【首都高横浜北線】 未開通トンネル内部潜入でわかった工夫


横浜北トンネルの秘密は“車道の下”にあり!!

 作業車が行き交うなか、トンネル内部に潜入する。……いたって普通のトンネルだ。と思ったのも束の間、担当者が「この滑り台で“下の”避難通路に降りられます」とひと言。

車道脇にある非常口看板には、“すべり台式”の文字が。通常時はこのようにすべり台は見えないが……

 実は、この横浜北線、道路の真下は緊急時の避難通路となっているのだ。ちなみに、同じく首都高・中央環状新宿線では、反対車線の道路との間に歩行者用の避難通路を設けている。

 では、なぜ北線では道路の下を避難通路にできたのか? その秘密は「換気方式」にある。

 新宿線は「横流換気方式」を採用している。これは、車道の下の部分も換気システムの一部として利用する仕組みなので、車道下は避難通路として活用できない。

 いっぽう北線はトンネル途中の出入口が少ないこともあり、「縦流換気方式」を採用。これは通行するクルマの動きを利用して換気を行う方式で、それゆえ車道下のスペースが活用可能となったのだ。

 さて、車道脇にある「非常口」看板下からボタン1つで避難路へと続く滑り台が出現し……

 そして、このように滑り台で車道下の避難通路へ移動。

 滑り台の下には、普段お目にかかれない避難通路が待っていた。ちなみにこの滑り台がある非常口は250m間隔で設置されている。

滑り台を降りた車道下の避難路。滑り台は全部で76個設置され、降り口には体の不自由な方が迅速に移動できるよう、手すりも設置されている

最新鋭の道路トンネルは安全にも工夫

 しかし、横浜北トンネルの秘密は、この避難通路だけではない。安全に関わるさらなる工夫が盛りこまれているという。

 そのひとつが、水噴霧設備だ。トンネル内の壁面上部には、パイプが通り、水の噴出口が無数に設けられているが、それぞれの噴出口から毎分6L/mの水を出せるという水噴霧設備の威力は圧巻。

 遠隔操作で約50m範囲に霧状の水を噴射すると、たちまち車道は水浸しになった。

 これに加えて、泡消火栓も約50m間隔で設置。水噴霧設備と併せて、最新かつ万全の設備でトンネル火災に備えている。

こちらが泡消火栓。消火器とともに、本線車道脇に約50m間隔で設置され、火災時の初期消火に備えられている

 そして、一同は横浜北トンネルを抜け、第三京浜との合流部となる横浜港北JCTに到着。開通を目前に控え、工事が進む現場を横目に見ながら、今回の取材を終えた。

 新しい道路トンネルの内部は、一度開通してしまえば、なかなかお目にかかれるものではない。しかし、実際にその内部に入ってみるとさまざまな発見や工夫があるもの。

 もし、横浜北線を利用する機会があるならば、ここで紹介したそんな工夫を思い浮かべながらクルマを走らせるのも、ちょっとしたドライブの一興になるかもしれない。

写真は2月9日取材時点の横浜港北JCT。開通後は写真中央の料金所を経て、奥に微かに見える第三京浜から横浜北線に入ることができる