エルグランドの現行モデルが登場したのは2010年5月。2020年5月で10年目を迎えた。
日産のフラッグシップミニバンのはずなのに、ハイブリッドや日産自慢のe-POWER、プロパイロットも与えられず、ライバルのアルファード/ヴェルファイアには、販売台数で大差をつけられてしまっている。
ラージミニバンの先駆車だったエルグランドは、なぜここまで衰退してしまったのか? 次期モデルはあるのだろうか?
次期エルグランドに関する、今わかっているすべての情報をお伝えしていこう。
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部 日産
初出/ベストカー2020年8月10日号
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エルグランドの今後はどうなるのか?
日産は2020年3月期の連結決算で6712億円の最終赤字に陥り、この理由のひとつにも新型車の欠乏による販売低下が挙げられた。
そこで日産は、18カ月間に新型車を12車種発売する方針を発表した。日本国内では、すでに発表されているキックスとアリア、今後はノート、エクストレイル、フェアレディZなどが登場する。
そのいっぽうで、日産には発売から長期間を経過した車種も多い。前述のフルモデルチェンジ予定車種を除くと、マーチ(2010年発売)、エルグランド(2010年)、GT-R(2007年)、フーガ(2010年)、シーマ(2012年)がある。
キューブとティアナは販売を終えた。気になるのは、かつてラージミニバンの先駆車だった、エルグランドの今後どうなるのかということ。今回は次期エルグランドについて迫ってみたい。
アルファード/ヴェルファイアに大きく水を開けられている
現行エルグランドは売れ行きが悪く、1ヵ月の平均登録台数は500~600台、直近の2020年6月の販売台数を見ても233台と、アルファードの6835台、ヴェルファイアの1192台と比べると、悲惨な状況が続いている。
これほどエルグランドが不人気になったのは理由がある。1列目、2列目は快適だが、3列目は膝が大きく持ち上がり、Lサイズミニバンとしての快適性がかなり下がる。
しかも3列目の畳み方も、背もたれを前側に倒す方式だから、左右跳ね上げ式や床下格納式に比べて荷室の床が高い。全高は1815mmでアルファードよりも100mm以上低く、3列目と荷室が狭い。
エルグランドが不人気の理由として、アルファード/ヴェルファイアの魅力が圧倒的だからと片づけられることが多いが、実用性という面においても負けているのだ。
そして、不人気を決定づけたのは、スカイラインやフーガに搭載されている3.5L、V6ハイブリッドやエクストレイルに搭載されている2L、直4のハイブリッド、そしてセレナに搭載のe-POWERがあるのにエルグランドには一切投入しなかったことだ。
ミニバンNO.1というセールストークを声高に宣伝するセレナを横目に、エルグランドは放置プレイ状態だったわけだ。
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