日本のタクシーがセダンからロンドンタクシー顔負けの1ボックスカーに!? 10月23日、新型タクシー専用車、JPN TAXI(ジャパンタクシー)がついに発売。
そして、発売日当日のイベントで早くも公道を走った!! 日本で唯一のタクシー専用車は、果たしてどんな車に仕上がっている?
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部、TOYOTA
トヨタのタクシー専用車として22年振りの新型発売
街なかで“よく見かけるタクシー”といえば、この写真の車、ご存じトヨタの「コンフォート」(1995年発売)。教習車としてお世話になったという方も多いハズ。
以前は日産の「クルー」や「セドリック営業車」もタクシーとして活躍していましたが、クルーは2009年に、セドリック営業車が2014年に生産終了。その後はコンフォートが唯一、新車で販売を続けるタクシー専用車でした。
そのコンフォートに替わり、トヨタが22年振りに発売した新型タクシー専用車こそ、ジャパンタクシーなのです。
ロンドンタクシーを彷彿とさせるデザインから、かなり大きなイメージを持つかも知れませんが、同車は5ナンバーサイズ。4400mmという全長はコンフォート(同4590mm)より“ちょっと短く”、1695mmという幅はコンフォートとまったく同じ。
エンジンは新開発のLPGハイブリッドで燃費大幅向上!!
そして、ジャパンタクシーの大きなトピックは、そのエンジン。従来のコンフォートは2Lエンジンを搭載。対して、新世代のジャパンタクシーは1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたLPGハイブリッド車として生まれ変わった。
コンフォートタクシーが使用する燃料はガソリンではなくLPG(トランク奥の横長タンクにLPGが入っています)。新型のジャパンタクシーもガソリンではなくLPG仕様を継承しているのですが、特筆すべきは燃費のよさ。
従来コンフォートが、JC08モード燃費で9.8km/Lだったところ、ジャパンタクシーは19.4km/Lまで向上しています。
さらに、安全装備では緊急自動ブレーキのトヨタセーフティセンスC(アクアなどと同様)も全車に採用しています。
そして、実車を見て驚くのは室内の広さ。FFとなった恩恵もあって、後席中央のでっぱりもなくなり、足もとスペースも随分広くなった印象。
また、助手席側はスライドドアを採用(運転席側は通常のスイング式)し、フロア高も320mmと低く、幅広い人が使いやすい、タクシーらしい設計思想が随所に見られます。
東京の街中を走るジャパンタクシーは「静か」
そんなジャパンタクシーが、10月23日の発売日に東京・台場でおこなわれた発表会イベントの直後に、さっそく公道を走りました。
筆者の横を颯爽と走り去るジャパンタクシーを見て率直に感じたのは「実に静か!」ということ。ハイブリッドを採用していることもあり、車外で聞くエンジン音は、従来のコンフォートよりもかなり抑えられている印象。
ちなみにジャパンタクシーは2グレード展開で、標準グレードの「和(なごみ)」が327万7800円、上級の「匠(たくみ)」が349万9200円という価格設定で、東京モーターショーにも出展されます。
また、2018年春にはこのジャパンタクシー500台から走行画像・車両データを収集し、車線別の渋滞情報を提供する試みも開始。
将来的には気象情報等と組み合わせて「雨が降ったから、この辺に人がタクシー待ちの人が集まりそう。だから、そこにタクシーを集めよう」といったことも可能になるとトヨタの友山茂樹専務は発表会で語っていました。タクシーそのものだけでなく、その「使い方」も大きく変わろうとしています。
国交省の調べによると、日本全国にある法人タクシー車数は20万台超。これだけの台数が、新しいタクシーに切り替わっていけば、街の景色も変わる。
しばらくは、これまで活躍してきた“いつものタクシー”を、感謝を込めて眺めつつ、新しい景色を楽しみにしたいものです。
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