新型レクサスは超激戦区に波乱を起こせるか!? 今が旬の高級コンパクトSUV選手権

新型レクサスは超激戦区に波乱を起こせるか!? 今が旬の高級コンパクトSUV選手権

 今、高級コンパクトSUVの勢いが凄い。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したボルボXC40をはじめとして、BMW X2、ジャガーEペースなどのニューモデルラッシュが続き、超激戦区となっている。そんなところへ、レクサスの最小SUV、レクサスUXが2018年11月27日に発売となった。

 発売からおよそ1カ月にあたる2018年12月25日時点でのレクサスUXの受注台数は月販目標台数900台の約9.8倍の約8800台に達し、絶好調のスタートを切っている。

 はたして、こうした超激戦区の高級コンパクトSUVのなかにあって、レクサスUXは何位に入るのか? ボルボXC40がまたトップを獲るのか? 輸入車、国産車の高級コンパクトSUVを、モータージャーナリストの石川真禧照氏がランキング!

文/石川真禧照 
写真/ベストカー編集部


■活況の高級コンパクトSUV

日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞を受賞したボルボXC40

 2018〜2019の日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞はボルボXC40に決定した。さらにエモーショナル賞はBMW X2が獲得した。この2車はともにコンパクトクラスのSUVなのだ。いかにコンパクトクラスのSUVが人気なのかわかる。

 コンパクトSUVを調べてみると、全長4.5m以下、価格も300万円台半ばから400万円台が中心で、各国の輸入車SUVがズラッと揃っているのだ。その車種の数は完全に国産コンパクトSUVを上回っている。

 “高級”というとドイツ御三家のSUVが真っ先に浮かぶが、メルセデスはGLA、BMWはX1、X2、アウディはQ2、Q3をラインアップ。大衆車の多いVWもこのところ上級車志向を強めており、ティグアンのディーゼル車も2018年8月29日から販売を開始している。

 ユニークなのはフランス車。最新のDS7クロスバックは全長4590×全幅1895×全高1635mmと大柄だが、DSはCセグメントでは最大のサイズと位置付け、ボルボXC40、BMW X2などをライバルとして挙げている。

 ボディサイズでいうと、欧州CセグメントとBセグメントのSUVは境目があやふやで、はっきりとこれがCセグメントに属します、と言いづらい状況になってきているので、今回はCセグメントとBセグメントの両方をノミネートしてみた。

 国産車ではこのカテゴリーにエントリーできるのはレクサスUX(390万~535万円)。マツダCX-3、スバルXVは価格帯が違い過ぎることもあり、エントリーを見送った。

■国産&輸入車コンパクトSUVベスト10!

 ということで、国産、輸入車の高級コンパクトSUVは14車種のなかから、ベスト10をランキングしてみた。選考基準は、日本の道路状況や生活環境での使いやすさと、クルマが持つSUVとしての魅力度だ。あとはそのクルマの新鮮度も、ユーザーとしては関心が高いと思い、ランキング選考に加味した。

 ルノーカジャー(14位)やルノーキャプチャー(13位)、プジョー3008(9位)、DS7クロスバック(10位)というフランス製が下位なのは、駆動方式がFFということもあるが、上級感がイマイチだから。

 12位のアメリカンのジープコンパスも運転性能は評価できるが室内の素材感がイマイチ。11位のVWティグアンは全高が高く、今回の最新SUVという縛りのなかでは、旧SUV的なので順位を下げた。

 DS7クロスバックはそのなかでもフランスの高級ブランドを用品として使用するなど頑張っている。プジョー3008はFF車ではあるが、トランクションコントロールをベースにプログラミングされたメカを採用し、雪、砂、泥などの走行対応、下り坂のヒルディセントコントロールも備えているのでベスト10入りさせた。

■10位/DS7クロスバック

プジョーシトロエングループが2014年に立ち上げた高級ブランドがDS。その最上級モデルで、2018年7月に日本にデビュー。1.6Lディーゼルと2Lガソリンに8速ATを装備。シトロエン譲りのロールを伴うしなやかな足回りは健在。インテリアのクオリティとデザインはフランスの高級車の雰囲気。駆動はFFのみ

○ドイツ車やイタリア車にはないおしゃれな内装
×峠道には不向きな足回り

■価格:469万〜562万円
■ボディサイズ:全長4590×全幅1895×全高1635mm
■エンジン:2L、直4ディーゼルターボ(177ps/40.8kgm)。1.6L、直4ターボ(225ps/30.6kgm)

■9位/プジョー3008

プジョーの新しいベンチマーク。ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2017を受賞している。スタイリング、インテリアデザインも個性的。装備も先進安全性能は充実している。駆動方式はFFだが、アドバンスドグリップコントロールが駆動輪へのトルクとブレーキングを微妙にコントロールし、4輪駆動に負けない走破性を体感させてくれる

○使い勝手と乗り心地のソフトさ
×先進すぎる斬新なデザインのiコクピットと小径ステアリング

■価格:357万〜405万円
■ボディサイズ:全長4450×全幅1840×全高1630mm
■エンジン:1.6L、直4ターボ(165ps/24.5kgm)。2L、直4ディーゼルターボ(177ps/40.8kgm)

 8位のアウディQ3はすでに新型が本国で2018年7月にデビューしており、同年11月からデリバリーが始まっている。日本導入は早ければ2018年春になるだろう。今回は、購入してもすぐに旧モデルになってしまうので順位を下げた。

■8位/アウディQ3

日本での現行モデルは2012年デビューのモデルで、アウディブランドのなかでも販売面で成功した。欧州では2018年11月から新型Q3がデビューしているが、それでも日本でまだ販売している現行モデルを10位以内に入れた

○余裕のある室内高。クリーンなエクステリア、インテリアデザイン
×先進安全運転に対する装備が遅れ気味

■価格:369万〜469万円
■ボディサイズ:全長4400×全幅1830×全高1595mm
■エンジン:1.4L、直4ターボ(150ps/25.5kgm)。2L、直4ターボ(180ps/32.6kgm)

 BMW  X1は7位だが、新しく登場したX2が魅力的なのと、デビュー4年目ということでこのポジション。2017年に登場したベンツGLAに後塵を浴びることになった。

■7位/BMW X1

2010年に初代X1がプレミアムコンパクトセグメントで初めてのSUV(BMWはSAV=スポーツアクティビティビークル)として発売。現行モデルは2015年10月に発売。パワートレインは、1.5L、直3ターボや2L、直4ディーゼルターボなど多彩なバリエーションがある

○ディーゼルターボ+8速AT+4輪駆動xDriveシステムを搭載するなど走りの楽しさと安定感。使えるサブトランク。4/2/4分割の後席背もたれ
×振動の多さが気になる

■価格:420万〜628万円
■ボディサイズ:全長4455×全幅1820×全高1610mm
■エンジン:1.5L、直3ターボ(140ps/22.4kgm)。2L、直4ディーゼルターボ(150ps/33.7kgm)。2L、直4ターボ(192ps/28.6kgm)。2L、直4ターボ(231ps/35.7kgm)

■6位/メルセデスベンツGLA

メルセデスベンツのSUVのなかで、エントリーモデルとして2017年春に加わった。1.6Lのガソリンターボのほかに2Lターボをメインエンジンにしている。最強はメルセデスAMGのGLA45

○日本市場を意識し、全高を1550mmに抑えたこと。1.6L、直4ターボはスポーツモードを選択すれば速い
×ドライビングポジションを高めにすると、乗車時にドア上縁に頭をぶつけることがある。

■価格:406万〜523万円、GLA45AMGは808万円
■ボディサイズ:全長4430×全幅1805×全高1505mm
■エンジン:1.6L、直4ターボ(122ps/20.4kgm)。2L、直4ターボ(184ps/30.6kgm)。2L、直4ターボ(211ps/35.7kgm)。2L、直4ターボ(381ps/48.4kgm、GLA45AMG)

次ページは : ■いよいよ上位5車の発表!

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