ドイツの自動車メーカー・BMWグループが主導する、水素エンジン(水素を燃料とする内燃エンジン)搭載トラックの共同研究プロジェクトが、ドイツ政府の事業に採択された。
今後、4年間のプロジェクト期間中に総重量18トンのトラック2台と同40トンのトラック2台を製造し、実際の運用を経て、水素エンジンによる持続可能な輸送を実証する。
共同研究(コンソーシアム)のメンバーには、老舗の内燃機関メーカーや、水素技術の新興企業、国際石油資本なども名を連ね、技術面だけでなくインフラや運用も含めた包括的な評価を目指している。
乗用車メーカーのBMWは水素エンジンのパイオニアでもあり、2007年には世界初の量産型ラグジュアリー水素サルーンを謳った「ハイドロジェン7」が日本市場にも投入された。
BMW・ハイドロジェン7は時期尚早だったと言う他ないが、同社が水素エンジンの実用化を諦めたわけではない。水素の利用がより適しているとされる大型トラックで、国際コンソーシアムとともに水素エンジンの可能性を模索している。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/BMW Group・KEYOU GmbH・DEUTZ AG・ヤマハ発動機・クボタ・Cummins Inc.