2020年9月23日、BMWはスポーツモデル、新型M3セダンとM4クーペを発表した。
公開された写真を見て仰天したのはキドニーグリルの大きさ。2020年6月に4シリーズクーペが発表された時にも相当ショックを受けたのだが、今回はそれを上回るデカ鼻キドニーグリルの登場だ。
さて、新型M3セダン、M4クーペはどんなモデルなのか? デカ鼻グリルととともにその概要を解説していこう。
文/清水草一
写真/BMW Adobe Stock
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史上最大(!?)のデカ鼻キドニーグリルに仰天!
本企画担当者から一報が入った。「清水さん、新型M3セダンとM4クーペの写真を見ましたか? 6月に発表された4シリーズクーペよりもさらにグリルがデカいですよ。どこまで大きくなるんでしょうね」。
新型4シリーズクーペといえば、キドニーグリルの上下幅を一気に従来の2倍ほどまで巨大化したことで話題をさらったが、新型M3セダンとM4クーペはさらにデカいという。
急いで画像を見ると、確かに若干大きい気もするが、グリル内が横桟になったことで、一瞬そう見えるだけ……にも思える。
じっくり観察すると、グリル内に取り付けられたナンバープレートからはみ出した部分の幅は、少しだけ新型M3セダン&M4クーペのほうが広い。
ただ、4シリーズクーペに比べ、新型M3セダン&M4クーペのグリルは上下がすぼまった樽型なので、グリルの面積自体はほぼ同じではないだろうか。
さらに細部に目をやると、4と新型M3セダン&M4クーペとはヘッドライト形状はほぼ同じだが、バンパー下部ははっきり異なる。
加えて新型M3セダン&M4クーペのボンネットフードには、キドニーグリルから伸びるパワーバルジ的なラインが明確。
フード上にエアアウトレットも設けられ、断然スポーティに仕上がっている。全体としては、新型M3セダン&M4クーペは、よりエアの吸い込み感が高く、パワフルかつ戦闘的な顔付きだ。
この新型M3セダン&M4クーペと、それぞれに超スポーツバージョンのM3コンペティション・セダン、M4コンペティション・クーぺも用意される。
4つのモデルともに、2021年3月からドイツ本国で発売される。おそらく日本へは2021年秋頃になると予想。
3L、直6ツインターボユニットは480hp、コンペティションは510hp!
さて搭載される注目のパワーユニットは、先代モデル同様の3L、直6ツインターボながら、パワーは大幅にアップ。
ノーマルのM3セダン&M4クーペでは最高出力480hp(先代は431hp)、M3コンペティション・セダン&M4クーペ・コンペティションは最高出力510hp(先代は450hp)になる。
トランスミッションは、ノーマルのM3セダン&M4クーペがクラス唯一の6速MTである点に注目が集まる。次期フェアレディZもそうだが、スポーツモデルのMT回帰は本物かもしれない。
一方、「M3セダン&M4クーペ・コンペティション」はMステップトロニック8速ATとなっている。純粋な速さを追求すればATにならざるを得ないということだろう。
駆動方式は後輪駆動が基本だが、「M3セダン&M4クーペ・コンペティションモデル」には、AWDの「M xDrive」も2021年夏(本国)に追加されるという。
6速MTの復活で、M3セダン&M4クーペに対するカーマニアの熱量は間違いなく上がりそうだが、そこに立ちはだかるのが、例の「縦長デカグリル」だ。
4シリーズクーペの段階で、多くのクルマ好きからは「何コレ?」「正気か……」などのネガティブな反応が噴出していたが、今回は4ドアセダンボディのM3にも、縦長デカグリルが採用されている。
個人的には、このグリルについて、一瞬「ゲッ!」と思ったが、その迫力にすぐに引き込まれた。
キドニーグリルはもともと、腎臓(キドニー)に似た縦長楕円が2個組み合わされた形状からスタートしている。最もなじみの深い3シリーズを見ても、初代は完全な縦長。そこから徐々に横長に変化している。
キドニーグリルはもともと縦長だったので、現行Z4や8シリーズのような横長の巨大グリルに比べると、縦長巨大グリルのほうがむしろ違和感は小さく、上品に感じるのは私だけだろうか?
4シリーズクーペに比べると、M3セダンとM4クーペはより引き締まって見える形状に微妙に変更されているため、「エアをどんどん吸い込んでどんどんパワーを出す!」というメッセージ性がさらに強烈。全体のフォルムにも、マッチしているように思える。
ただ、公開された写真には、欧州型の横長ナンバープレートが付いている。ナンバープレートがバンパーのようにグリルを二分しているので、それで違和感が少なく見える面はありそうだ。
ここに日本やアメリカのナンパープレートが付くと、ちょっとマヌケに見えるかもしれないが、それもすぐ慣れるのではないだろうか。
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