三菱久々の新車エクリプスクロス 最新SUVと三菱への不安、懸念、義務、そして期待

 2017年10月下旬の東京モーターショーに出品され、そこで発表、年内発売が有力視されている三菱の新型車、エクリプスクロス。

 本記事では現時点で判明しているエクリプスクロスの情報と、特にエクリプスクロスに期待したいこと、やらなければならないことを、プロにじっくりと伺った。

文:渡辺陽一郎


■三菱にはもう3年以上、新車がない

 いよいよ三菱が動き出す。2017年内にエクリプスクロスを発表する。思い返せば2016年4月20日に、三菱は燃費試験データについて不正な操作を行っていたと発表した。

 これを受けて同年には、三菱eKワゴン/eKカスタム/eKスペース、三菱と日産が共同開発したデイズとデイズルークスの販売を中止する事態に陥った。

 そのために三菱からは、最近はOEM車を除くと新型車が発売されていない。最も新しい車種でも2014年2月に発売されたeKスペースだから、3年半以上にわたって新型車の投入がない。従ってエクリプスクロスは、大いに期待されている。

エクリプスクロス

 今は日本国内、海外ともにSUVの人気が高く、三菱は老舗的な存在だ。エクリプスクロスもSUVで、ボディサイズはジュネーブモーターショーの出品車両で見ると、全長が4405mm、全幅は1805mmとなる。

 全幅はアウトランダーと同程度だが、全長は290mm短く、SUVの中では日本の道路環境に適した車種になる。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はアウトランダーと同じ数値だから、後席の足元空間も十分に確保されてファミリーも使いやすい。

 エンジンは直列4気筒1.5Lのターボと、2.2Lのクリーンディーゼルターボを搭載する模様だ。今はディーゼルに向けた注目度が高いが、日本車の品ぞろえはハイブリッドが中心だから、エクリプスクロスには有利な条件がそろう。

 価格をマツダCX-5のクリーンディーゼルターボ搭載車よりも割安にすれば(当然にそうなるだろう)、必然的にCX-3に近づいて価格競争力でも期待できる。

■三菱には、過去の清算が必要

 ただし堅調に売るには、過去の精算を行うことが不可欠だ。三菱は以前からリコール隠しなどで糾弾されてきたのに、なぜ再び燃費偽装問題を発生させたのか。

 再発防止のためにどのような対策を講じているのか。この2点について、消費者が理解して納得できるように、綿密かつ優しく説明せねばならない。

 現時点でも三菱のホームページには燃費不正問題に関する「最新のお知らせ」が掲載されるが、この内容はマスコミ向けのニュースリリースを並べたものだ。

 今では膨大な量が蓄積され、相当な時間をかけて真剣に取り組まないと理解しにくい。正確に伝えるために堅苦しい表現も多い。ユーザーが「今度買うクルマはエクリプスクロスにしようかな、でもあの一連の問題はどうなったのかな」と思った時に、現状では納得した気持ちになれない。

 これはユーザーとメーカーの両方にとって不幸だ。

 ユーザーは自分の好みや用途、予算に合う優れたクルマを買いたい。しかしクルマはひとつ間違えば危険を生じるから、一点の曇りもない安心した気持ちで購入したい。

 特に今は安全装備の急速な普及からも分かるように、安全性に対する関心とニーズが高い。燃費偽装問題を発生させた理由と、再発防止対策を分かりやすく説明して、気持ち良く安心してエクリプスクロスを買えるようにして欲しい。

エクリプスクロス

■他メーカーよりも長い特別保証を実施中

 もうひとつ重要なことは、現時点で三菱車に乗るユーザーを、ほかのどのメーカーよりも大切にすることだ。

 三菱はすでに最長10年間/10万kmの特別延長保証を実施しており、他社の3年間/6万km(特別保証は5年間/10万km)よりも長い。長期保証と併せて、さまざまな場面で顧客対応を入念に行い、満足度を高める必要がある。

 これを積み重ねれば、まずは三菱車のユーザーが三菱への評価を高め、やがて周囲の人達に伝わっていく。一度落とした評判を取り戻すには大変な苦労を要するが、不可能ではない。

 「過去にはいろいろとあったけれど、良い自動車メーカーになったね」といわれる三菱であって欲しい。甘い希望的な見方かも知れないが、クルマ好きの読者諸兄なら、共感していただけると思う。

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