2025年4月、日産の新社長となったイヴァン・エスピノーサ氏。日産の現状を考えると前途多難の船出となりそうだが、航海を成功へと導くためにエスピノーサ新社長がやるべきことは何か? 国沢光宏氏が「3つのプロセス」を提言する!!
※本稿は2025年3月のものです
文:国沢光宏/写真:日産/予想CG:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
日産を再興へと導く3つのプロセス
経営が行き詰まっている日産は内田社長と星野副社長などの引責辞任を決め、新しいリーダーに46歳のメキシコ人であるエスピノーサ氏を選んだ。
果たして日産を再興させることができるだろうか、と考えた場合、3つのプロセスが必要だとわかる。
(1)当面の運転資金を確保する手段
(2)短期的な収益向上策
(3)今後の新型車戦略
です。(1)については、日産をバックアップする企業が必要。経産省が動くことだろう。
自動車メディアとしては(2)から考えてみたい。まず現在進行形で収益を増やそうとするなら、既存の車種の販売促進と利益率確保の両立が必要。直近のアメリカ市場のように、大幅値引きして台数を稼いだって儲からないですから。
対策としては「買い得感高い特別仕様車を仕立てたうえで、販売コスト下げる」しかない。日産のラインナップはモデル末期多く、工夫すればコストダウン可能。
販売は経費削減のためAI営業などを活用。ディーラーマージンは15%前後。ここでの経費をカットすることにより10%くらいの価格引き下げができる。
これらの販売促進策、すぐ動き出しても実現まで数カ月かかってしまうため、その間はオーソドックスな「営業担当者に大きい裁量権を与える」しかない。なんのかんの言っても、すぐ効果の出る販売促進策は値引きです。
新型車は「出せばいい」というモノではない!?
(3)の新型車の開発は明日着手しても販売までに4年かかる。もちろん開発中のクルマのなかには売れそうなモデルもあるだろうから、2年で世の中に出せる車種だってあるかもしれない。かといって「出せばいい」というモンじゃない。
無責任なメディアは「次期型エルグランドに期待!」などと持ち上げるが、Lクラスのミニバンなんか出しても、アル/ヴェルに勝つのは難しい。電気自動車のリーフもやっぱり競争力は強くない。少なくとも2027年3月までに出る予定の6車種は厳しいです。
健全な状況の日産でも勝率50%程度となる新型車の取捨選択は「クルマをわかっている人」がしなくてはならない。出せばいいというモンじゃないですから。
エスピノーサ社長は今まで「取捨選択する立場の人」だった。現在のラインナップを見ると少し厳しいように思う。「才覚ある人を起用する」ことが重要。
もっと言えば、外国人社長は太鼓持ちのような取り巻きから骨抜きにされがちだ。逆によいアドバイザーを付ければ再興は可能です。


















コメント
コメントの使い方↑こういう競争を是としない輩が、決断しない旧経営陣をのさばらせ、今の日産の惨状を生んだのです。
高い技術力を活かして、昔のような素敵な車をたくさん売って復活して欲しい。頑張れ日産!
私はトヨタを選ぶけど、応援しています。
ダメなチームはない、ダメなリーダーがいるだけ、の見本のような日産。弱り目に祟り目、国沢親分が言う通り、コストケチって無理やり製品化するであろうエルグランドがアルヴェルを超える魅力を放つとは考えにくい。不祥事お笑い芸人がテレビから消えても変わりはいくらでもいるわけで、日産が倒産しても変わりの車は手に入る。雇用や工場近辺の沈下は我々がどうこう言っても仕方ない。
なんで必死にトヨタと争わせるような記事を書くんでしょうね
そもそも日産ユーザーはトヨタが嫌いで日産に乗っている人とか、昔から日産が好きなオーナーとか、日産の未来的なデザインや新しい技術を愛しているわけであって。アルベルのような下品なデザインで上辺だけの車を残価で乗らせるようなものに興味なんかないですよ
日産じゃトヨタと争っても勝てないからね。
未来的なデザインで新しい技術もあり完成度も高いアルヴェル。
古臭いデザインで上辺だけの車を高額で売ってるエルグランド。
2024年はアルヴェルの1%しか売れてないエルグランド。コレが現実。
下品だの上辺だけだの負け惜しみがブーメランなのよ。