新型ソリオ11/25発表! ボディ大型化&フルHV廃止の衝撃!!

メカニズムや装備は、どのように変わるのか? 

現行モデルのフルハイブリッドは1.2L、直4(91ps/12.0kgm)+モーター(13.6ps/3.1kgm)、JC08モードは32.0km/L。マイルドハイブリッドは1.2L、直4(91ps/12.0kgm)+モーター(3.1ps/5.1kgm)、JC08モード燃費は27.8km/L
現行モデルのフルハイブリッドは1.2L、直4(91ps/12.0kgm)+モーター(13.6ps/3.1kgm)、JC08モードは32.0km/L。マイルドハイブリッドは1.2L、直4(91ps/12.0kgm)+モーター(3.1ps/5.1kgm)、JC08モード燃費は27.8km/L

 さて、気になるのはメカニズムや装備類だ。スズキ販売店営業マンに再び聞いてみた。

 「エンジンは1.2L、直4を踏襲しますが、現行型に用意されるフルハイブリッドは廃止される予定です。

 装備については(車間距離を自動制御できる)アダプティブクルーズコントロールが全車速追従型に進化します。カーテンエアバッグは、現行型では装着されるグレードが一部に限られますが、新型では全車対応に充実させます」。

 このほか全長が70~80mm拡大されるのに伴って、荷室床面長も100mm伸ばされるという。

 現行型についても、後席を格納すると自転車を積めるほど広い荷室になるから、次期型では使い勝手が一層向上する。

 それでも全長は3.8m以内に収まり、空間効率はかなり高い。車内が広い割に運転しやすく、現行型の特徴を受け継ぐ。

 このほかグレード構成はソリオがG、MX、MZの3種類で、エアロパーツを装着した上級のバンディットはMVのみになる。

 前述の通り、新型ではフルハイブリッドが廃止されるため、グレード構成は現行型に比べるとシンプルになるわけだ。

 そして上級のMZとバンディットMVには、カラーヘッドアップディスプレイがスズキの小型車としては初めて採用される。

 9インチサイズのHD(高解像度)ディスプレイを使ったメモリーナビゲーションシステムも設定される。

 ボディカラーに関しては新色が加わる。ソリオとソリオバンディットには、メロウディープ・レッドパールとフレイムオレンジ・パールメタリック。ソリオバンディットの専用色としては、グリッター・バイオレットパールがある。

大幅な価格アップはない見通し

 価格については未定だが、スズキの営業マンは「コンパクトカーは競争の激しい分野なので、新型になって大幅に値上げされることはないでしょう。安全装備や運転支援機能を充実させる割には、価格の上乗せは少ないと思います」とコメント。

 ちなみに現行型の価格は、マイルドハイブリッドシステムを搭載して、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、サイド&カーテンエアバッグ、ディスチャージヘッドランプなどを標準装着したハイブリッドMZが199万1000円だ。

 ライバル車のルーミーは、エンジンが1L、直3に留まることもあり、NAエンジン車の価格帯は155万6500円から191万4000円になる。

 ルーミーの価格帯も考慮すると、新型ソリオは装備を充実させるとしても、さらに値上げすれば割高感が目立ってしまう。

 したがって標準ボディとなるソリオの中心価格が200万円を大きく超えることはないだろう。言い換えれば装備を充実させるぶんだけ、割安感を強める可能性が高い。

 さらに新型ソリオに関する顧客の反応について尋ねてみた。

 「現時点でソリオに乗っているお客様には、フルモデルチェンジの情報を伝えています。

 現行ソリオはコンパクトなボディで車内が広く、動力性能にも余裕のある1.2L、直4エンジンにマイルドハイブリッドを採用していますので燃費も優れています。

 ルーミーがライバル車ではありますが、ソリオは機能に独自性があるため、新型への乗り替えを希望するお客様は多いです。

 また最近はダウンサイジングが話題になりますが、実際には生活環境の変化などにより、軽自動車からコンパクトカーにアップサイジングするお客様も少なくありません。

 ソリオが新型になって安全装備などを充実させると、スペーシアからの乗り替えも期待されるでしょう」。

2020年9月15日のビッグマイナーチェンジで姉妹車「タンク」は廃止になったが、ルーミーの標準車は、従来のタンクのフロントマスクに変更された
2020年9月15日のビッグマイナーチェンジで姉妹車「タンク」は廃止になったが、ルーミーの標準車は、従来のタンクのフロントマスクに変更された

 ライバル車のルーミーは、パッソ&ブーンのエンジンやプラットフォームを使って約2年間で開発されたこともあり、動力性能や走行安定性が優れているとはいい難い。

 しかも今では発売から約4年を経過した。そこも含めると、新型ソリオの注目度は高いだろう。

 ほかのコンパクトカーに目を向けると、ルーフの低いフィット1.3ホームの価格は171万8200円、ヤリス1.5Gは175万6000円だ。

 ソリオは約24万円高いが、広い居住空間、使い勝手の優れた大容量の荷室、豊富なシートアレンジ、乗降性の優れた後席側のスライドドア、豊富な収納設備など、ミニバン的な機能が豊富に備わる。

 そのためにソリオがコンパクトカーの新たな売れ筋車種になる可能性もある。しかも最近は、ダイハツがトールやロッキーなどの小型車に力を入れて、売れ行きを伸ばしてきた。

 ダイハツはもともと登録台数が少なかったこともあり、2019年の小型車の売れ行きは、2015年の26倍に達する。

 トヨタのルーミーだけでなく、ダイハツのトールに対抗する意味も含めて、次期ソリオは販売にも力を入れるだろう。

 そうなればヤリスやフィットの売れ行きも影響を受けるから、コンパクトカー市場全体の競争関係が活発化する。

 各車種の販売促進も積極的に行われ、コンパクトカーが従来以上に買い得なカテゴリーとなるわけだ。


編集部注/「ハイブリッド全盛期」といえるこの時代に(少なくとも今回のフルモデルチェンジのタイミングでは)新型ソリオからフルハイブリッド仕様を廃止し、純ガソリン仕様とマイルドハイブリッド仕様のみに絞った判断は、謎めいていて実にスズキらしい。

 このスズキの狙いは2パターン考えられる。ひとつめは「新型ソリオの購買層を考えると、価格を抑えたマイルドハイブリッドモデルのみとしたほうが受ける」と考えたから。

 もうひとつは「いずれフルハイブリッド仕様を追加設定するつもり(スイフトのパターン)」。どちらなのかは、発売半年後に判明する。引き続き取材を続けるので、新情報が入り次第、当サイトでお届けします。

【画像ギャラリー】プチバンの大本命はどれだ? スズキソリオとトヨタルーミー&ダイハツトールを写真でチェック!

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