超高騰中!! あの伝説のGT-R、最終型の価格と価値

超高騰中!! あの伝説のGT-R、最終型の価格と価値

 第二世代GT-Rの中古車価格の高騰が止まらない。歴史的な名車として今後もその価値が下がるということはないだろう。そんなスカイラインGT-Rにはファン垂涎のモデルがある。それが晩年に追加された「Nur(ニュル)」、そしてワークスのNISMOが手掛けたコンプリートカーである400RとZ-tuneだ。

 あれから15年以上の時を経て、果たして今でもNurやコンプリートカーのGT-Rは買えるのだろうか? 第二世代GT-R限定車の中古車市場の実情と、当時400Rの開発に携わった木下隆之氏に400Rの「価格以上の価値」について話を聞いてみた。

文:木下隆之、Web編集部/写真:日産、NISMO


■希少価値増大で年々高騰する”限定車”

 第二世代GT-RといえばR32~R34のRB26DETTエンジンを搭載したモデル。昨今これらのクルマの中古市場価格はどんどん高騰しており、なかなか手が出せない価格帯になりつつある。その背景にはアメリカ市場への輸出解禁などもあるが、やはり名車としての価値が年々上がってきていることは間違いない。

 特に最後の「スカイラインGT-R」となったR34型の中古車相場は高騰傾向にあり、モデル末期に設定されたV-specII Nurなどは現在では定価以上の価格で取り引きがされている。市場価格について群馬県にあるGT-R専門店「クラフトスポーツ」の湯本さんに話を聞いてみた。

V- specII Nurは特に「最強」のGT-Rとしてのイメージも強かった。専用装備の300km/hメーターも「ダテ」ではないとすら思えたほど
V- specII Nurは特に「最強」のGT-Rとしてのイメージも強かった。専用装備の300km/hメーターも「ダテ」ではないとすら思えたほど。新車時の価格は610万円

 「限定モデルは通常モデルよりもやはり価格という面では差があります。たとえばR34のV-specII Nurで、走行1万km程度の車両は車両本体価格が1500万円からで販売されています。

 車両の状態がよければさらに価格は高価になります。最後の限定モデルとなったV-SpecII NurとM-spec Nurの価格は高値で安定しています」。

M-specはあの水野和敏氏も開発に携わった1台。水野の"M"なのだ。このM-specをベースにR35のコンセプトは生まれたとも言われている
M-specはあの水野和敏氏も開発に携わった1台。水野の”M”なのだ。レザーシートやしなやかなダンパーなど、上質さにもこだわり、後のR35に繋がる名車だ。M-spec Nur新車時の価格は630万円

 この両モデルはR34の生産終了を記念するモデルとして300台ずつの販売がアナウンスされたが、反響があまりにも大きく最終的に1000台ずつの販売となった。

 それだけのモデルだからなかなか手放さないオーナーも多く、ここまでの価格高騰になっている。手に入れるなら今、というのはあながち大げさでもなさそうだ。

■NISMOの珠玉の2台 400RとZ-tuneは中古で買えるのか!?

 さらにその上をいくモデルも第二世代GT-Rにはあった。それがR33をベースにしたNISMO 400R、そしてR34をベースにしたNISMO Z-tuneというNISMOが手掛けたコンプリートカーだ。

 400Rは1200万円、Z-tuneは1774万5000円という価格で当時販売されたが、現在これらのクルマを中古車として買うことはできるのだろうか?

 「400RとZ-tuneはほかの限定車とは別格です。当社でも400Rを扱ったことはありますが、基本的には市場に出る前にオーナー同士の売買や、ショップとオーナー間での直接の売買になっていて店頭に並ぶことはあまりありません。価格はやはり超高値で安定しています」と前出の湯本さん。

約1700万円のプライスタグが掲げられたZ-tune。闇雲に速いだけではなく、快適性などにも踏み込んだモデル
約1700万円のプライスタグが掲げられたZ-tune。闇雲に速いだけではなく、快適性などにも踏み込んだモデル

 具体的な価格は車両の状況によっても異なるとのことだったが、編集部調べではZ-tuneは2000万円以上で取り引きされていることは間違いないようだ(海外では約6000万円の取り引きもあった)。

 Z-tuneはなんせ世界に19台(内2台はニスモ所有)のクルマだけに、その価格も納得なのだ。今回はそんな超絶限定車の1台でもある、NISMO 400Rの開発ドライバーを担当した木下隆之氏に当時のクルマの作りこみなどについて聞いてみた。

 55台がデリバリーされた400Rが現在でも高値で取引されていること、そしてこのクルマの”価格以上”の価値がきっとわかるはずだ。

次ページは : ■木下隆之が語る400R 「400Rは社会性と汎用性を削った究極」

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