運転で腰痛を悪化させないための方法と姿勢と超効く簡易ストレッチ

運転で腰痛を悪化させないための方法と姿勢と超効く簡易ストレッチ

 長時間運転をしていると、じわじわとやってくる腰や背中の痛み。仕事で運転をしているドライバーさんの中には、慢性的な腰痛が原因で仕事を辞めてしまう人もいるくらい、ドライバーにとって腰痛は深刻な問題です。しかし、その原因や対処法などは意外に知られていません。長時間運転による腰痛は、適切な対処で最小限に抑えることが可能なのです。

 以下、元日産自動車の開発エンジニアである吉川賢一氏にそのコツを伺いました。
文:吉川賢一 写真:平野学、Adobe Stock


■腰痛がおきる原因とは?

 長時間運転による腰痛には、いくつか要因があります。例えば、シートが身体に合っていなかったり、座り方(ドライビングポジション)が間違ったりしていると、腰痛が起きやすいと言われています。

ドライバーの宿痾と言ってもいい腰痛。長く同じ姿勢でいることでどうしても罹ってしまう

 長時間運転による腰痛の主な原因は「血行不良」です。

 立っているときには両足へと分散されていた上半身の重みが、座っている姿勢だと腰にかかります。しかも、運転中は身体が拘束されているので、長時間動くことなく体重がそのまま腰に集中、負荷が大きくのしかかってしまいます。

 すると、シートに触れている身体の部位の血流が悪くなり、老廃物がたまり、それが神経を圧迫することで、腰痛が発生するのです。運動が不足している方や、お年を召して腰まわりの筋力が衰えている方であるほど、腰痛が慢性化してしまう傾向があります。

■事前にできる対策とは?

 まずはきちんと座ること。

 腰をシートの奥まできっちりとつけて、AT車の場合は左足がフットレストにきちんと乗る位置にシートを前後にスライドします。

 次にハンドルを「9時15分」の位置で握った状態で180度回したときに肘が伸び切らない位置にシートバックを起こします。

 多くの人は、シートバックが寝ている状態になっており、頭や背中がヘッドレストから浮いてしまっていますが、それはNG。頭と背中をシートにピタッとつけることがポイントです。シート接触面が増えることで、負荷を分散することができ、体重の一点集中が起きにくくなります。

「運転していて楽な姿勢」と「腰に負担がかからない姿勢」は大きく違う。特に長距離運転中は気づかないうちに姿勢が悪くなりがちなので注意しよう

 腰の周りにクッションなどを入れるのも効果的です。腰を包むタイプのクッションが市販されており、負担軽減だけでなく姿勢矯正にも効果的です。

 また、血行不良の対策としては、「こまめな水分補給」が効果です。水分が不足すると、血液がドロドロになり、血流が悪くなり、腰痛の原因となります。トイレが近くなってしまうので、運転中は水分を取らない、という方も多いですが、できるだけこまめな水分補給も、腰痛対策には大切なのです。

■それでも腰痛が生じてしまった際の対処は?

 こうした対策をしていても、長時間運転していれば、腰痛は起きてしまうもの。そこで、狭い車内でも簡単にできる腰痛解消の体操やストレッチをご紹介します。

 まず、両腕を思いっきり上に突き上げるように、バンザイをします。その後、手を下ろすのと同時に身体全体の力を抜き、2回ほど深呼吸をします。これを繰り返すことで、腰痛が和らぎます。

 また、座ったまま、腰を前後に動かすストレッチも効果的です。

 まず頭の後ろで両手を組みます。息を吐きながら、左右の肘をできるだけ近づけつつ、猫のように背中を丸めます。目いっぱい背中を丸めたら、息を吸いながら、今度は胸が開いていることを意識しつつ、背中を反らせます。これを繰り返してください。

腰痛防止のストレッチ。サービスエリアなどで実施するとだいぶ違う。肩甲骨が閉じたり開いたりするのを意識しながらやると効果的

 また、運転後の対処として、お風呂に入るのも効果的です。腰痛は疲労が溜まると起こりやすくなります。

 長時間運転のあとは40度くらいの温めのお風呂にゆっくりとつかり、疲労回復を心がけましょう。

次ページは : ■案外見過ごしがちだけど効果的なのが「水分補給」

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