ジムニー カローラスポーツ デリカD:5… 発売から1年経った新型車たちの通信簿

 発売してから2~3カ月であれば、どのクルマも大抵売れる。やはり1年くらいは様子を見てみないとそのクルマの「成功」「失敗」は判断できない。

 ということで、新型車&フルモデルチェンジ(以下FMC)車で「丸1年以上」経過したものを16台集めた。

 4月1日現在、2020年2月までの販売台数しか判明していないので、2019年3月以降に発売された新型車&FMC車は対象にならない。

 それ以前から1年間、2018年3月~2019年2月までに発売された新型車&FMC車について「1年間の評価」と、通信簿になぞらえ「1~5」で採点。さらには発売されてから1年間の販売台数を紹介する。デリカD:5はほぼ新型でしょうということでリストに加えた。

 評価と採点は片岡英明氏(片)、松田秀士氏(松)、岡本幸一郎氏(岡)の3名だ。

●登場から1年間以上経過した新型車たち
・三菱 エクリプスクロス(2018年3月1日/258万6100円~)
・スバル フォレスター(2018年6月20日/286万円~)
・トヨタ センチュリー(2018年6月22日/1996万2963円)
・ダイハツ ミラトコット(2018年6月25日/109万4500円~)
・トヨタ クラウン(2018年6月26日/469万1500円~)
・トヨタ カローラスポーツ(2018年6月26日/216万9200円~)
・スズキ ジムニー(2018年7月5日/148万5000円~)
・スズキ ジムニーシエラ(2018年7月5日/179万3000円~)
・ホンダ N-VAN(2018年7月12日/129万1400円~)
・ホンダ クラリティPHEV(2018年7月19日/598万9500円~)
・ホンダ CR-V(2018年8月30日/329万100円~)
・レクサス ES(2018年10月24日/590万7407円~)
・レクサス UX(2018年11月27日/397万2222円~)
・ホンダ インサイト(2018年12月10日/332万2000円~)
・スズキ スペーシアギア(2018年12月20日/164万4500円~)
・三菱 デリカD:5(2019年2月15日/391万3800円~)

【画像ギャラリー】この1年の販売台数の推移も合わせて掲載! 発売から1年経ったクルマたちをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年4月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年5月10日号


■三菱 エクリプスクロス(2018年3月1日発売)

 クルマ自体の完成度は上々。デザインも走りも悪くないし、三菱のSUVらしく悪路走破性も充分。待望のディーゼルも仲間に加わった。にもかかわらず売れゆきはパッとしていない。

 このクラスのSUVというと、ただでさえ人気の高いカテゴリー。ライバルが強敵すぎるのか。切り札はやっぱりPHEV……?

●通信簿…3(岡)

■スバル フォレスター(2018年6月20日発売)

 いいところはX-MODEの採用でオフロードの走破性が高いこと。しかもオンロードでの卓越したハンドリングを持つオールマイティでタフなモデルというところ。

 悪いところはライバルのSUVに対してまだ若干燃費が。サスペンションから叩くような突き上げ感が若干あり、ちょっと足が締まりすぎている。

●通信簿…4(松)

■トヨタ センチュリー(2018年6月22日発売)

 ショーファードリブンで、価格は2000万円だが、すべてが新しくなったから、順調に買い換えが進んでいる。受注生産だから登録台数はこんなもんだろう。

 V8のハイブリッドは実力と環境性能において先代の一歩上をいく。快適性と先進安全装備も世界最高レベルだ。が、V12の復活を望む声も聞こえる。

●通信簿…4(片)

■ダイハツ ミラトコット(2018年6月25日発売)

 女性社員チームが女性ユーザーのために開発したというが、女性のためにとすべてを軽くした頼りない乗り味は少々いただけない。

 シンプルな内外装デザインは、わざとらしい印象もなくアリだと思ったけど、売れゆきは伸び悩んでいる模様。今時女性向けというコンセプトはあまり受け入れられないのかも。

●通信簿…2(岡)

■トヨタ クラウン(2018年6月26日発売)

 日本のセダンとしては驚異的な販売台数。クラウンらしいスタイリングだということが1年たってやっとわかってきた。つまりこのデザインは◎だ。

 2.0RSのハンドリングと身のこなしは欧州車のように俊敏。ただしインテリアに華がない。使いやすそうに見える2段のディスプレイも機能未熟なのと目が疲れる。

●通信簿…4(松)

■トヨタ カローラスポーツ(2018年6月26日発売)

 ハッチバック神話は崩壊したし、カローラツーリングも加わったが、最初の1年は大健闘と言える。1.8Lエンジンにモーターのハイブリッド車は力強い加速を見せ、実用燃費もいい。ハンドリングも軽快だ。

 6速MT設定のターボも面白いが、アイドリングストップが装備されていないのにガッカリする人も……。

●通信簿…4(片)

■スズキ ジムニー(2018年7月5日発売)

 当初の見込みを大きく上回る受注により、生産キャパの問題でいまだに納車に時間を要する状態が続いている。それでこの数字だから、実際の人気はもっと高いということ。

 確かにこのデザインは魅力的だし、ほかにはない“本物感”もある。そのうえ快適性が高まり先進装備も充実したのだから、売れるのも納得だよね。

●通信簿…5(岡)

■スズキ ジムニーシエラ(2018年7月5日発売)

 ステアリングから伝わる速度に関わらず味のある楽しい操舵フィール。軽ジムニーとはまた一味違うボリューム感のあるボディ。軽じゃないとこんなに販売台数が少なくなるのか!

 パワー的にも余裕があるぶん、軽ジムニー用に作ったシャシーゆえシエラはガサツさをそこそこ感じるところが弱点か?

●通信簿…3(松)

■ホンダ N-VAN(2018年7月12日発売)

 商用車なのに販売が5000台を超える月があるのは凄い。2タイプを設定し、LEDヘッドライトや先進安全装備のホンダセンシングなどを設定し、ワゴンと遜色ない安全性と快適性を誇る。

 キャビンと荷室は広く、ダイブダウン機構付きシートも便利だ。だが、割り切った助手席は快適じゃない。

●通信簿…5(片)

■ホンダ クラリティPHEV(2018年7月19日発売)

 それなりに話題にもなったし、クルマの出来もかなりのものなのにこの台数とは、 ちょっと信じられない少なさ。

 確かに価格は高いけどバリューだって高い。日本でPHEVが売れないことはないのはライバルも証明していることだしね。せっかく日本に導入したのに、全然売る気が伝わってこない気もする……。

●通信簿…1(岡)

■ホンダ CR-V(2018年8月30日発売)

 室内静粛性が高くサスペンションのホイールトラベルに無駄な動きがなく乗り心地がいい。自立直進性能が高く安定していて、コーナリングラインを読みやすく正確に目指すラインに乗せられる。

 でも、スピードメーターなどインパネ類のデザインが古く、新しさを感じられない。ライバルと比較して価格が若干高い。

●通信簿…5(松)

■レクサス ES(2018年10月24日発売)

 最初の1年は頑張ったと思う。ハイブリッド車だけだが、快適性と走りの妥協点が高く、先進安全装備も満足できるレベルにある。

 デジタルアウターミラーも新鮮な感覚だ。ハンズフリーパワートランクリッドも重宝する。だが、600万円の高級車としては風格と内装の質感、先進安全装備などは物足りなく感じた。

●通信簿…3(片)

■レクサス UX(2018年11月27日発売)

 充分に売れているという見方もできるが、人気レクサスSUVの末弟と思うと、もう少し売れてもいい気もする。やはり価格に割高感があるからだろうか。

 多くの人にとって価格に見合う価値が感じられなかったということのようだ。走りの仕上がりはまずまず。ギア付きCVTはもう少し熟成されることに期待。

●通信簿…3(岡)

■ホンダ インサイト(2018年12月10日発売)

 クルマは素晴らしい。超高速域での安定感、コーナリングラインを速度にかかわらず正確にトレースできる。コーナーではロール感をあまり感じないのだが、サスペンションがしなやかに動いてボディをフラットに保つ。

 デザインを含めて、シビックなど他のモデルとの差別化が明確でない。言い換えれば目立たない。

●通信簿…4(松)

■スズキ スペーシアギア(2018年12月20日発売)

 先代と違って今度のスペーシアはキュートなデザインだ。女性受けもいい。このスーパーハイトワゴンの使い勝手に遊び心をプラスし、男性をも虜にしたのがスペーシアギアだ。

 床や後席には防汚対策が施され、自転車を積むためのガイドも装備した。ターボは速いが、マイルドハイブリッドはパンチ力が今一歩。

●通信簿…4(片)

■三菱 デリカD:5(2019年2月15日発売)

 大健闘! 純粋な新型車ではないのにこれだけの台数が安定して売れているのはたいしたもの。それだけデリカの世界観に共感する人は多いのだ。

 物議をかもしたフロントフェイスも発売後は一気にイイね! に転じた印象だし、快適性から悪路走破性までクルマ自体の実力も大きく向上している点も評価したい。

●通信簿…4(岡)

■総評

 結果は「5」が3台、「4」が7台、「3」が4台、「2」が1台、「1」が1台となった。クルマは発売してからが勝負だ。1年の評価はこのようになったが、各メーカーともユーザーの声、販売台数などをもとにさらなる改良を加えてくるハズだ。成績を上げるか、それとも下げるのか気になるところだ。

 ホンダ勢はクルマの評価は高いのだが、販売台数に結びついていないように思う。目標販売台数も高くないのでコレでいいのかもしれないが、アッと驚く大ヒット車を出してほしい。評判のいい新型フィットをベースとした新型車の登場に期待したい。

ユーザーの価値観に合わせて5タイプを揃えるフィット。コンパクトカーNo.1の座奪還へ!

【番外コラム】今のところ「5」をつけたい、発売から丸1年たってない新型車

●岡本幸一郎氏の見解

 まずはヤリスとフィット。どちらも完成度が高く売れゆきも上々。この2台は当確として、ロッキー/ライズも売れてるけど、気になる点もあるので、ちょっと様子見。

 軽自動車ではデイズ/eK、タント、N-WGN、ハスラーは出来もよく、一部やや伸び悩んでいるようにも思えるものの販売も概ね好調なようで、いずれも有力候補だ。

ロッキー/ライズ、走りについては気になると話す評論家も多いが、販売台数は絶好調だ!

●片岡英明氏の見解

 通信簿で「5」をあげたいクルマの筆頭はクロスオーバーSUVのRAV4。ちょっと大柄だが、走りの実力と快適性、安全性を高い次元で両立させている。カローラとカローラツーリングも驚くほどの進化を見せてくれた。軽自動車ではN-WGNとデイズ/eKの兄弟ハイトワゴン。見違えるほどよくなった。

日本カー・オブ・ザ・イヤー2019~2020を受賞したRAV4。「5」評価筆頭候補だろう

●松田秀士氏の見解

 フィットだね。e:HEVになってモーター駆動で静かになるのは当たり前だけど、ロードノイズなど耳障りな雑音をよく抑え込んでいる。サスペンションの動きがとてもしなやかで乗り心地がいい。余計な力が抜けて、肩肘張らずリラックスして運転できる。価格を抑えるためにカメラのみでACC(LKAも)を行っている技術も見もの。

【画像ギャラリー】この1年の販売台数の推移も合わせて掲載! 発売から1年経ったクルマたちをギャラリーでチェック!!!

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