ポルシェ、フェラーリ高騰化!? 旧車バブルの真相 PART1輸入車編

ポルシェ、フェラーリ高騰化!? 旧車バブルの真相 PART1輸入車編

 欧米のオークションで’73年式カレラRSライトウエイトが1億1500万円で落札!(※1ドル=120円換算)

 このところの呆れるばかりの旧車の高騰ぶり。なかでも空冷ポルシェが凄まじいと聞く。はたしてどの車種が高騰しているのか? 高騰している理由は何か?

今回は空冷ポルシェだけではなくフェラーリの状況を徹底調査!


空冷ポルシェはいつ頃から高騰したのか?その原因は?

 まず高騰ぶりが目立つ空冷ポルシェ。いったいどうなっているのか、ポルシェ専門店「テクニカルメイトインターナショナル」(神奈川県厚木市 046-297-0911)の田所店長に聞いた。

 「価格が上がり始めたのは2年前くらいからですね。世界的にスポーツカー相場が高騰していて、日本での価格が世界相場に比べて安かったんですね。アメリカ、中国、ドイツ、ドバイといった海外からの業者さんが日本に来てディーラー車のいいものばかり買い漁っています。

 海外でのオークションを見ると驚くほどの値段をつけています。ドイツのオークションでは昔、正規ディーラーだったミツワものだと明記してあって、完全にブランド化しています。今、どこのお店もそうだと思いますが、高いものを買うのは外国人です。多走行車や改造、修復歴ありなど、日本人が買えるのはおこぼればかりです。

 今、空冷ポルシェをお持ちのオーナーさんは、海外サイトをよく見ていて相場も知っています。販売価格と買い取り価格は違うのに、販売価格で買い取ってくださいと言われるお客さんが多くて、困ってます。オーナーさんの目の色が変わっているのがわかります。今は正直、オーナーさんが儲かってお店は儲かりません」

 暴騰しているのは台数が少ないモデルが中心で、カレラGTが4000万円→8000万円、993RSが1000万円→2500万円以上、964RSが900万円→2000万円。

 これら稀少車はまあ、しかたないかなと思うのだが、964のMTも500万円→700万〜800万円、993のMT車も前期型で500万円以下→800万円前後と、レギュラーモデルも高騰。

 それに便乗したのか、964のティプトロニックATも300万円台→500万〜600万円。しかも通称ナローポルシェといわれる’64〜’73年までの911も911Tが350万円→1500万円、911Sが1000万円→2500万円。しかも356やビッグバンパーの930も軒並み、高騰。

 空冷ポルシェの価格表記で目立つのはASK(応相談)。売る側とすれば1日ごとにこれだけ価格が変動していると値段がつけにくいのでASKにしているそうだ。でも買う側にとっては時価の高級寿司屋になかなか入らないのと同じだ。

いったい、いつまで続くのか?

 前出の田所店長は「いいものは海外に出ていってしまっています。当然、日本の流通台数は減りますよね。根本的に多いものより少ないものの値段が上がるので下がる理由はないでしょう。海外の需要が少なくなってきて日本にとどまるようになってきたとしても昔のような値段に戻ることはもうないでしょう」

 いっぽう、ポルシェ販売35年の歴史を持つSHOP9プロダクション(静岡県浜松市 053-449-3251)の佐野代表は「世界的に通貨が不安定なことから投機目的で4年8カ月前から値段が上がってきましたが、この空冷ポルシェバブルはこの先1年はもたないと思っています。

 ポルシェを持っているオーナーさんは売りたがりません。でも株と同じで安くなり始めたら、一気に売りに転じるのではないでしょうか」

 投機目的とは……。ほんとにやめてほしい! そのいっぽうで水冷の996前期型、後期型が300万円以下、997型でも500万円以下で買えるようになってきてお手頃感があるということを付け加えておきたい。

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