売れ行きは昨年の3倍増!! いまジムニーシエラが売れている理由とは?
スズキの小型SUV「ジムニーシエラ」が売れている。本格SUVのジムニーシリーズは、軽自動車のジムニーと登録車のジムニーシエラの2本立て。
これまではジムニーの売れ行きが目立っていたが、前年比の販売伸び率で上回るなどジムニーシエラの売れ行きが伸びているのだ。
なぜいま“軽じゃないジムニー”が売れているのか。自動車評論家の渡辺陽一郎氏が解説する。
文:渡辺陽一郎、写真:スズキ、日産、トヨタ
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相変わらず納期は1年? ジムニー販売の現状は
身近なSUVなのに、なかなか手に入らないのが軽自動車のジムニーと小型車版のジムニーシエラだ。価格は手頃だが、納期は1年前後と長い。
スズキの販売店に尋ねると、以下のようにコメントした。
「ジムニーの納期は、今でも約1年とご案内しています。ジムニーシエラは直近になって少し短くなり、1年は掛かりません。それでも8~10か月です」
「両車とも発売した後、納期が長いことから2019年の初頭に生産台数を増やしましたが、ほとんど短縮されませんでした。お客様からの受注台数が減らないからです。
とても嬉しいことですが、納期が一時的に縮まっても、少し時間が経過すると再び伸びます。それでも最近は、ジムニーシエラの納車台数が少し増えました」
2018年7月に発売された時の国内販売目標台数は、1年間にジムニーが1万5000台(月平均1250台)、ジムニーシエラは1200台(同100台)であった。
この販売計画は、あまりにも少ない。フルモデルチェンジを控えた2017年の時点で、ジムニーは月平均で約1100台、ジムニーシエラも100台前後を販売していたからだ。
現行型は20年ぶりのフルモデルチェンジだったから、当然に待っていたユーザーも多い。現行型の国内販売目標台数が先代型と同等か微増では、納期が長引いて当然だ。
前年比でジムニーは1.6倍、シエラは3倍の販売増
そこで現状では、可能な限り積極的に納車して、納期の短縮に力を入れている。
ジムニーの直近の届け出台数を見ると、2020年6月:3551台(対前年比155%)、7月:3740台(同158%)、8月:3527台(同170%)になる。前年の1.6倍、発売当初の計画に比べると、毎月約3倍の台数を届け出している。
小型車のジムニーシエラは、増加率がさらに高い。2020年の登録台数は、6月:2028台(対前年比330%)、7月:2099台(同338%)、8月:1381台(298%)になる。
前年に比べて約3倍の登録があり、発売時点で設定された月100台の目標台数とは比較にならない。ジムニーとジムニーシエラは、発売から2年以上を経過するから、本来なら前年に比べて売れ行きが下がるはずだ。
しかし、納車待ちの車両が大量に残るため、今でも登録/届け出台数が増えている。特にジムニーシエラは、登録台数が増加して納期も短くなった。
6/7月の1か月に2000台少々というジムニーシエラの登録台数は、クルマの売れ行きが下がった今では中堅の販売規模だ。
SUVならC-HRやエクストレイルと同等で、新型車なのに納車の進まないキックスを上まわる。先代ジムニーシエラの売れ行きは、ジムニーの10%程度だったが、現行型は60%程度に達する。
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