日産黄金期の立役者 本山哲がGT500勇退!! 「平成最速の男」はいったいなにがすごかったのか?

日産黄金期の立役者 本山哲がGT500勇退!! 「平成最速の男」はいったいなにがすごかったのか?

日産のモータースポーツを長期にわたり支え続け、過去スーパーGTで3度、フォーミュラニッポンで4度のチャンピオン経験を持つなどまさにレジェンドの名にふさわしいレーシングドライバー、本山哲選手。

「日本一速い男」の異名を持つ星野一義氏も本山選手の実力を認め、速さだけなら自分よりもあったとまで星野氏は発言している。

そんな本山選手が日本のツーリングカーのトップカテゴリーSUPER GTのGT500から2018年シーズンをもって引退することを発表した。

本山選手の凄さはモータースポーツ好きならご存知かとは思うが、GT500引退のいま、改めてその歴史を振り返りたい。

【本山哲選手 プロフィール】

 1971年3月4日、東京都出身。フォーミュラニッポンで1998年、2001年、2003年、2005年にチャンピオンを獲得。

 SUPER GTは2003年、2004年、2008年にシリーズチャンピオン。ル・マン24時間にも4回出場するなどまさに日産を代表するレーシングドライバーだ。

 2018年シーズンをもってトップカテゴリーGT500からの引退を発表した。

文:皆越和也/写真:ベストカーWeb編集部、日産


■星野一義の薫陶を受けて本山がさらに強くなった

2019年2月9日、横浜の日産自動車グローバル本社で行われた「2019年日産モータースポーツ活動計画発表会」において、SUPER GT/GT500クラスのドライバーラインナップから、平成時代の日産のエースとして君臨して来た本山哲の名前が消えた。

そして彼に与えられた新しい肩書きは「日産/NISMOエグゼクティブアドバイザー」というものだった。

2019年2月9日、本山哲がトップカテゴリーからその名を消した。淡々と進む引退セレモニーだったが、恩師でもある星野一義(左)からの言葉はなんだったのだろうか

本山は1971年3月4日生まれの47歳。1996年、25歳の時に鈴木亜久里の紹介で日産/ニスモ入り。

やがて長谷見昌弘、星野一義といったベテランと入れ替わるように頭角を現し、1998年に国内トップフォーミュラであったフォーミュラ・ニッポン(現在のスーパーフォーミュラ)で初のタイトルを獲得。

日本を代表するドライバーのひとりとなった。また日産/ニスモのエースドライバーとして、1997年全日本GT選手権(JGTC)から昨年までのSUPER GTの22年間170戦に出走し16勝を挙げ、チャンピオンは3回獲得している。

フォーミュラ・ニッポンでも3回タイトルを獲得。平成で最も活躍したドライバーと言うことができるだろう。

本山は19歳で4輪にステップアップする以前も、全日本カート選手権で2度トップクラスでタイトルを獲得。

現在のように運転免許を持たない16歳でもレーシングドライバーとしてデビューできるような環境ではなく、18歳になり自動車免許を取得してからの4輪へのステップアップだった。

自信を持って臨んだはずの全日本F3では少々つまづいてしまったが、1995年にはチーム体制にも恵まれシリーズ2位を獲得、F1を引退した鈴木亜久里の目にとまった。

ニスモ加入後は新進気鋭の若手として期待されていたが、全日本ツーリングカー選手権以外での優勝はなかった。

2002年以降、本山はニスモのエースとして数々の功績を残していく。常に勝つことを求められるエースには大きな重圧があったことだろう

しかし1998年に初めてル・マン24時間のドライバーとして起用されると、5月3日に行われた予備予選では、猛烈なプレッシャーのなか最後のアタックでタイムを削り取り本戦への出走を勝ち取る走りを見せた。

「この時に彼は一皮むけたと思った」と当時のル・マン24時間で指揮を執った柿元邦彦ニスモアンバサダーは語っている。

本山の成長に影響を与えたのが”日本一速い男”である星野一義であることは間違いない。

星野が率いるTEAM IMPULには、フォーミュラ・ニッポンで4年、GTで3年在籍し、星野の勝ちに対する執念を吸収。

さらに2002年にGTでニスモに戻ると、日産のエースドライバーとしてチームをけん引した。

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