックスに関しては、ウワサは多々あれど、現時点、具体的な情報は何もない。

 2020年5月から6月の発売予定、パワートレインは改良のe-POWERを搭載し、モーター出力や制御の向上、ノートe-POEWRで不評だったアイドリング時のエンジン騒音の低減も織り込まれる。

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 当然ながらプロパイロットは搭載し、先進安全装備の360°セーフティアシストも用意するだろう。

キックス(2020年モデル・海外仕様)
キックス(2020年モデル・海外仕様)

 ボディサイズについては、新型キックスに関しては定かではないが、2016年から海外で発売されているキックスは、全長4295×全幅1760×全高1585mm。

 トヨタC-HR(4385×1795×1550)や、ホンダヴェゼル(4330×1770×1605)と比べてみても小さく、日本人が好みそうな「コンパクトSUV」に当てはまっているように思える。

 しかし、ロッキー/ライズ(3995×1695×1620)と比べてしまうと、キックスは一回り大きい。

 新型キックスがロッキー/ライズの勢いを止めるためには、例えば、国内向けのカローラ(セダン、ツーリング)が、グローバルカローラの車幅を25mmも狭めて日本特別仕様化したように、日産も国内市場向け限定でキックスの幅を狭めることはできないだろうか。

カローラ
カローラ

 いや、そういったことをしていかないと、ロッキー/ライズの爆発的な勢いを止めるまでにはいかないように思う。

 日本市場のためだけに作り込んだ「コンパクトSUV」、価格帯は200万円前後で出す。C-HRやヴェゼルといったコンパクトSUVよりも1サイズ下、ロッキー/ライズのサイズを好む顧客を狙う戦略だ。

 さもないと、ロッキー/ライズに一矢報いることができないばかりでなく、一年以内にフルモデルチェンジを控えている新型エクストレイルと、食い合いになるのも、目に見えている。

 10年前、ディアリスとエクストレイルを国内で共存させることができなかったように、だ。

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