ワゴンRとともにスズキの軽自動車の屋台骨となっているアルト。次期型はいつ出るのか? 今度のアルトの隠し玉は何? 新型アルトについて今わかっている情報すべてお伝えしていこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、スズキ、ベストカー編集部(予想CGイラスト)
■現行アルトに対し100㎏軽量化
アルトといえば、1979年5月に超破格の47万円で販売された初代アルトを思い出す。鈴木修社長就任の翌年、「あるといいな」という発想から生まれた初代アルトは大ヒットした。
そんな初代アルトを思い起させる出来事があった。そう、スズキが2024年7月に開催した「技術戦略説明会」だ。その説明会で、次期型アルトについて、スズキはとんでもない車両重量の目標値を発表したのだ。
その目標値とは、現行の9代目アルトに対し、次期型(10代目)は100㎏軽量化するという。衝突安全性やADAS(先進運転支援システム)の搭載で車体が重くなるいっぽうの時代にあってはとんでもない数値といっていい。
現行アルトの車重は680㎏~760㎏と現代のクルマということを考えても超軽量。これからマイナス100㎏ということは580~660㎏ということになる。
580㎏の車重は、550㏄でエアバッグすらなかった旧軽規格時代の3代目アルトと同じである。もちろんこれまでのアルトも軽量化に努めてきたため、いうなればボクサーが試合前に減量し、さらに体重を絞るようなものだ。わずか545㎏だった初代アルトに関しても軽商用ボンバン登録でラジオすらオプション、3ドアでリアシートはペラペラの簡素なものだった。
■価格は100万円以下、燃費はマイルドハイブリッドで30km/Lか!?
技術説明会で発表された、軽量化の鍵を握る技術の1つに軽量プラットフォーム、HERTECTを挙げていたが、今回さらに樹脂製パーツの大幅な削減を打ち出してきた。軽量化のメリットはCO2排出量の削減、燃費、走行性能の向上など多岐にわたる。
軽量化に最も寄与するのは燃費向上。現行アルトのWLTC燃費はガソリン車の2WDが25.2km/L、マイルドハイブリッド2WDが27.7km/L。
現在、スズキの軽自動車用12Vマイルドハイブリッドはエンジン出力がNAで36kW(49ps)、これに2kWのモーターというスペック。スズキによれば、これだと将来的に少し足りないので、モーター出力を向上させつつバッテリーリーンな48Vスーパーエネチャージを開発していくという。
例えば10kW程度のモータであっても出力的には3割弱をカバーできるので、小さく軽いクルマだからこそ、この48Vが生きてくるという。この48Vスーパーエネチャージと、100㎏軽量化したことによって、燃費をどこまで上げてくるのか楽しみだ。
価格に関しても現行はガソリン車が106万8000円、マイルドハイブリッド車が121万8800円。100万円以下、燃費は30km/L以上という、価格と燃費が、「さわやかアルト47万円」で初代アルトが登場した時のようなインパクトを打ち出せるか、期待して待っていよう!
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