経営危機からホンダとの経営統合へと、最近勢いを感じない日産。だが、「技術の日産」というキャッチコピーがあるように、世界に先駆けて採用したメカニズムはこれまで多くあった。今回は「頑張れ!日産!」という思いで、近年の中で技術の日産を感じるメカニズムを振り返っていきたい。
文:西川 昇吾/画像:日産
【画像ギャラリー】日産自慢の技術搭載車たち! 新技術実用化の一歩目はつねに日産が踏んできた!(27枚)画像ギャラリーVCターボ
近年の中で特に凄いと感じた技術がVCターボだ。その凄さはピストンの上死点と下死点位置を連続的に可変させるというもの。これにより圧縮比を変化させることが可能で、燃費重視にするかパワー重視にするか、その時々の状況に応じて圧縮比を変化させることができるのだ。
これまで圧縮比はエンジンの仕様によって決まってしまうものであり、そのエンジンの性格を測る一つの指標であったのだが、その常識を打ち破った技術であった。
ちなみにVCは「バリアブルコンプレッション」の略。日産というとBEVモデルを始めとした電動化技術に目を向けがちかもしれないが、実はICEの技術も凄いのだ。
プロパイロット2.0
自動運転がそこまで来ている!と感じさせる技術がプロパイロット2.0だ。この技術は同一車線内でハンズオフが可能になるもので、2019年の登場当時としては世界初のものであった。
もちろん状況に応じてスグにハンドル操作を確実にできる状態である必要があるが、高速道路での移動時にかなり疲労度を少なくしてくれるアイテムと言える。
また、日産は自動運転の技術開発も積極的で、一般公道での自動運転車を用いたサービス実証実験を2026年度に開始するロードマップを掲げているのだ。
アラウンドビューモニター
今や現行車で広く採用されているアラウンドビューモニター。実はこれ日産が初めて市場に送り出した技術なのだ。2007年に登場したエルグランドに採用されたアラウンドビューモニターは、当時世界初の実用化技術であった。
カメラで得た映像を基に車両を上から見下ろしたような映像としてディスプレイに表示するアラウンドビューモニターは、駐車が苦手な人にとっては革命的な技術であったと言える。
現在では他メーカーでも取り入れられている技術だが、日産がいなければ現在ほど駐車しやすいクルマが多く存在していなかったかもしれない。
シンクロレブコントロール
ホンダのレブマッチシステムやトヨタのiMTなど現在では多くのマニュアル車に採用されている、シフトチェンジ時に自動でエンジン回転を合わせてくれる機能。実はこれを世界で初めて実用化したのは日産なのだ。
2008年に登場したZ34型フェアレディZで初めて採用されたシンクロレブコントロール。シフトチェンジ時に最適なエンジン回転数にしてくれるこの機構は、マニュアルトランスミッションをより多くの人が楽しめるものにしてくれた。
「マニュアルは自分で回転まで操ってこそ楽しいだろ!」という声があるかもしれないが、スイッチでON・OFFが可能だし、その後他メーカーでも同様の機構が採用されていったことを考えると、トレンドを作ったアイテムと言える。
ほかにもまだまだ「技術の日産」と思わせるメカニズムや機能は多くある。このエンジニアリングスピリットは日本の自動車、モビリティの未来のためにも途絶えさせてほしくないと思う。































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