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【画像ギャラリー】政府が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の驚愕の中身とは?

2/燃料のカーボンニュートラル化(合成燃料(e-fuel)等)


【現状と課題】

 カーボンニュートラルを目指す上では、動力源となるエネルギーのカーボンニュートラル化も必要となる。特に、電動化のハードルが高い商用車等については、燃料の効率的利用とともに、燃料のカーボンニュートラル化の取組が重要となる。

 燃料のカーボンニュートラル化に向けては、既存のインフラが使える合成燃料(e-fuel)15が注目されているが、商用化に向けた一貫製造プロセスが未確立である。

 また、製造に当たって、専用の設備を新設する必要があり、大規模な投資・設備維持コストが必要となるため、製造効率の向上等により、低コスト化を図る必要がある。


【今後の取組】

 合成燃料について、2050年に、 ガソリン価格以下のコストが実現できるよう、既存技術の高効率化・低コスト化に加え、革新的新規技術・プロセスの開発を実施するとともに、商用化に向けた一貫製造プロセス確立のための応用研究を実施する。

3/蓄電池


【現状と課題】

 電気自動車にはハイブリッド自動車の50~100倍程度、プラグインハイブリッドには10~20倍程度の容量の蓄電池がそれぞれ搭載されるなど、自動車をはじめとしたモビリティの電動化を進める上で、蓄電池の確保とサプライチェーンの安定化は重要な課題である。

 欧州では、域内蓄電池サプライチェーン構築に向けて「欧州バッテリーアライアンス」を構築し、素材・蓄電池・自動車メーカー等を支援(※16)するほか、フランス等による電池工場への投資支援等も発表されている。※17

 加えて、2020年12月には、バッテリー指令の改正案が公表され、蓄電池のライフサイクルでのCO2排出量のラベル規制やリユース・リサイクルに関する規律の導入等が示された。

 今後は、CO2排出の少ないエネルギーの調達ができるかどうかが蓄電池の競争力を規定することとなる可能性がある。中国・韓国企業は、積極的に蓄電池への投資を進めており、世界シェアを伸ばす一方、日本企業のシェアは落ちている(※18)ほか、次世代蓄電池の技術開発においても、中国・韓国の取組が強化されている。※19

 電動車の用途拡大や定置用蓄電池の一層の普及のためには、電池の軽量化・小型化・価格低減等が必要であり、大規模投資と技術力強化が課題である。

 また、家庭用太陽光の普及やレジリエンスの関心の拡大を受け、日本の家庭用蓄電池の市場規模は、容量ベースで世界最大20に成長する一方、韓国企業が約7割のシェアを占め、日本企業のシェアは約3割に過ぎない。

 国内でも、液系リチウムイオン電池に加え、主要部材に粘土や樹脂を採用すること等により、生産コストの大幅な低減や安全性の向上を図った製品開発に取り組む例もある。

 業務・産業用や系統用の蓄電池も含め、自立的普及に向けた一層のコスト低減や投資回収の予見可能性の拡大が課題である。


【今後の取組】

 2030年までのできるだけ早期に、電気自動車とガソリン車の経済性が同等となる車載用の電池パック価格1万円/kWh以下、太陽光併設型の家庭用蓄電池が経済性を持つシステム価格7万円/kWh以下(工事費込み)を目指す。

 また、2030年以降、更なる蓄電池性能の向上が期待される次世代電池の実用化を目指す。具体的には、まずは全固体リチウムイオン電池の本格実用化、2035年頃に革新型電池(フッ化物電池・亜鉛負極電池等)の実用化を目指す。

 このため、以下のような取組を行い、成長市場(※21)を取り込む。

(a)電池のスケール化を通じた低価格化蓄電池・資源・材料等への大規模投資支援や定置用蓄電池の導入支援等に取り組む。

(b)研究開発・技術実証全固体リチウムイオン電池・革新型電池の性能向上、蓄電池材料の性能向上、蓄電池や材料の高速・高品質・低炭素生産プロセス、リユース・リサイクル、定置用蓄電池を活用した電力需給の調整力等の提供技術等の研究開発・技術実証等に取り組む。

(c)ルール整備・標準化蓄電池ライフサイクルでのCO2排出見える化や、材料の倫理的調達、リユース促進等に関する国際ルール・標準化、家庭用電池の性能ラベル開発・標準化、調整力市場(2024年開設)への参入に向けた制度設計、系統用蓄電池の電気事業法上の位置付け明確化等に取り組む。


※15:発電所や工場等から回収したCO2と水素を合成して作られるエンジンで利用可能な液体燃料。
※16:参加国が、2031年に向けて最大総額32億ユーロの研究費支援を表明(2019年)等。
※17:2020年5月にフランスが発表した「Plan de soutien à l’automobile」(自動車支援計画)には、最大8億5000万ユーロの公的資金による電池製造工場支援が盛り込まれた。
※18:民間調査によれば、2016年から2019年で、日本勢がEV・PHEV用車載用電池の世界シェア37%から29%まで低下する一方、中国勢が35%から46%に、韓国勢が14%から19 %にシェアを伸ばしている。
※19:例えば、2001年から2018年の累計で、全固体リチウムイオン電池の特許出願件数の約37%を日本が占める一方、中国が約28%を占めている。また、2018年度の特許出願件数では中国が世界一位となっている。
※20:2019年、蓄電容量ベースで世界市場の約28%。
※21:2018年から2030年の比較で、世界で、蓄電池全体で約2倍(約8兆円から約19兆円)、車載用電池に限れば、約5倍(約2兆円から約10兆円)に成長するとの民間試算がある。

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