【巨星堕つ!!!】三菱パジェロ国内販売終了 王道を歩み続けた4代37年の軌跡

 1982年に誕生し、2019年8月末に、4代37年にもおよぶ国内販売の歴史を終えるパジェロ。

 パジェロといえば、1980年代にはパリ・ダカールラリーで総合優勝12回を誇り、1990年代にはRVブームの火付け役となったSUV界の名門だ。その労をねぎらう意味で歴代パジェロを振り返ってみたいと思う。

 まずは日本人初のパリ〜ダカールラリー参戦者のひとり、根本 純氏にパジェロの思い出を語ってもらおう。

文/根本 純
写真/三菱自動車


アフリカの大地から都会のアスファルトまで駆け抜けたパジェロ

4代目(現行)2006~2019年8月

歩行者保護法規に対応したフロント部分の構造変更を見送るための理由で2019年8月末をもって国内での販売が終了となる4代目パジェロ

TEXT/根本 純

 1982年登場のパジェロは、それまでのJEEPが機能優先の武骨な商用車だったのに対し、前輪に独立サスペンションを採用してSUV化。

 乗り手に目を向けた洗練度と、1983年から参戦したパリダカで魅せた逞しさを、街中で乗りこなす魅力をアピールした。

 俺の思い出は1985年のパリダカ。後に日野で活躍する菅原義正氏と夏木陽介氏が参戦し、不眠不休でゴールした夏木さんにカップヌードルをあげたら涙を流してたなあ。

初代  1982~1991年

デビュー時のラインナップはショートのメタルトップとキャンバストップ。ロングは1983年6月に追加された。フロントにはダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用

2代目 1991~1999年

安価とはいえないSUVながら月間販売台数で1位を記録するなど、大人気となったモデル

 バブル最盛期の1991年に登場した2代目はよりアカぬけた完成度。昨今の対歩行者保護とはまるで真逆の、カンガルーバーなんてのも流行ったが、大半のパジェロオーナーは無改造。街乗りSUVの先駆けで、街中に溢れてたな。

総合優勝12回 パジェロといえばダカールラリー

パリを出発し、アフリカのダカールを目指す「パリ・ダカールラリー」。パジェロは1983年から参戦し、いきなり市販車無改造クラスで優勝。1985年には念願の総合優勝を果たし、篠塚建次郎氏、増岡浩氏といった日本人ドライバーも総合優勝を果たした。総合優勝12回はまさに偉業だ

 それにしても、日常ユースでは目先の燃料費以外あまりメリットを見出しにくいディーゼルターボをこれほど売ったのもパジェロ神話だろう。

 個人的に今でも欲しい名車は、この2代目の時に設定されたJトップ。乗り心地重視で多少犠牲になったクロカン性能を、マニュアルデフロックと18インチタイヤでカバーしたマニアックなパジェロだ。

3代目 1999~2006年

従来のラダーフレーム構造からビルトインラダーフレームへ変更。リアサスも独立懸架とされた。スーパーセレクト4WDシステムも「II」へと進化

 1999年に登場した3代目は、バブルを経験したクルマにありがちだが肥大化した。この流れが現行の4代目にもつながっているかもしれないな。

 いずれにしてもパジェロには「ありがとう、お疲れさま」と言いたい。次期型は時代に則したモデルとしてのカムバックをよろしく!

記憶に留めておきたい特別なパジェロ

 ここからは、37年の歴史のなかで生まれた、限定モデルや特別仕様車など、スペシャルなパジェロを厳選して紹介していこう!

TEXT/ベストカー編集部

1986年 特別限定車 ロスマンズスペシャル

ファラオラリーに参加したロスマンズ・パジェロをイメージしたモデルで200台の限定販売。ロスマンズカラーの外装に、多くの特別装備を奢られていた

1987年 特別仕様車 キャメルスペシャル

国際オフロードイベント「キャメルトロフィー」のオフィシャルカーと同スタイルとされた限定車。LSD、スポーツサスなども装備していた

1991年 カタログモデル Jトップ

18インチの大径タイヤと電子制御のリアデフロックを装備して、悪路走破性を高めたオープンボディの硬派モデル。シートは撥水仕様

1994年 特別仕様車 メタルトップXJリミテッドエディション

3ドアのメタルトップXJをベースに、Jトップが採用する18インチタイヤ、LSDなどを装備した、冬期特別限定車

1997年 特別仕様車 フィールドマスター

「ダカール〜アガデス〜ダカールラリー」参戦記念特別仕様車。写真のミッドルーフワイド車にはルーフアタッチメントも装備され、アウトドアに最適

1997年 カタログモデル パジェロエボリューション

ダカールラリー、ホモロゲ取得用モデル。280ps/35.5㎏mを発生する3.5L、V6、MIVECエンジンを搭載し、サスも専用とされた。370万円という価格は今から考えると格安

ニッポンを守る自衛隊汎用小型軍用車両 硬派な雰囲気漂う 1/2tトラックだって、ベースは2代目パジェロ

写真提供/陸上自衛隊

 1973年に採用された「73式小型トラック(ベースは三菱ジープ)」が旧態化したことを受け、1996年に新型になった73式小型トラック。

 2003年度以降は名称を「1/2tトラック」と変更し、現在も現役だが、その新型のベースとなったのは、2代目パジェロ。ショートボディベースながらフレーム後端がやや延長され、乗車定員は6人(3列目シートは対面対座)となっている。

 Jトップが採用した18インチタイヤを装着し、かなり無骨で硬派な外観となっているが、意外なことにミッションはトルコン式の4速ATだったりする。

2002年 特別仕様車 20thアニバーサリープレミアムパッケージ

3代目モデルのZR、エクシードⅡをベースに、20周年記念としてプレミアム感のある内外装と充実した機能装備を奢られた

2007年 期間限定車 ラリーレプリカ

7年連続、通算12回目のダカールラリー総合優勝を記念した限定車。「チーム・レプソル三菱ラリーアート」のカラーリングを見事に再現

2019年 期間限定車 ファイナルエディション

2019年8月の国内販売終了を受けて設定された特別仕様車で、エクシードをベースにルーフレール、電動ロングサンルーフなどの人気装備を標準装備とした。価格は453万600円。700台限定

ミニもジュニアもイオも忘れちゃけない! パジェロの小さな仲間たち

TEXT/編集部

 パジェロといえば、サイズが違うだけで、パジェロそっくりの弟分、軽自動車のパジェロミニ(1994年12月~2017年3月)や小型車のパジェロジュニア(1995年11月~2000年4月)、そしてパジェロジュニアの後継モデルで、ピニンファリーナで生産されたパジェロイオ(1998年6月~国内2007年12月)という、3つのモデルも販売されていた。

 パジェロに続いて、これらのモデルの限定車および特別仕様車を紹介していこう。

1997年 特別仕様車 パジェロミニ アイアンクロス

VR-Ⅱ、XR-Ⅱをベースにルーフレール、スキー&スノーボードキャリアなどを標準装備した特別仕様車。内装も専用シート生地などを採用していた

1997年 カタログモデル パジェロミニ デューク

専用デザインとなるフロントグリルにサイドプロテクトモールなどで、新たな魅力を与えられた新グレードとして登場。内装も専用デザインとされ

2000年 特別仕様車 パジェロミニ スヌーピーエディション

スヌーピーが登場する漫画「ピーナッツ」生誕50周年記念のコラボモデルで、ボディ各所にスヌーピーの姿が。キュートさ爆発

2001年 特別仕様車 パジェロミニ リンクスVリミテッドII

リンクスVをベースに、ボディカラーをパジェロで人気の3ウェイ2トーンカラーとし、スペアタイヤケースなどを装着

2005年 特別仕様車 パジェロミニ ブルームエディション

「心地よいドライブを楽しみたい」という女性ニーズに応えることを目的に、UV&ヒートプロテクトフロントガラスなどを装備。専用ボディ色も◎

2009年 特別仕様車 パジェロミニ ホワイトパールセレクト

有料色のホワイトパールを専用色として設定し、前後バンパー、スペアタイヤケースもホワイトパールで統一。清楚でいい感じ

1997年 特別仕様車 パジェロジュニア リンクス

夏のレジャーシーズンに向け、パジェロジュニアZR-Ⅱをベースに、ルーフキャリア、フォグランプなどの機能装備を追加した

1997年 特別仕様車 パジェロジュニア Mc TWIST


1996年に登場した同名の特別仕様車が再登場。背面にスキー&スノーボードキャリアを備え、ウインターレジャーを楽しむのに最適だ

1998年 特別限定特装車 パジェロジュニア フライングバグ

小型車のパジェロジュニアをベースに、フロントグリル、前後フェンダーなどを新規製作してネオレトロな雰囲気を持たせたモデル

1998年 カタログモデル パジェロイオ ソレント

パジェロジュニアの後継車種=イオの、5ドア設定時に登場したモデルで、デザインはピニンファリーナ社とともに開発された

片岡英明が語る名車・パジェロイオ

パジェロジュニアの後継モデルだが、シャシーもボディも新たに開発された力作。都会的な外観だが、悪路走破性も高い

 パジェロは1990年代に兄弟を一気に増やしたが、弟分たちはいずれも魅力的だ。そのなかで今でも再販すれば売れる、と思われるのがパジェロイオである。3ドアのほかにロングボディの5ドアを設定し、カップルからファミリーまで、アウトドアレジャーを楽しめた。

 エンジンは時代を先取りした1.8Lの直噴GDIだ。後期モデルにはターボもある。駆動方式は副変速機付きのスーパーセレクト4WD-iだから鬼に金棒だ。

 最低地上高も205㎜だから雪道もダートも苦にしない。コンパクトボディだから機動性も高かった。災害大国の日本では、いざという時に頼りになる存在。今の技術で作ればさらに魅力を増すはずだ。

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