2024年度のCEV(クリーン・エネルギー・ビークル=温室効果ガスの排出量が少なく環境にやさしい自動車)への補助金が発表された。中国車をはじめとする一部の輸入車への補助金が大きく減額されているようだが、基準が不明な部分も!?
※本稿は2024年4月のものです
文:国沢光宏/写真:NISSAN、MITSUBISHI、SUBARU、TOYOTA、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■bZ4Xとソルテラで補助金の額が違う!?
2024年度の電気自動車補助金が発表された。概要から書くと「2023年度は85万円という満額が出ていた中国製電気自動車の補助金を減らすための作文」だと思えばいいだろう。
というのも電気自動車の補助金を決めるのに急速充電設備の普及や、整備士の育成などを基準にしているからだ。インフラの整備は国の担当。整備士だって電気自動車はむしろ構造的にシンプルなのに。
ただし中国車の補助金を減らすのは国際基準からすれば当たり前のことだと考える。そもそも我が国は中国製電気自動車の輸入に対し何の制限も掛けておらず、関税だってゼロ。
一方、中国は日本からの完成車輸入に巨額の関税を掛けているうえ、電池の輸入は基本的に認めていない。自民党が日本の農業(票田)を守るため農産物の輸入制限をする代わり、自動車の輸出規制を許容しているからです。
具体的に補助金の概要を紹介しよう。まず満額は85万円で変わりない。金額は採点制で決まる。
前述のとおりインフラや整備士などから構成される項目を合わせた最高点が200点となっており、130点以上獲得すれば85万円。54点を下回ると最低額の15万円になる。航続距離を含む車両性能や、最新のサイバーセキュリティをクリアしているなど、車両評価だけで獲得できるのは60点まで。
BYDのATTO3は60点のほか、10点以上の加点があったらしく、補助金額は35万円。2023年より50万円もの減額になった。日本側の狙いどおりである。
興味深いのがジャガーの電気自動車iペースで、最低額の15万円。さらに高額車に対する20%の減額を受け12万円となってしまった。基本的に輸入車は2023年度と比べ減額になってしまっている。ヒョンデもトバッチリを受け65万から45万円に減額された。
不思議なのはテスラ。スーパーチャージャーは公益性なく、整備体制だって不十分。整備士の育成などしているように思えず。しかも中国・上海工場製にも関わらず65万円出ている。納得しがたい!
はたまたbZ4Xは85万円なのにソルテラの65万円も根拠がわからない。このあたり、オリンピックの採点競技でモメるのと根っこは同じかもしれません。
ちなみに東京都も2024年度の電気自動車補助金を発表した。日産と三菱自動車の軽電気自動車は国と別個に車両だけで55万円。太陽光発電装置を導入している場合は30万円上乗せの85万円! 国の55万円と合わせれば140万円も補助金が出ることになる。SAKURA/eKクロスEVやミニキャブMiEVを買うべし!
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