C-HRの実力検証 乗ってわかった〇と×

C-HRの実力検証 乗ってわかった〇と×

 2016年12月14日に発売されたトヨタの新型SUV、C-HR。

 独特のスタイルが注目されるが、走りの実力はどうなのか? また使い勝手は? 

 実際に乗ってみてわかった○と×など、最新モデルC-HRを多角的にレポートする。

 文:渡辺陽一郎/写真:池之平昌信
ベストカー2017年1月26日号


スタイル自慢、C-HRの気になるポイント

 まずは、簡単にC-HRのポイントをおさらしておこう。注目なのは、以下の5つだ。

  • ■トヨタの新しいクルマづくり「TNGA」採用の第2弾
  • ■個性的なスタイリング
  • ■パワートレーンは、1.2Lターボと1.8Lハイブリッドの2本立て
  • ■ハイブリッドの燃費は30.2km/L
  • ■トヨタセーフティセンスPを標準装備

 C-HRは比較的コンパクトなSUVで、プラットフォームはプリウスと共通だ。TNGAと呼ばれる考え方に基づいて開発された。

 エンジンは2種類が用意され、1.2Lのターボはオーリスと同じタイプになり、駆動方式は4WDと組み合わされる。プリウスと共通の1.8Lをベースにしたハイブリッドもあり、これは前輪駆動の2WDのみになる。

 ボディサイズは全長が4360mm、全幅は1795mm、ホイールベースは2640mmだから既存のSUVではヴェゼルに近い。

 ただし全高はハイブリッドの2WDが立体駐車場を使いやすい1550mmに抑えた(ターボの4WDは1565mm)。

 外観はフェンダーを大きめに張り出させて力強さを感じる。全高に対してホイールのサイズを拡大したことも、外観がカッコよく見える秘訣だ。

 グレードはターボがS-Tと上級のG-T。ハイブリッドはSと上級のGになる。装備はターボ、ハイブリッドともにほぼ同じで、上級のG-TとGには、18インチアルミホイールや本革を使った上質なシート生地が採用される。

存在感のあるスタイリングのC-HR。プリウスよりも全長で約20mm短く、全幅が35mm幅広いワイドフォルムになっている
 
存在感のあるスタイリングのC-HR。プリウスよりも全長で約20mm短く、全幅が35mm幅広いワイドフォルムになっている  

乗ってわかったC-HRの○と×

 まず、○な点。走行安定性と乗り心地が優れている。操舵感はSUVとして反応の仕方がちょうどよく、車両の向きが比較的正確に変わる。

 この後の姿勢変化も穏やかで、旋回中にアクセルペダルを戻す操作を強いられても、後輪の接地性が下がりにくい。

 ちなみにプリウスは機敏によく曲がる半面、走行状態によっては後輪の接地性が下がりやすい。C-HRは背の高いSUVなのにバランスがよく、開発者は「プリウスの発売から1年を経て、プラットフォームも熟成が進んだ」と言う。

 サスペンションは柔軟に動き、路面の状態が悪い場所でも粗い乗り心地になりにくい。上級グレードは18インチタイヤが装着され、適度な引き締まり感が伴っている。

 では、×な点はというと……。最も注意したいのは後方視界だ。後席側のサイドウインドウが小さく、斜め後ろが見えにくい。

 トヨタの視界に関する社内基準を辛うじてクリアした。後席に座った時も閉塞感が伴う。荷室は床が高く、リアゲートを寝かせたから背の高い荷物を積みにくい。

 ターボは運転感覚は素直だが、動力性能はノーマルエンジンでいえば1.8Lクラスだ。車両重量が1470kgに達するため、登坂路では力不足を感じやすい。

 17インチタイヤは、18インチに比べてカーブを曲がる時に歪み方が大きくなりやすい。

次ページは : 全4グレード、どれを選ぶのがいい?

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