いかに伝統の家柄とはいえ、歴史を重ねればそのなかに「イマイチ、かな?」というのが混ざるのは、人もクルマも同じこと。春のお彼岸も過ぎたことだし、本企画ではそんな「あちゃ〜」なクルマたちを振り返ります。
「そんなんだから先祖に顔向けできないんだ!」なポイントを教えてくれるのは、『ベストカー』本誌連載「エンスー解放戦線」でもおなじみ自動車ジャーナリストの清水草一氏。
氏はけっこう墓参りが好きだと言っていたので、この企画にはうってつけの人選と言えるかもしれない(もちろん清水氏はご先祖様に顔向けできまくるぞ、本当だぞ)。
なお各文末の「ご先祖に顔向けできない度」は★5つが最高(最低)で、「最も顔向けできないクルマ」となります。
文:清水草一、ベストカー編集部
■8代目カローラ 1995〜2002年
日本を代表するクルマ・カローラ。これまで11代を数え、15代続いた徳川幕府の将軍にも迫っておりまするが、8代目はどうもイカンかった。
7代目はバブル期に企画されただけに、とてもゼイタクな設計でございましたが、8代目は一転不況下につきすべてがコストダウン! ペナペナになってしまったのです。時代に合わせたとはいえ、退歩はイカン。
ご先祖に顔向けできない度…★★★★
■マーク2クオリス 1997〜2002年
マーク2もまた9代という長い歴史を持つクルマ。現在もマークXと名を変えて、なんとか家名を守っておりまする。
が、マーク2クオリスは、一族と認めとうない。マーク2一族はすべて後輪駆動!
FFのカムリグラシアのお面を替えてマーク2を名乗らせるのは、さすがに安易に過ぎようて。クルマそのものはよいのじゃがのう。なんとも惜しいのう。
ご先祖に顔向けできない度…★★★
■9代目クラウン 1991〜1995年
クラウンは我が国で最も長い家柄。なにせ現在で14代じゃから、徳川将軍家まであと一息じゃ。
そんなクラウンの黒歴史は9代目であろうか。クラウンも変わらなきゃみたいな感じで、マジェスタには初めてモノコックボディを採用、テールランプもガラリと変えるなど意欲満々だったが、これが大不評。一時は日産セド/グロに販売台数で逆転を許す始末であった。無念。
ご先祖に顔向けできない度…★★
■4代目ソアラ 2001〜2005年
ソアラといえば「未体験ゾーン」。しかし国内における名声は2代目までで、3代目で崩壊し、4代目で滅亡の憂き目を見た。
3代目も「ソアラ」の名を継ぐにはふさわしゅうない「ぬらりひょん」だったが、4代目はまるでソアラではない! 最後は車名そのものをレクサスSCに変えてしまうとは。
まさにご先祖様の顔に泥を塗りおった。最初からソアラを名乗らなければよかったのう。
ご先祖に顔向けできない度…★★★★
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